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だいたいで、いいじゃない


2023年11月15日(水)朝の6:00になりました。

Are you ready?完璧なんてない!sweet sweet!

どうも、高倉大希です。




先生も、博士も、プロも。

隅から隅まで、なにもかもがわかるなんてことはありません。


愛し合っている恋人どうしでも。

隅から隅まで、なにもかもがわかるなんてことはありません。


何十年も一緒に過ごした家族でも。

隅から隅まで、なにもかもがわかるなんてことはありません。


そもそも、コミュニケーションとは、わかりあうためのものではなく、わかりあえなさを互いに受け止め、それでもなお共に在ることを受け容れるための技法である。

ドミニク・チェン(2022)「未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」新潮社


がんばればわかるとか、そういう話でもありません。

すべてをわかることなんて、はじめから不可能です。


わかることが増えると、わからないことも増えます。

どれだけたくさんの本を読んでも、わからないことは尽きません。


この世に生まれた瞬間から、わからないことだらけです。

そしてわからないことを抱えたまま、この世を去っていくわけです。


手術室に入る直前、近づいてきたカミさんが嬉しそうに笑って「バイバイ」と手を振ったのです。それで僕は落ち着きました。それから少し悲しくなって、涙が流れました。

横尾忠則(2023)「時々、死んだふり」ポプラ社


どこまでいっても、だいたいです。

わかった度合いの漸近線が、その先にずっとつづきます。


限りなく近づいてはいきますが、完璧になることはありません。

だいたいわかったのグラデーションが、ずっとつづいていくのです。


恋人たちは「あなたのことがわからなくなった」と言って別れます。

わかると思っていたことが、そもそもの大きな間違いです。


「だいたい」という思考の作法は理性や論理を単独で走らせず、つい置き去りにしてしまう領域というものをもう一度、取り込めないか考えてみよう、というものだ。そういう曖昧な領域を置き去りにしてしまったほうが解り易くてすっきりしていて聞いていても気持ちいいのは確かで、吉本さんのかつての語りの魅力はその割り切り方というか、啖呵にあったのは確かだ。

吉本隆明、大塚英志(2000)「だいたいで、いいじゃない。」文藝春秋


だいたいで、いいじゃない。

これは決して、諦めを意味しているわけではありません。


どこまでいっても、わからないことは尽きません。

この世は、わからないことだらけです。


わからないことが、すぐ近くにあります。

退屈することは、ありません。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。