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滋味礼讃 129 ミネストローネ

 イタリアの野菜スープ『ミネストローネ』は煮込んでいても、口にしてもほんのり幸せになれる料理です。あのレオナルド・ダ・ヴィンチも故郷のミネストローネが好きだったそうですね。

 トマトベースではありますが、家庭料理なので使う野菜は様々ですね。みじん切りにした野菜とベーコンをにんにくとオリーブオイルで炒めてからホールトマトやブイヨン、ローリエを加えて味付け……が、我が家のいつもの作り方です。
 しかし、毎度冷蔵庫にある野菜で作るので、肉なしだったり、使う野菜が変わったりしています。そのアバウトなところが、このスープの魅力。自由なんですよね。

 ことことと煮ているとき、たちのぼる湯気と香りに心まであたたかくなります。食卓にあると、それだけでほっこりしますよね。

 最近は息子の離乳食としてアレンジして作り置きしてあります。
 にんにくと油、塩こしょう、ブイヨンは使わず、野菜はみじん切りで噛む練習ができるほどの柔らかさで、肉はなしです。茹でて細かくしたササミや鶏胸肉は個別包装で冷凍してあるので、入れたいときはそれを加えていますが。
 多めにつくって一食分ずつ冷凍もできるので便利です。解答したら茹でて刻んだマカロニやお粥と混ぜてもよし。

 家族みんなで食卓を囲むのはいいものですが、そこにあるとなお嬉しい料理の一つがスープだと思っています。他には鍋やシチュー、おでんもあるかな。
 母の味、家庭の味……そんな言葉が似合う料理って、冬が似合う料理が多いと思うのは、私が雪国生まれの雪国育ちだからでしょうか。そして結構材料がアバウトなのも特徴ですかね。あるもので作れちゃう気楽さ。
 それに、ミネストローネって言葉の響きが可愛いですね。それを唱えるだけで心があたたかくなる呪文のような名前です。

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