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あなたのその葛藤がおもしろいんじゃないか


2024年2月26日(月)朝の6:00になりました。

自分自身の姿がはっきりとわかるのは、葛藤しているときにほかならない。

どうも、高倉大希です。




過去を生きた人々は、今を生きている人々よりもバカだ。

歴史を学ぶとき、わたしたちはなぜかこのような前提に立ちがちです。


当然、過去と今とでは環境が異なります。

インフラも整っていなければ、法律すらままならないような状況です。


だからといって、その時代を生きた人々がバカだったわけではありません。

環境が異なるだけで、そこにはわたしたちと同じ人間が生きていたはずなのです。


たとえば『源氏物語』のなかに描かれている、人が人に対して抱くさまざまな感情。それはいまの人たちが抱える悩みや情熱とまったく同じものだと思います。好きだという気持ちを伝える手段は、手紙からメールやLINEに変わってるかもしれないけれど、どうしようもなく人を突き動かす感情みたいなものは、『源氏物語』に書いてあることとなにも変わらない。

糸井重里(2014)「インターネット的」PHP研究所


歴史を学べば学ぶほど、そこに生きた人々の葛藤が見えてきます。

人々の葛藤そのものが歴史であると言っても、過言ではありません。


未来のことなんて、誰にもわかりやしません。

だからこそ人々は頭を悩ませ、一歩ずつ前に進んできたのです。


細かいことを言えば、果たしてそれが前なのかどうかもわかりません。

人々が葛藤してきたということだけが、紛れもない事実です。


長々と自分ができないことを言い訳のように説明してきたが、そんな自分を変えたいという気持ちは本物である。なにかをできないことを、「できない理屈」で乗り越えるのはもう止めにしよう。「できなかった」という事実と正対することで、できるようになるかも知れない。

又吉直樹(2023)「月と散文」KADOKAWA


それにも関わらず、わたしたちは葛藤を嫌います。

生まれた葛藤は、なるべくはやくに解決したいと願います。


抱えている葛藤は、できるだけ人に見えないように工夫します。

葛藤していることは、恥ずかしいことだと思い込んでいるからです。


あなたのその葛藤が、おもしろいんじゃないか。

本当はそう言いたいのですが、きっと怒られてしまうのでしょう。


個性とは、私だけの思い、私だけの考え、私だけの感情だという世界では、学習は反復練習だ、身につけることだ、という常識は消えてしまいます。そんなこともせずに、ひたすら個性を美化するから、何を伸ばしていいかがわからなくなる。心や頭に個性があったら、それをどうやって伸ばせばいいのか。わかるはずがありません。心や頭は「共通理解」の世界だからです。

養老孟司(2023)「ものがわかるということ」祥伝社


おもしろい文章には、その人の葛藤が反映されています。

葛藤の先にある発見が含まれていると、なおおもしろいなと思います。


わたしたちが人である限り、葛藤はいつも隣にあります。

本当は、そんな葛藤におもしろさが内包されているはずです。


あなたのその葛藤が、おもしろいんじゃないか。

無理をして、隠す必要なんてありません。






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