深水千世/くさなぎ秋良

もの書き。カクヨム、小説家になろう、アルファポリス、ノベマ!で書いています。くさなぎ秋…

深水千世/くさなぎ秋良

もの書き。カクヨム、小説家になろう、アルファポリス、ノベマ!で書いています。くさなぎ秋良名義で絵本テキストを書くこともあります。noteでは主にエッセイを公開していきます。香水ブログも運営中。https://fukamichise.com

マガジン

  • 滋味礼讃

    思い出の食べ物・飲み物・お菓子にまつわるエッセイ

  • 香水の記録

    お試しからボトル購入にふみきるほど気に入った香水の備忘録、たまに小話を添えて。

  • 家族のエッセイ

    親のこと、子のこと、夫のこと、家族のあれこれ。

  • まどろむ宝石、もの言う鏡

    宝石より美しい目を持つ生き物、それは猫。 そしてその目はありのままの私を映し出す鏡。 宝石の目と視線がかち合うとき、私は自分の姿を直視する。 猫がいつも傍にいるエッセイです。 【参考文献】 『学研の図鑑 美しい鉱物』 監修/松原總 発行/株式会社学研プラス

  • 花留多唄

    花言葉の歌留多に寄せたエッセイ。 イラストは无域屋さん。

最近の記事

  • 固定された記事

【もの書きの香水棚 1】ル・ラボ『テ ノワール 29』

 2022年9月に香水ブログを立ち上げ、新しく出会った香りの備忘録を綴っています。  その中でフルボトルの購入を決めたほど惹かれたお気に入り香水をご紹介します。  今回はル・ラボ『テ ノワール 29』です。 【香りのキーワード】 【使用した感想、口コミ】  ブラックティーの香りにイチジクやベルガモットが調和した香り。  干し草やタバコのようなドライなスモーキーさがあります。ウッディでありながらイチジクとムスクが角を丸くしている印象。  ちなみにラプサンスーチョンを

    • 滋味礼讃 137 赤飯

       おこわの一種で、ハレの日の料理ですね。もち米に小豆やささげを加えて蒸し上げます。  北海道に移住したとき、赤飯に甘納豆が入っているのを見て驚愕したものです。そこにごま塩をかけるんですよ。スライスした紅ショウガが添えられているのも、どうにも不思議でしたね。  人生の半分以上を北海道で過ごしている私ですが、赤飯の甘納豆だけはどうしても馴染めませんでした。私は小豆派です。  赤飯を上手に作れる人って、ものすごく母性を感じます。何故でしょうねぇ。なんだか郷愁を感じる料理だと思う

      • 滋味礼讃 136 ホースラディッシュソース

         『ホースラディッシュ』とは『セイヨウワサビ』『山わさび』とも呼ばれるわさびの一種です。チューブタイプのわさびの材料でもあります。  ローストビーフには欠かせない味ですが、このホースラディッシュのソースが大好物です。  北海道にいた頃、某サブマリンサンドイッチのチェーン店では必ずこのソースでオーダーしていました。しかしながら、2015年の3月に終売になってしまったらしいですね。残念です。  というわけで、現在では冷蔵庫に完備しています。  野菜と和えたり、ハムサンドに使う

        • 滋味礼讃 135 鯛焼き

           『鯛焼き』と耳にするだけで『およげ! たいやきくん』のメロディがよみがえり、それ以外考えられなくなります。なんと恐ろしい中毒性。  近頃ではお好み焼きの具材を挟んだ鯛焼きもありますし、ハムチーズなんて甘くない鯛焼きも見かけます。  私が中学生のとき、親友を必ずバス停まで送っていくのが日課でした。私はそのバス停から近いところに住んでいたのですが、親友は街の外れに住んでいたので、30分に1本あるバスで通っていたのでした。  さて、そのバス停は銀行の前にあり、こぢんまりとした

        • 固定された記事

        【もの書きの香水棚 1】ル・ラボ『テ ノワール 29』

        マガジン

        • 滋味礼讃
          137本
        • 香水の記録
          4本
        • 家族のエッセイ
          7本
        • まどろむ宝石、もの言う鏡
          9本
        • 花留多唄
          44本
        • 立ち飲み母ちゃん
          14本

