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【仮】翻るジンベイザメの斑点 ショートストーリーなのかも分かりません

「昨日の流星群見れた?」
蝉の声が段々と消えていく時、僕らは2階の自室でゲーム対戦をしていた。
僕はぼろ負けして意気消沈。彼女は勝った喜びでずっと笑っていた。
ノースリーブのワンピースを纏った姿はその純白さからか眩しい。
「なんで、急に?まあ見れたよ。写真も撮った。」
「いいな、見せて!」
なんの匂いか分からないけどいい香りが僕を包む。
「いい写真だね。送ってよ!」
これは俗に言うあざとテクニック?そんなものを僕に繰り広げてくる理由はないからきっと天然的にやっているのだろう。その純真さが眩い。
「私、バイトで見れなかったの。50年に一度でしょ?」
「あぁ、言ってたね」
「ショック。次見れるのおばあちゃんになってからじゃん」
じゃあ、次は一緒に見よ?
おばあちゃんとおじいちゃんになって隣で見よ?
こんな台詞言ってみたい。
「次はちゃんと見れるといいね」
「50年後までに望遠鏡と高性能なカメラを買う!そのためにお金貯めなきゃ。
あ、バイトの時間!行ってくる。写真よろしくね!」
「うん。バイト先、駅前でしょ?送るよ。」
「いいよ今日は会社の人が迎えに来てくれるの!」
なんでと聞く前に彼女は早々と身支度をすると部屋から出ていった。
1人残された部屋で流星群の写真を見つめる。
送らなきゃと思うと同時になんだか不思議な感覚。
流星群は見えるのに、と呟いてみる。

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