【仮】鼻の下、伸ばしすぎた ショートストーリーなのかも分かりません
「楽しいって感情いまいち分からないよね」
いちごにスプーンを伸ばしながら彼女が呟く。
今流行りのレトロ喫茶店に訪れていた。
メニュー表には時代を意識した商品が並び、彼女は迷う事なくいちごパフェを選んだ。
食パン色の襟付きワンピースを着て、ちょっといつもよりおめかし。姿勢良くソファに掛けるお美しい方が僕の恋人なんてと思いながら惚気をちょっと失礼。
「分からない?」
「そう、友達と遊んでもその時は『会えて嬉しい』って思うけど途中で楽しいってあんまり思わなくて、これって病気?」
い