        記事

          【もの書きの香水棚 3】メゾンマルジェラ『ジャズクラブ』

           2022年9月に香水ブログを立ち上げ、新しく出会った香りの備忘録を綴っています。  その中でフルボトルの購入を決めたほど惹かれたお気に入り香水をご紹介します。  今回はメゾンマルジェラ『ジャズクラブ』です。 【香りのキーワード】 【使用した感想、口コミ】  ニューヨークの中心地に潜むジャズクラブ。薄暗い室内にはリキュールやタバコの香りが立ち込め、サックスの音色が心地よく響く。洗練された大人の男性たちのプライベートな雰囲気を再現。  ブルックリンのカクテルとシガーに

          【もの書きの香水棚 3】メゾンマルジェラ『ジャズクラブ』

          滋味礼讃 134 七味唐辛子

           先日、ゑびす講に行ってきました。商売繁盛の熊手などの縁起物が売られ、数百の屋台が軒を連ねます。毎年とても賑わうものです。  私は去年、初めて行ったのですが、そのとき七味唐辛子の屋台も初めて見たのでした。  屋台では、小さな桶に七味の材料である唐辛子や陳皮や芥子、麻の実などが別々に盛られています。そして独特のリズミカルな口上を述べながら材料を特製の容器に盛って調合し、袋などに入れてくれるわけです。  夫は小さい頃からその口上が好きで、よく祖母とゑびす講に来ては七味売りの様子

          滋味礼讃 134 七味唐辛子

          【もの書きの香水棚 2】ディプティック『フルール ドゥ ポー』

           2022年9月に香水ブログを立ち上げ、新しく出会った香りの備忘録を綴っています。  その中でフルボトルの購入を決めたほど惹かれたお気に入り香水をご紹介します。  今回はディプティック『フルール ドゥ ポー』です。 【香りのキーワード】 【使用した感想、口コミ】  フルール ドゥ ポーとは『肌に咲く花』という意味。その名の通り、肌にのせると愉悦におぼれそうなほど耽美的な香りが肌を覆うのです。  ビロードのごとく滑らかなアイリスとムスクの中にピンクペッパーなどのスパイ

          【もの書きの香水棚 2】ディプティック『フルール ドゥ ポー』

          滋味礼讃 133 かぶ

           好きな食べ物をきかれて真っ先に「かぶ」と答える人に出会ったことがないのですが、私にとっては結構好きな野菜ランキング上位にくいこみます。味ももちろん、包丁で皮をむく感触もいいし、なによりあの形が好きなのです。  一言にかぶといっても、多くの種類がありますね。日本でも千枚漬けで有名な聖護院かぶをはじめ、日本各地でいろんなかぶを見かけます。  それに、リチャード・スキャリーの絵本に出てくるかぶは紫がかっていました。ロシア民話の『おおきなかぶ』は特別ですね。  動物の言葉を話

          滋味礼讃 132 肝油ドロップ

           『肝油』とはサメ、エイの肝臓から抽出したものですが、河井製薬がドロップにすることに成功し、『肝油ドロップ』として普及しました。  現在、薬局で販売しているものはビタミンA、Dを主成分としています。ビタミンCを主体とした製品もあります。ビタミンAやDは脂溶性なので、摂取量に制限があります。  私が幼稚園の頃には、1日1個ということで、オレンジ色の肝油ドロップが配られていました。現在の食生活では必要がないので配られないって聞いたことがありますが、私のような昭和世代はあったんで

          滋味礼讃 132 肝油ドロップ

          香水のマガジンはじめます

          もの書きの深水千世です。くさなぎ秋良名義でも活動しています。 私は香水ブログ『言の葉のあぶく』を運営しています。 香水をほとんどまとうことのなかった人生を送ってきた私が、新しく出会った香りをお試しして備忘録として感想や口コミをまとめているブログです。 ブログ内では私個人の『好き嫌い』の主観は極力書かないようにしています。香水をこれから使うために検索してくれた訪問者の方に影響しないようにという方針です。 なかにはお試しから気に入ってボトルで揃えたもの、これから絶対購入す

