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「大切な人」 短編小説
人が死んだ知らせを聞いた時は無駄に手が震えるらしい。
最近初めて知った。
元彼からの久しぶりのLINEは「母さんが亡くなった」だった。
中学の三年間一途に想い続けた彼氏だった。久しぶりにいつもの公園で待ち合わせて、久しぶりに彼の声を聞いた。彼に「元気にしてた?」なんて聞いても「それなりに」しか答えない。十年ぶりに交わした会話はそこまで長く続くものじゃなかった。思い返せば彼は無口な人だった。今も
人が死んだ知らせを聞いた時は無駄に手が震えるらしい。
最近初めて知った。
元彼からの久しぶりのLINEは「母さんが亡くなった」だった。
中学の三年間一途に想い続けた彼氏だった。久しぶりにいつもの公園で待ち合わせて、久しぶりに彼の声を聞いた。彼に「元気にしてた?」なんて聞いても「それなりに」しか答えない。十年ぶりに交わした会話はそこまで長く続くものじゃなかった。思い返せば彼は無口な人だった。今も