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後世のことなんて知ったこっちゃないと思っていた


2023年8月14日(月)朝の6:00になりました。

金を残して死ぬのは下だ。事業を残して死ぬのは中だ。人を残して死ぬのが上だ。

どうも、高倉大希です。




何十年後にも、多くの人々に読まれる小説を書きたい。

作家たちは、こう言います。


何十年後にも、多くの人々に聴かれる曲をつくりたい。

音楽家たちは、こう言います。


いわゆる、作品の耐用年数というやつです。

つくり手たちは、後世になにを遺すかに焦点をあてているわけです。


東京・調布市で開かれたプレミアムコンサート「SONGS & FRIENDS」。「100年後も聴き続けてほしいアルバム」にユーミンの「ひこうき雲」が選ばれ、複数のアーティストによって「ひこうき雲」収録の楽曲が歌われた。

100年後”も聞かれる音楽を――ユーミンが語る老い、孤独、未来」より


つい最近まで、この感覚がまったくわかりませんでした。

なぜなら、死んだらおしまいだからです。


どれだけ偉大な作品をつくろうとも、どれだけ作品が長生きしようとも。

自分が死んでしまったら、すべてが終わってしまいます。


後世のことなんて、知ったこっちゃない。

ずっと、こう思っていました。


今日の社会では、依然として「個」の思想が強すぎるのだ。決して全体主義に陥ることなく、わたしたち個々の人間が、個体としてだけではなく、同時に「種」としての時間を生きる認識が生まれるのにはどうすればいいのだろうか。

ドミニク・チェン(2022)「未来をつくる言葉 わかりあえなさをつなぐために」新潮社


最近になって、あくまでもこれらは「自分」を中心に置いた場合の考え方でしかないということに気がつきました。

たしかに、自分ひとりの視点で考えれば、後世なんて知ったこっちゃありません。


寿命とともに、さようなら。

逃げ切りごめんで、おしまいです。


ところが、ここでひとつの問題に直面します。

それは、ひとり分の人生で一体どこまでのことができるんだという問題です。


本当の話、あなたが人生で何をするかは、そんなに重要なことじゃない。あなたが限られた時間をどう使おうと、宇宙はまったく、これっぽっちも気にしていないのだ。

オリバー・バークマン(2022)「限りある時間の使い方」かんき出版


ひとりでできることなんて、たかが知れています。

ひとり分の人生なんて、46億年の歴史から見ればちっぽけなものです。


そんな人生を、もうすでに数十年も進んできてしまっています。

のこされた時間は、驚くほどに短いわけです。


自分にしかできないことは、体調とともに停止します。

そして、寿命とともに失われます。


そんな小さな「自分」に、どこまでこだわる必要があるのか。

こう思うようになったのです。


独身の間人生は直線なんや、結婚すると平面になり、子供ができると立体になる。

かさはらあつし(2023)「ピーナッツ一粒ですべてを変える」集英社


子育ても、教育も、きっとこういうことなのだろうなと思います。

後世にどんなバトンをわたすのか。

のこされた時間は、驚くほどに短いわけです。






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