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こころの栄養達

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心やこころを揺さぶってくれた、素敵な言葉の宝箱。 いつも素敵な言葉を紡いでくださってありがとうございます。
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#私の作品紹介

無数の優しい鳥が奏でる音に包まれて

我は静かに横たわり

終息の地を夢見る
嗚呼、鴉よ、海鳥よ、燕よ、鴎よ

我を水底に

咥えて
投げ落として下さらぬか
今夜の雨音より
優しいその音に

抱かれ眠りたい

【詩】どうしようもない夕焼け

【詩】どうしようもない夕焼け

頭をひねり潰された僕の残像が
道で抜いた雑草握りしめて
きたない路地裏をうろついている

心を半分あげたのに
残りの半分が急に変色したことが
なんとなく釈然としない

新発売のガムを気分よく噛んでたら
すぐに味がなくなってげんなりする感じ

味がなくなってもガム噛み続けて
気分が悪くなってオエッてなる感じ

電柱に頭をぶつけまくる日々
足し算も引き算も間違えて
節約してるつもりが損してる毎日

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【詩】普通の人間

【詩】普通の人間

君は普通の人間さ

普通の人間が

普通に挫折して

普通に傷ついて

普通におかしくなってしまっただけさ

それくらいのこと

君ほどの普通の人間なら

ずっと前から理解していたはずだろう

君は普通なのだから

普通に喜び

普通に悲しみ

普通に自分を傷つけて

普通に暮らしていきたまえ

普通が普通に憧れようとする真似は

もう、やめたまえ

【短編】ラグジュアリーホテル

【短編】ラグジュアリーホテル

投げ捨てたい。なにもかも。ラグジュアリーホテルの窓からあれもそれも、果てしなく、確実に、抜かりなく、ひとつ残らず投げ捨てたい。傷ついて哀しいわけではない。いらだちが抑えられないわけでもない。ただあらゆるものを投げ捨てて、宙を舞う姿に自分を重ねたい。そう、私は解放されたかった。

パパの服を適当に投げ捨てる。自分の服も程よく投げ捨てる。ルームフレグランスを投げ捨てて、リファのドライヤーも投げ捨てる。

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【詩】記憶自殺

【詩】記憶自殺

消えたくなる過去の思い出に襲われて

耐え切れず

脳内のゴミ処理場に向かって飛び降りて

不燃物混入防止のバリアに激突して

ばらばらに散らばって

万策尽きたまま横たわって

ほろ苦い風がすべてさらってしまって

記憶は息を引き取って

何もかも

消え失せてしまったよ

詩「好き」

詩「好き」

 好きだと想ったら
 ハートからひょっこり
 芽が出てきた

 好きという想いが
 つのればつのるほど
 芽はのびていく

 水をあげよう
 肥料をあげよう
 太陽をあびよう

 もっと もっと 育って
 ぼくの
 わたしの
 「好き」

↓ 前回の詩もぜひご覧ください!