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会社経営を俯瞰すると、やるべきことが見えてくる 「経営の木」

◯会社と人間のカラダは似ている

 「会社の経営状態は人間のカラダの健康状態と似ている」と私は考えています。

それは
・一つでも悪い所があると、全体のパフォーマンスが下がる
・悪い原因には、それに適した治し方がある。

という共通点があるからです。

 例えば期限が切れた食べ物を食べてお腹が痛くなっているときを想像してみて下さい。
頭や手足、心臓や肺は何も異常がないのに、「お腹が痛い」という一つの原因で体のパフォーマンスは圧倒的に悪くなりますよね。

 また、お腹が痛いのに『頭痛薬』を飲んでも、「お腹が痛い」のは治りませんよね。

 これと同じことが会社の経営においても言えると思っています。

 ・会社の機能に一つでも悪い部分があると、圧倒的に成果が悪くなる
・その悪い部分には、それに適した治し方がある
ということです。

一方、会社の経営状態とカラダの健康状態とで、違うこともあります。

お腹が痛いことは、自分が感じていることなので当たり前に気付くことができますが、
「会社の良くない所」は経営者であってもなかなか把握しにくい、ということです。

 「会社の良くない所」を把握することができれば、それに適した治し方を試してみることで、会社の経営を良い方向に持っていくことができます。

したがって、「会社の良くない所」を正しく把握する
これが会社を経営する上で非常に重要なことだと思います。

 

◯「会社の良くない所」を正しく把握するには、会社全体を俯瞰する!

会社全体を俯瞰するといっても、会社の中の動きは非常に複雑なものですし、直接目で見えるわけではないため、なかなか難しいことだと思います。

そこで、会社の経営を大きく6つの機能に分け、ビジュアル的に分かりやすくしたツールを考えました。それがこちらです。

◯経営の木

土から吸い取った養分や水分が、幹を介して美味しい実をつける。鳥は葉を見て木に集まってくる。

これと同じように、

社員や財務状態()が会社を支えるとともに労働力を捻出する。
その労働力が経営戦略やブランド()を介して、
商品やサービス()として顧客に届けられる。
その存在を知らしめるべく販促ツール()がある。

 このように、会社の経営は木のように例えられると考えています。

〇どこか一か所でも悪いと、極端に会社のパフォーマンスが下がる

根・幹・実・葉
どこかが悪いと、極端に会社のパフォーマンスは下がります。

例えば次のような感じです。

 社員の雰囲気が極端悪い(が良くない)
→人が辞めたり、社員にやる気がなかったりして、うまく労働力が捻出できない

 競合他社と差別化ができる戦略になっていない(が良くない)
→価格競争になり、利益率が低い

顧客のニーズを汲み取った商品になっていない(が良くない)
→商品が売れず、売上が上がらない

プロモーションが商品の魅力を伝えるようなものになっていない(が良くない)
→良い商品をつくっていても、顧客に興味を持ってもらえない

 

◯着眼点が局所的になっていないか?

 長い時間自分の会社と向き合っていると、どうしても見る視点が局所的になってしまうものです。
そんなときに「経営の木」を使って会社経営を俯瞰的に見ることができれば、「何が良くないのか?」がちょっとだけ見えてくると思います。

架空の事例をいくつか紹介します。

◯ケース1:「幹」や「実」が良くない

【とある会社A】
新しい商品をつくり広告しても、思ったほど売れない。
売れないのはまだまだ認知度が足りないのでは?
もっともっと広告()にお金を割いて集客しよう!

