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漬け過ぎたぬけ漬け。それ最高の酒の肴にしょう!<ぬか漬けに失敗なし>

この世に生まれて此方、沢山の失敗をしてきました。
スリッパ履いたまま出勤したり、明石焼きをつける汁を食前スープと思って飲んでしまったり、バイトの面接で「短期ですか?」と聞かれて「いえ、比較的、気は長いほうです」と答えたり、社長からの電話に「どちら様ですか?」と答えてしまったり。
やったことがないのは「一夜の過ち」くらいです。

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でもね、失敗って、本当に失敗なんでしょうか?
そもそも失敗したということは、あなたが、新しい行動を起こしたという証に他なりません。
失敗した、ということは、新しい何かを手にれたということです。
そう、失敗というのは、存在しないんです。
人は、失敗なんて恐れず、次々と新しい試みをするべきだと思います。

最近、失敗しました。

さて、新しい試みというと、最近は、ぬか漬けなんていう、野菜をドロドロした糠に入れて、そのドロドロをかき混ぜるという、奇特な行為をしているわけなんですが、それでやっちゃたんですよ。失敗。

引っ越しやら転職やら、なんやかんやで忙しいさなか、ぬか漬けを漬けてしまったんですよ。
そしたら案の定、ぬか漬けのことなんて忘れて、ずっーと放置してしまったわけです。

放置してたので、すっかりメリーぬか床に。

そんな長い間漬けていた漬け物なんて、しょっぱくて、とても食べれたもんじゃありません。

でもね。でもね。
なんとかならないかと、いろいろ調べました。
そして、見つけました!
やっぱり「失敗というものは、人生に存在しない」ですよ。

見た目が洒落ていて、腹につかえなくて、衛生にもいい、なんていう酒の肴

これは、「酢豆腐」という落語に出てくる、酒の肴です。
どうです、こんな酒の肴あったら最高ですよね?

若いもんが集まって、一杯飲もうというとき、酒の肴がない。
「見た目が洒落てて、腹につかえなくて、衛生にも良いなんて言う肴が欲しい」なんて、都合の良いことを言うのですが、皆、江戸っ子。
宵越しの銭など持っちゃいない。そのとき名案がでます。

「勝手の踏み板を上げて、ぬかみその樽の中をかき回したら、キュウリの古漬けの一本くらい出てくるだろう。」
「そいつをとんとん刻んで、水に放したやつをきゅっーとしぼって、ショウガの刻んだのをのっけて、醤油をちょいとかければ、これが、かくやのこうこ。オツなつまみになる

この「かくやのこうこ」こそ、理想の「見た目が洒落てて、腹につかえなくて、衛生にも良いなんて言う肴」なんです。

ちなみに、噺の続きでは、ぬかみその臭いで、誰も中に手を入れられなくて、とんでもない展開になっていくのですが、それは、古今亭志ん朝の名噺「酢豆腐」で、じっくり聴いてください。

幻の酒の肴「かくやのこうこ」とは?

さて、この「かくやのこうこ」とは、一体どんなものなのでしょうか?

「こうこ」は香々といって、漬物のことです。
「かくや」は「覚弥」と書きますが、高野山の高齢の僧が食べれるように細かく切った沢庵だとか、家康の料理人の考案だとか、諸説あります。
ただ、細かくきざむことを「かくや」と言うそうです。

具体的な「かくやのこうこ」とは、漬け物を細かく刻んだものに、おろししょうがと醤油を混ぜ合わせたもの、ということになっています。
そして対象は、主に古漬けです。
食べきれなかった浅漬け、漬けすぎた古漬けなど、旬を逃した漬け物たちの再生プロジェクトだったのです。

「かくやのこうこ」を作ってみる

さて、落語の「酢豆腐」では幻に終わってしまった「かくやのこうこ」を、実際に作ってみましょう。

■ 用意する物

●漬けすぎたぬか漬け
●しょうが
●醤油
●黒ごま

■ つくりかた

江戸っ子の熊さんに説明してもらいましょう。
「そんな、てえしたもんじゃねぇよ。
ちゃき、ちゃき作って、おぅっ! どうぞつう!ていうもんだぜ」

1. ぬか床の中かき回し、出し忘れたぬか漬けを、引っ張り出しやす。

見ただけで、しょっぱそうな色

2. そいつを、とんとんとん刻んで、

3. 水に放して、きゅっーとしぼって

4~5分が目安

4. ショウガの刻んだのに、醤油かけて、

5. そいつを、ちょいちょいとのっければ、

これが、かくやのこうこ。オツなつまみになりやす。

かくやのこうこ、七変化

そのままでもシンプルで旨いのですが、それだけではもったいない。
かくやのこうこは、酒の肴から、ご飯の〆まで対応できる、とっても出来る子なんです。
それでは、かくやのこうこ、七変化活用例、ご覧あれ。

■ 梅干しをトッピングする

ほぐした梅干しを、混ぜ合わせます。
しょうがと、梅干しの酸っぱさとのコラボレーション。

■ しらすをトッピングする

カルシウムたっぷりのしらす。
これも、相性抜群です。

■かくやのこうこ丼に、進化!

ちょうど、お酒もいい案配に回ってきたので、メシでも食おうか、となってきます。
じゃあ、残ったかくやのこうこを、あたたかいご飯に、ぶち込んだらどうなる?

これが……ヤバい!ヤヴァイ!リヴァイ!
旨い。旨すぎる!
白飯の甘さと、ぬか漬けと生姜の辛さが相まって、もう。
ご飯が何杯もすすむ君になります。

■ お茶漬けにする

酒飲みの〆といえば、お茶漬けですね。
かくやのこうこ丼を、お茶漬けにしちゃいましょう、これも最高だぜ!
(ただ、味が薄くなるので、お茶漬けにするなら、始めに、ぬか漬けを水に浸す時間を短目にするとgood!と思います。)

失敗を成功にする「かくやのこうこ」

「べ、別に、漬けたことを忘れてたんじゃないからっ。
そ、そうよ、かくやのこうこを作ろうと思ったの。だから、わざと長く漬けたの。勘違いしないでよねっ!」

しかし、ここまで美味しいと、かくやのこうこを作るために、わざと長く漬けるというのもアリかと思ってしまいます。
キュウリのぬか漬けとかも、美味しそうですし。

あと、細かく刻んであるので、歯がわるい方に、漬け物を食べてもらうときにも、おススメできますね。

最後に

「かくやのこうこ」は美味しくて、失敗も成功になりましたけど、世の中、そんな上手くいくことばかりじゃない。

「人生に失敗など存在しない」 「失敗はチャンス」なんてこと言う人もいますが、やはり失敗することは辛いです。
なので、本当に辛かったら、ちゃんとこう言うんですよ。

「いや、失敗は、一回限りに限ります」

おあとがよろしいようで。
(意味わからない人は、「酢豆腐」をお聞きください)


東のテツ
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