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文章は自動的に複雑になる


2024年8月3日(月)朝の6:00になりました。

複雑に見えるものごとも、その動機においてはきわめて単純なのです。

どうも、高倉大希です。




よし、書くぞ。

そう意気込んで書いた文章は、自動的に複雑になってしまいます。


べつに複雑なことを書こうだなんて、思っていなかったとしてもです。

難しい言葉をつかっているとか、そういう話ではありません。


平易な言葉を使っていても、自動的に複雑になってしまいます。

シンプルな文章は、努力の上に成り立ちます。


シンプルを実現するのはシンプルじゃない。スティーブ・ジョブズは「思考を整理し、シンプルにするには努力がいる」と述べている。アラブには、明快な文章についてこんな表現がある。「理解するのに技術はいらなくても、それを書くには名人の技がいる」

ナシーム・ニコラス・タレブ(2017)「反脆弱性 上」ダイヤモンド社


よし、書くぞ。

そう意気込んで書いた文章は、自動的に暑苦しくになってしまいます。


べつに暑苦しいことを書こうだなんて、思っていなかったとしてもです。

ポジティブな言葉をつかっているとか、そういう話ではありません。


ネガティブな言葉を使っていても、自動的に暑苦しくなってしまいます。

冷静な文章は、努力の上に成り立ちます。


文章を書くうえでは、イキり成分を適宜、調整したほうがいいんです。イキりすぎると「寒い」「イタい」ことになる。かといって、まったくイキってない文章は、「その人らしさ」が感じられなくてつまらない。ならば、仕事ごとに「どれくらいイキるか」を塩梅する。読み手から見て、その加減が気持ちいいのがいいライターだと僕は思っているんです。

田中泰延、直塚大成(2023)『「書く力」の教室」SBクリエイティブ株式会社


「こんなにわかりやすく、こんなに大事なことを、

こんなに平熱で伝えられる人は、天才としか思えない」


坂口恭平さんの本に寄せられた、糸井重里さんの推薦文です。

よくつかわれる表現なのかもしれませんが、この「平熱」という言葉が好きです。


限りなくシンプルで、暑苦しくもありません。

文章に必要なのは、平熱であることです。


生きてる間にすることって、自分が何が好きなのかを探して、見つかったら、死ぬまでそれをやり続けるってだけです。

坂口恭平(2024)「生きのびるための事務」マガジンハウス


大切なのは、文章は自動的に複雑になるものだと、よく自覚しておくことです。

大切なのは、文章は自動的に暑苦しくなるものだと、よく自覚しておくことです。


文章を書くときには、シンプルにするための努力が必要です。

文章を書くときには、冷静になるまで冷ますための努力が必要です。


平熱で、書く。

いやはや、まだまだ道半ばです。






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