海外ドラマヲタと、アニメ漫画ヲタが合作で作った小説をあげていきます。 マガジンの上から…

海外ドラマヲタと、アニメ漫画ヲタが合作で作った小説をあげていきます。 マガジンの上からストーリー順に並べてあります。

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  • 手記ーX日、過去の君へー

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Burton side 1

この物語はフィクションです。実在する人物、団体とは関係ありません。 これを読んでいる君へ 新型ウィルスの蔓延により、世界は各国主要都市の一斉ロックダウンを決めた。それから1年、未だ新型ウィルスは猛威を振るっている。治安は乱れ、強盗、殺人、性犯罪…。趣味の悪い映画の中のような現実が広がっている。特効薬などの研究が進められるが大きな成果はない。 政府への不満、未来への不安から人々は徒党を組み、それぞれで助け合いながらギリギリの状態で生きている。 もしも将来、今これを読んでいる

    • FOX side

      シルバーの協力の元に得た牢屋の鍵を手の中で確かめる。 久しぶりの悪事は胸が高鳴る。 ハニーから連絡を受けたときはハニーの悪戯かと思った。 しかし、シルバーから慌てたような声色で連絡が入った時に悪戯ではないと確信し、慌ててジャケットを手にして家を出たのだ。 放送室にいた警備員の意識を奪って手に入れた制服は少し汗臭い。 が、放送室にいた3人の警備員の中で一番身長が近しい者から奪ったものだ。 この騒ぎが終わるで着替えは諦めた。 S『ここから他の警備の目をくらますわ。あなたはあ

      • 紅 side 2

        h「あ〜ん待ってよぉ〜」この期に及んでハニーの甘い声。 店で待っていればいいものをと思いながら振り返ると、ハニーはライフル銃を引きずるようにして歩いていた。 ハニーの足音はいつものカツカツとした明朗な音ではなくブーツの重い音だが、それは靴のせいだけではないだろう。顔に疲れたと書いてある。 h「そぉんなに急がなくてもいいんじゃなぁい?こんなの楽勝なんだからぁ」長いブロンドを頭の高い位置で結んでいる。 ハニーが我儘を言うたびにそれに賛同するかのようにふわふわと揺れている。 紅

        • Vivian side 2

          私が連行されたのは、簡素な部屋だった。 打ちっぱなしのコンクリートの壁と床と剥き出しのトイレ、簡易ベッドが部屋の脇に一つ置かれているくらいで、ほかには特に何もなかった。 部屋にはすでに一人、膝を抱えて座っていた。 褐色の肌、髪は黒く波打ち男性のように短い。 着ている服はお世辞にもオシャレとは言えず、機動力だけを考えられたような服だった。 華奢な肩だけが女性と判断できるようなものだった。 O「しばらくはここにいてもらう。何かあればそこにあるベルで呼べ」私の店に突入してきた色

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        Burton side 1

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        • 手記ーX日、過去の君へー
          22本

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          Carina side

          C「ダミアン…!ダミアン!」何度呼んでも反応はなかった。意識があるのかさえも分からない。 ウォルターが急いで窓を開け、私をダミアンから引き離した。 突然の吐血は新型ウィルスの可能性が高い。 もしそうであれば私たち3人も危ない。 それでも私はダミアンから離れたくなかった。 C「いや!ウォルター離して!」 W「ダメだ」ウォルターの力には敵わない。力いっぱいに抵抗しているのにびくともしなかった。 バートンがドアを開け、ウォルターに肩で担がれて建物から出された。 バートンがドアを閉

          Carina side

          Damian side

          手に強い衝撃が走った。思わず体が後ろに傾く。それは撃ち放った拳銃によるものだけではなかった。腰に巻きついた腕の正体を視界の端で確認した, D「バートン!?」後ろの窓から飛び込んできたらしいバートンが俺を横に引き倒していた。 机から二人して転がり落ちる。背中に強い衝撃が走った。 D「っ…!」 W「バートン!ダミアン!」バートンが俺の上に乗り、見下ろしてくる。 拳銃を構えようとしたが手が空になっていることに気づく。辺りをめいいっぱいの視界で確認するが見当たらない。拳 銃は、ウ

          Damian side

          Walter side 1

          ダミアンによる裏切りを知ってから、俺とバートンは密かに行動を開始した。 俺はなるべくいつも通りにダミアンと接し、会議などで作戦の情報を得た。 バートンがひっそりとスラムの住人たちやレジスタンス軍の仲間を説得して回るのが表沙汰にならないよう、ダミアンの意識をバートンに向けさせないように動いていた。 それでも元来警戒心が強いダミアンを騙し続けるのは至難の技だった。 今日はダミアンとカリーナの自室に呼ばれているが、なぜかダミアンは苛立っている。 嫌な予感がする。当たって欲しくない

          Walter side 1

          Burton side 5

          シャワーを終え、新しい服を借りた。 カリーナが気を利かせてくれてのか洗濯されているようだ。 シャワーを終えてみれば自分は先ほどまでだいぶ酷い身なりをしていたなと反省した。 リビングの方から話し声が聞こえた。ウォルターらしき太い重低音の声も聞こえる。 B「ウォルター!」 W「俺を探していたらしいな、なんだ」 B「あの…えっと、相談したいことがあるから二人で話せるかな」ソファにはダミアンの姿もある。 何も怪しむことなく頷いてくれたウォルターに感謝しながら、カリーナにシャワーと服

