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パロディやオマージュの元ネタがわかるようになりたい
2024年3月23日(土)朝の6:00になりました。
真似をするときは、その形ではなくその心を真似するのがよい。
どうも、高倉大希です。
「世界中のジャングルの虎がみんな溶けてバターになってしまうくらい好きだ」
村上春樹さんの『ノルウェイの森』に、このようなセリフが出てきます。
はじめて読んだときは、なんだこの言い回しはと衝撃を受けました。
『ちびくろ・さんぼ』のオマージュだと知ったのは、少し経ってからのことです。
『ノルウェイの森』と『ちびくろ・さんぼ』。
まったく関連のなかった二つの点が、一本の線でつながったのです。
象について調べているうちに、数学に関心を持って、パリの大学につながって、現地でファッションの勉強をしている女性と恋におちました......なんていう、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな、はじめっからは想像できない連鎖がほんとうにできるのが、「リンク」というものの面白いところです。
パロディやオマージュの元ネタが、わかるようになりたい。
進んで映画を観るようになったのも、この頃からだったように思います。
はじめに手にしたのは、言わずと知れた名作『ショーシャンクの空に』でした。
あまりにもたくさんの人が薦めているものだから、期待して鑑賞しました。
見終わったときの、率直な感想はこうです。
めちゃくちゃ『プリズン・ブレイク』じゃん。
なぜ型を習得する必要があるのかと、初心者が尋ねる。すでに型の重要性を体験した人は、なぜやふぜきなのかがまさに身体を通して腑に落ちている。だが、初心者に説明する時には言葉を尽くしながらも、もどかしさを感じるだろう。本当の意味で型の大切さがわかるのは、結局、体験した後だからだ。
当然ですが、『ショーシャンクの空に』が『プリズン・ブレイク』を真似たわけではありません。
『ショーシャンクの空に』が『プリズン・ブレイク』に、影響を与えたのです。
さらに言えば、『ショーシャンクの空に』の既視感は『プリズン・ブレイク』に限った話ではありません。
脱獄系の物語は、少なからず『ショーシャンクの空に』に影響を受けているのだろうなと思います。
『ショーシャンクの空に』が、ベタなのではありません。
『ショーシャンクの空に』が、ベタの元になったのです。
視野を広げるためには、視座を高くもたないといけないが、そのために重要となるのが「信じる」ことだ。ここで言う「信じる」とは、カルト宗教に対する盲目的な信心を意味しているわけではない。世の中には自分が想像すらできないような真実があり、自分はまだそれを知らないことを信じるのである。
さらに遡れば、『ショーシャンクの空に』の奥にはまた別の作品があります。
スティーヴン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』という小説です。
大学時代の恩師に、言われた言葉を思い出します。
「好きなことくらい、縦軸と横軸の両方で語れるようになれ」
パロディやオマージュの元ネタが、わかるようになりたい。
この世はまだまだ、わからないことだらけです。
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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