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生地の学校 2 "後染めとは"

織物についての紹介からスタートした生地の解説記事の第2弾です。

前回の生地を見ていない方はそちらからご覧頂くとより理解しやすいかと思います。

織物は染め工程で分類すると後染めと先染めに大別されます。

今回は後染めについて解説を行っていきます。

「後染め」
生地が製品(生機)になった段階で染色を行う。
※製品染めは割愛します。

生機とは以下のような織りあがったばかりの染色/整理されていない生地のことです。

また、この後染めは以下の2つの手法に大別されます。

■ベタ染め
単一色での染めです。(文字通りベタっと1色の色に染まります)

■染め分け(片染め)
素材や糸による染色性の違いを利用し、あえて不均一感を出す染めです。この不均一感こそがいわゆるメランジ感や杢感という奥行となります。

【例】
経糸に綿/緯糸にポリエステルの糸が使用されている生地があるとします。それぞれの素材は染まる温度や染料が異なります。その差を利用して綿のみ紺色に染めて、ポリエステルは白のまま残す。これにより単色の紺色ではなく、デニムのような紺色を表現することが可能です。実際はそんなに単純なものだけでなく、生地の混率や組織によって色の出方は全く異なります。奥が深くておもしろいです。この色出しが上手いかどうかはかなり重要な能力だと私は思います。

今回は以上です。次回は先染めについて紹介します。

その他にも生地のこんなことについて教えて欲しいという要望があれば教えて下さい。僕のしっている範囲で解説させて頂きます。

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