          香水のマガジンはじめます

          滋味礼讃 131 ほうれんそう

           昔から大好きな野菜の一つだったのが『ほうれんそう』でした。  いつも母は茹でて切っただけのほうれん草を食卓にあげていました。その横には必ずマヨネーズと醤油。それが我が家の定番の食べ方でした。  それ以外の食べ方を知らなかったものですから、小学校の調理実習でソテーを作ったときに、新天地を見た気分になりました。  けれど、母に「作ってくれ」とは言えなかった自分がいます。子どもながら、母がいつも茹でて出すのには理由があるんじゃないかとか、いつもと違う方法を提案されたら面白くない

          滋味礼讃 131 ほうれんそう

          滋味礼讃 130 焼き鳥

           『焼き鳥』と聞くだけでお酒が欲しくなるのは飲んべえのサガというもの。  一口大に切った鶏肉を串にさして焼いたものですが、焼き鳥屋さんでは豚や肉以外の食材も提供されますね。  ねぎま、鶏皮、つくね、ハツ、砂肝、軟骨、ササミ、ぼんじり、豚トロ、銀杏、枚挙に暇がありません。ドラマ『深夜食堂』では豚バラトマト巻きなんてものも登場していました。  中には雀の丸焼きもありますね。京都の伏見稲荷大社の名物になっています。訪れた際、私はオーダーする勇気がもてず、きつねうどんを食べた記憶

          滋味礼讃 130 焼き鳥

          滋味礼讃 129 ミネストローネ

           イタリアの野菜スープ『ミネストローネ』は煮込んでいても、口にしてもほんのり幸せになれる料理です。あのレオナルド・ダ・ヴィンチも故郷のミネストローネが好きだったそうですね。  トマトベースではありますが、家庭料理なので使う野菜は様々ですね。みじん切りにした野菜とベーコンをにんにくとオリーブオイルで炒めてからホールトマトやブイヨン、ローリエを加えて味付け……が、我が家のいつもの作り方です。  しかし、毎度冷蔵庫にある野菜で作るので、肉なしだったり、使う野菜が変わったりしていま

          滋味礼讃 129 ミネストローネ

          滋味礼讃 128 チューインガム

           板状もあれば球状もあり、最近は粒状が主流になってきた『チューインガム』が本日のお題です。  『chew(噛む)』と『gum(ゴム)』という英語で『チューインガム』となったんだそうです。『chew』という英語は噛み砕ける錠剤『チュアブル(chewable)』という単語でも耳にすることがありますね。『chew(噛む)』と『able(できる)』で『チュアブル』……別にテストに出る保証はございませんが。  よくアニメや漫画の中でもガムを噛むシーンが登場しますし、『チャーリーとチ

          滋味礼讃 128 チューインガム

          滋味礼讃 127 食用菊

           山形県に住んでいた頃、結構な頻度で食用菊を食べていました。  紫や黄色の菊の花をむしり、酢を入れたお湯でさっと茹でて、辛子醤油でいただくのです。小説の中にちょっと出したことがあるのですが、山形では『もってのほか』と呼んでおりました。  大きなザル一杯に入った菊の花をむしる作業は、意外と楽しいものです。母や弟とおしゃべりしながら、ひたすら花びらを引きちぎるのは、豪快かつ爽快でもありました。  ですが、同時に幼い私には少し怖く思えたのです。綺麗に咲いている花を容赦なくむしり取

          滋味礼讃 127 食用菊

          滋味礼讃 126 生姜

           本日のお題は薬味としてお馴染みの『生姜しょうが』です。  たたきなどの魚料理や、豚の生姜焼きに欠かせない食材ですね。角煮などの臭み消しにも使われます。紅茶にすりおろした生姜を入れて飲む人もいます。  うちの父はスライスした生姜を加熱した醤油と酒に漬け込んで、そのままボリボリ食べています。それが意外とご飯がすすむんです。漬け汁も料理に使えますよ。  カクテルのモスコー・ミュールはもともとジンジャー・ビアを使うレシピでしたが、手に入りにくいためにジンジャー・エールを使った