 このケースは非常に多いなと感じます。
もしかしたら、問題が次図のように局所的に見えてしまっている可能性があります。

販促ツール(葉)に目線が行きすぎて、戦略など根本的な部分(幹)などに目線が向いていない。

しかしもっと俯瞰してみると、売れないのは広告が足りていないのではなく、商品(実)や戦略(幹)に大きな課題があるのかもしれません。

もしそうなら、どれだけ広告にお金を割いても商品が売れていくことはないでしょう。

戦略(幹)に課題があれば、販促ツール(葉)にお金をかけても状況は好転しない。

 商品(実)や戦略(幹)の良くないところを治すには、中小企業診断士など戦略を見ることができる外部のコンサルタントを入れるなど、戦略や商品を見直すべきでしょう。

 

◯ケース2:「根」が良くない

【とある会社B】
自社の技術力を活かしたOEM生産を獲得し、堅実に業績を伸ばしてきた。
しかし、社員の定着率が非常に悪い。採用募集してもなかなか集まらない。
社内の雰囲気も昔と比べて悪くなった気がする。

 これは組織の風土(根)が良くない状態と言えます。
葉や実、幹に目が向いており、根の部分が疎かになってしまうケースはよくあります。

根が悪ければ、いかに立派な木でも倒れてしまう。

 しかし根は木全体を支える大事な部分。

この場合は、インナーブランディングと言われるような組織を活性化させる策(例えば、会社の存在意義やビジョン明確にし、社員に浸透させる等)を講じたり、
人事制度を見直したりするなどして、
楽しくやりがいを持って仕事ができるような環境を整えることが有効となるでしょう。

 ◯ケース3:「葉」が良くない

【とある会社C】
非常に良い技術をもっていて、他社には到底作れないような優れた商品を製造している。
新たに自社ECサイトも立ち上げて、直接販売にもチャレンジしてみた。
しかし、何故か全然売れない。

 これは自社ECサイトを立ち上げた「のみ」で販促をしていない(葉が良くない)がために、お客さんから認知されていないのかもしれません。

葉が悪ければ、良い商品(実)があってもお客さんから認知されない

商品に適した広告を考えたり、商品の魅力を訴求できるような広告をデザインしたりするなど、お客さまに知ってもらう活動が有効になるでしょう。


◯経営を俯瞰して、課題に対して適切な策を!

 このように、会社全体を俯瞰しながら考えてみると、
根・幹・実・葉のうち「何が課題なのか?」ちょっとだけ見えてくるものがあると思います。

 お腹が痛いときは胃薬が有効なように、根・幹・実・葉のうちどこに課題があるかによって有効な策が変わってきます

ぜひ、課題に対して適切な策を行うようにしてみて下さい!

因みに当オフィスでは根・幹・実・葉それぞれに対するアプローチをワンストップで行うことができます。
デザイナーとしての知見と、中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格)の知見を掛け合わせることで、例えば次のように、高い効果を発揮することができます。

葉:会社の「強み」を踏まえて、他社と差別化できるようなデザインの広告を作成
実:デザイナーとして感性と経営戦略の知見から、売れる商品やサービスを開発
幹:経営戦略を磨き上げるとともに、唯一無二のブランドをつくる
根:インナーブランディングで、社員の士気を向上させる

 「どこが良くないか分かったけど、どうすれば良いの?」
「そもそもどこに課題があるのかあまりピンと来ない…」

という方、ぜひとも一度ご相談下さい!


◯まとめ

 いかがでしたか。
内容をまとめると次のような感じです。

 ・会社の経営は人間のカラダと同じ。一つでも悪い部分があると、圧倒的にパフォーマンスが悪くなる。また、その悪い部分にはそれに適した治し方がある。

 ・「経営の木」を用いると、会社全体をビジュアル的に俯瞰できて「会社の良くない所」を把握しやすい。

 ・「会社の良くない所」を改善するには、それに適した策を講じるべき。社外の専門家に頼る場合は適した人に相談するべき

 

このブログでは各月で、経営戦略やデザインに関する記事をアップしていきます。

更新頻度は少ないですが、その分しっかり推敲して、読むに値する良質な内容を提供していきたいと考えています。

 ぜひフォローお願いいたします!

 

◯執筆者について

もともとグッドデザイン賞等を受賞した一級建築士・デザイナーだったのですが、ゼロから経営学を勉強し、中小企業診断士(経営コンサルタントの国家資格)を取得。
グラフィックデザイナーである妻と共にデザインに強い経営支援事務所「ふくろう経営デザイン室」を主宰しており、中小企業へ【戦略策定|新規事業開発|ブランディング|デザイン経営|販促ツールのデザイン制作】をサポートしております。


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