          Burton side 5

          Burton side 4

          言われた通り下水道を進み、赤い布がくくりつけられた梯子を探す。 もうどれくらい歩いただろうか、あの店からスラム街と呼ばれる地区までは歩いて20分くらいかかるはず。 手元の懐中電灯と、時折備え付けられている小さな電球が頼りだった。 今頃あの店はどうなっているのだろうか。 あの3人のことだ。きっと上手いことやるはずだ。 そう自分に言い聞かせていると、視界にひらりと揺れるものがあった。 B「これか…!」ボロ布が引っかかっているだけのようにも見えるが、よく見ると簡単には外れないよ

          Burton side 4

          Burton side 3

          B「仲間を…売ろうってのかよ…!」思わず立ち上がると、ヴィヴィアンが煙草に火をつけた。一息吐いて、俺を見る。 続けてハニーと紅を見た。 V「とにかく今はお休み。そんなに疲れてちゃ何も出来やしないよ」それを聞いたハニーは待ってましたとばかりにカウンター内に入り、鍵を取り出してきた。 おやすみ〜と欠伸をしながら店を出て行った。 V「生憎だけどそこのソファ使っておくれ」 B「いや、ありがとう」ローテーブルの横にある柔らかいソファを使わせてもらうことにした。クッションなどを整え

          Burton side 3

          Owen side 1

          21:25 突入開始5分前。 裏口から見えるこの店は、至って普通の飲食店だ。だがよく見れば逃走経路に使えそうな細い路地裏につながっており、塀もあまり高くない。 よじ登り屋根伝いに逃げることも可能だろう。 夜になれば暗く、表の灯りも入ってこない。土地勘のない人間には厳しい暗さだ。 新入隊員の訓練場所にしたいくらい良い場所だ。 I『入り口待機、ターゲットは確認できるか?』無線から部下のイエスが聞こえる。 入り口には窓があるが、閉め損ねたわずかなカーテンの隙間からターゲットが確

          Owen side 1

          Grisha side

          "新型ウィルス特殊犯罪取り締まり室 及び政府特殊鎮圧部隊待機室" ここは主に新型ウィルス感染拡大を受けて起こり得るテロやデモを未然に防ぐため、集団で密会しているような動きを見せる者や政府の要請に対して反発する企業や飲食店を取り締まる部署である。要は、政府に逆らう奴を鎮圧する係だ。 「グリシャ、この店もやっぱ抑えておいたほうがいいんじゃないかな」会議室の重苦しい疲労の空気を跳ね除ける溌剌とした声が届いた。 書類から顔をあげると、ホワイトボードの前に居たアイザックがこちらを振

          Grisha side

          Vivian side 1

          3人が帰ってきたのは日付が変わった、ちょうどミートパイが焼き上がった頃だった。 バートンは疲れ果てているようで瞬きが多く、猫背になっている。ハニーも店に入るなり欠伸を噛み締めていた。 V「おや、腹の時計はぴったりのようだね」ただいまもそこそこにバートンとハニーはそれぞれ椅子とソファに雪崩れ込んだ。 特に様子の変わらない紅はそのまま私のいるカウンターに入り、手を洗った。 小さい頃は捨て猫のように水が嫌いだったのにいつの間にかキレイ好きになったようだ。 h「つーかーれーたーぁ

          Vivian side 1

          Klaus side

          B「アレックスのことを言うのは許さない…!」この青年がエドガーと何かあるのは会話で察しがついていたが、まさか殴るとは思わなかった。 リブが間に入っているからそれ以上は何もしてこないが、だいぶ興奮してる様子だ。倒れ込んだエドガーをフランキーが支えている。 先ほど呼んだ警備はまだだろうか。 「何よぉ、騒がしいわね…」2101室のドアが開いた。高い女の声だ。ドアから覗いたのは映画女優のような派手な女だった。 ハニーブロンドは腰近くまで流れ、赤いドレスは彼女の薔薇色の頬と唇によく

          Klaus side

          Maison side 2

          E「というわけで、これからよろしくお願いします」 K「…えぇ、こちらこそ精一杯やらせていただきます」それぞれの後ろにいるリブとエドガーの連れまで睨み合っている。 この2人は取り巻きも含めて水と油のようだ。 廊下の途中、先ほど連れの女性を探していた青年がいる。まだ探していたのか、はぐれたのではなくしつこくして巻かれたのではなかろうか。2 101室の向かいの壁に寄りかかり、腕を組んで立っている。 K「彼は随分と忍耐強い性格らしいね」クラウスが肩を竦めた。研究者に向いてる、と

          Maison side 2

          Maison side 1

          K「何を言っている!」クラウスが思わず叫んだ。 立ち上がった拍子にテーブルが揺れる。 冷めきった紅茶の入ったカップが野次のようにカタカタと音を立てた。僕も思わずキーを打つ手を止めた。 P「落ち着きなさい、クラウス君」思いもしない方向から窘められ、クラウスは表情を更に崩した。リブも思わず前のめりになる。 こいつはクラウスのパピヨンだから、こういうときすぐに頭に血が上る。 K「…失礼」クラウスがジャケットを正して座り直す。 先ほどよりもいくらかエドガーとは反対側に座り位置がズ

          Maison side 1