世界史の流れ・ざっくり④陸と海のチャンピオンの戦い

★海を目指すロシア
陸のチャンピオンになったロシアは、イギリスのように貿易でバンバン儲けようとします。

ロシアの持っている港は北にありすぎて、氷に閉ざされてしまうため、ロシアは1年中使える港を手に入れようとします。

★イギリスの妨害
これを徹底して阻止したのがイギリスです。

陸のチャンピオンが海のチャンピオンにまでなってしまったら、無敵過ぎて、手が付けられなくなるからです。

ロシアは西・南・東の海のどこかで突破口を開こうとしますが、イギリスとその仲間たちが協力をして、これらの動きをすべて封じます。徹底したマンマークディフェンスみたいですね。

南の海を巡る戦いがクリミア戦争で、東の海を巡る戦いが日露戦争になります。

そうです。イギリスの仲間たちには日本も加わっているのです。

こうしてイギリスとロシアは、ユーラシア各地で火花を散らしました。

★イギリスの衰退
イギリスは他の国より早く繁栄して、世界をリードしました。

ところが、イギリスに学んだ他の国が追い付いてきて、オリーワンでもなければ、ナンバーワンでもなくなっていきます。

そして、ヨーロッパを舞台にした第一次世界大戦で、衰退は決定的となりました。

イギリスに変わって、世界を左右する存在になったのがアメリカです。

★アメリカの成長
アメリカはイギリスから独立した国です。最初はアメリカ大陸の東のすみっこに土地があるだけでした。

ところが、ガンガン西へと領土を拡大し、太平洋にまで到達します。

さらにスペインとの戦争にも勝ち、アメリカから見ると、南にあるカリブ海と、太平洋の反対側にあるフィリピンを支配下に置きます。

★陸×海のチャンピオン
アメリカは北アメリカ大陸の大部分を手に入れて、陸のチャンピオンのようになります。

一方、スペインの領土を獲得したことで、海のチャンピオンにもなっていきます。

イギリスが恐れていた、陸と海の2階級を制覇したのは、徹底してマークしていたロシア帝国ではなく、アメリカでした。

アメリカはイギリスを圧倒するようになります。

第一次世界大戦でヨーロッパはボロボロになりましたが、アメリカは無傷でした。それどころか、ヨーロッパの国々や、ヨーロッパのものを買っていた国に物を売り、さらに繁栄しました。

アメリカは世界史の主役に躍り出ます。

★ソ連誕生
一方、陸のチャンピオンであるロシア帝国の民衆は苦しい生活を強いられていました。

第一次世界大戦が起きると、さらに生活が苦しくなり、戦争にも連れて行かれて、戦死んだり、体の一部を失ったりしました。

ブチ切れた民衆をレーニンを始めとする指導者が先導して、ロシア帝国が打倒されます。

指導者たちは代わりに、労働者の国・ソビエト連邦を建国しました。

★第二次世界大戦
イギリスの後輩であるアメリカと、ロシアの後輩であるソ連は、第二次世界大戦では協力しました。

海×陸のチャンピオンになろうとしていた共通の敵がいたからです。大日本帝国です。

★冷戦
協力プレイで大日本帝国を滅ぼすと、アメリカとソ連はお互いを強敵として意識し始めました。

しかし、両方とも核爆弾を大量に持っていたので、直接ガチンコバトルをすると、どれくらいの被害が出るか分かりません。

なので、自分たちはガチンコバトルは避けつつ、子分たちに戦争をさせて、これを援助するという形を取りました。

これを冷たい戦争。冷戦といいます。

世界はチーム・アメリカとチーム・ソ連に分かれて、対立を続けました。この状態は50年近く続きました。

★冷戦崩壊
アメリカはバンバンビジネスをして、ジャンジャン稼ぐシステムを採用していました。

なので、高価で強力な武器にもバンバンお金をかけられました。

一方ソ連はビジネスには否定的でした。なので、アメリカに比べて予算は少ない。

にも関わらず、アメリカには負けられないから、無理をして張り合いますが、最後には力尽きて崩壊します。

ソ連はロシアに戻りました。

★米中対立
アメリカは一時的に唯一のチャンピオンとなりましたが、ロシアと入れ替わるようにして、チーム・ソ連のメンバーである国が急成長を遂げます。中国です。

中国は陸のチャンピオンになれる国土の広さがありました。

また近年は積極的に海にも進出し、海のチャンピオンの座も狙っています。

アメリカは新たな陸×海のチャンピオンの出現に警戒感を強めており、両方の国はバチバチにやりあっています。

これが現在進行形で起きている米中対立になります。

★まとめ
繰り返しになりますが、世界史の流れをざっくりまとめると

①アジアが陸と海で強かった時代
②ヨーロッパが海で強くなる時代
③ヨーロッパが陸でも強くなる時代
④陸×海のチャンピオンが対立する時代

になります。

★これから
これで、超ざっくりとした世界史の流れを把握するシリーズの「導入部分」は終わりになります。

大きな流れを把握したあとは、①〜④の各時代をより詳しく見ていきます。お付き合いのほど、よろしくお願いします!


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