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30日間の革命

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毎日小説をアップしていき、100日間で1つの作品を作り上げます。
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2020年6月の記事一覧

30日間の革命 #毎日小説63日目

30日間の革命 #毎日小説63日目

 そうして、加賀は坂本と何となく気まずいまま、放課後を迎えた。特に喧嘩をしたわけでも、何か意見が食い違ったわけでもないのに、なぜか坂本にいつも通り話しかけることが出来なくなっていた。

 加賀は面談に向かうため、帰り支度を済ませ、席を立った。この時も、いつもなら坂本へ声をかけていたが、今日は声をかけずに席を立った。すると、また加賀との入れ違いで仙波が教室へと入ってきて、坂本の元へと向かった。加賀は

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30日間の革命 #毎日小説64日目

30日間の革命 #毎日小説64日目

「あのな、自分が何を言ってるのかわかるか? 頼むから、冗談だと言ってくれ」

高橋は頭に手を当てながら加賀へつぶやいた。

「先生、冗談じゃないですよ。本気です。」

加賀は真剣な目で答えた。

「なら聞くが、世界へ旅に出るってまずどこへ行くつもりなんだ?」

「そうですね。まずは日本各地へ行こうって思っています。東京以外の場所で、どんな暮らしがあるのかとか、どんな文化があるのかを知ってから、

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30日間の革命 #毎日小説65日目

30日間の革命 #毎日小説65日目

 高橋は、加賀に対して再び語り始めた。

 「あのな、普通の人生を歩めることがどれだけ幸せなことなのかわかるか? 世の中、本当に色々な人がいる。その人たちの中には、普通に暮らそうと思っても暮らせない人だっているんだ。大学に行きたいと思っても、働かなくちゃいけない学生だっている。そんな中で、お前は大学に行けるチャンスがあるんだ。お前にとっては、大学へ行って就職するなんてことは、退屈な人生に見えるかも

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30日間の革命 #毎日小説66日目

 加賀は納得がいかなかった。大学へ進学することが、そんなに大事なことなのか。そして、世界へ旅に行くことがそんなに悪い選択なのか。そう思い、少しふてくされた気持ちになった。このまま家に帰って親と話すにはまだ気持ちの整理がつかないので、何となく屋上へと向かうことにした

 屋上には数名の生徒が座って話をしたり、本を読んだりしていた。加賀はふと屋上のベンチのことを思い出した。白の会が発足してから、坂本と

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30日間の革命 #毎日小説67日目

 橋田は、加賀と二人きりになるという予想だにしていない状況に戸惑っていた。もしこんな状況を誰かに見られたら、勘違いされるかもしれない不安。でも、今までは遠い存在だと思っていた加賀がこんなに近くにいる嬉しさ。そんな二つの感情が混ざり合い、複雑な気持ちになっていた。

 (どうしよ。何を話したらいいか、全然思い浮かばない……)

しばらく無言の状態が続いた。すると、加賀から

「そういえば、名前聞いて

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30日間の革命 #毎日小説68日目

30日間の革命 #毎日小説68日目

 加賀は、橋田の話しを聞き、少しだけ肩を落とした。

 「そっか。ありがとね。何かさ、今俺も自分のことで精一杯になっちゃって、余裕がなくなっちゃってるんだよね。手崎さんも、前はよく話していたんだけど最近は本当に話す機会も減っちゃってね。もし手崎さんと話す機会があったらさ、加賀が気にしてたよって伝えてくれないかな?」

 「は、はい。わかりました。で、でも加賀先輩も悩むことあるんですね」

 「そり

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30日間の革命 #毎日小説69日目

30日間の革命 #毎日小説69日目

 加賀が家に着くと、もう夕食の準備が出来ていた。

 「あれ、母さん今日は帰り早いんだね」

 いつもなら、仕事で自分と同じくらいの時間に帰宅する母親が、今日は既に夕食の準備を済ませていた。

 「あらお帰り。今日は早上がりだったのよ。もう夕飯出来てるから、食べちゃって。あ、そういえば今日は再面談だったんでしょ? どうだった?」

 「全然だめ。まったく聞き入れてもらえなかったよ。ほんと嫌になるく

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30日間の革命 #毎日小説70日目

30日間の革命 #毎日小説70日目

 仙波は加賀を人があまり通らない階段の隅まで連れ出した。

 「ど、どうしたの? こんなところまで来て?」

 加賀は思わず仙波へ質問をした。

 「……急にごめんね。こんなところまで連れ出して。ちょっと人前じゃ言いにくい話だったから」

 仙波は周りに人がいないかを確認するように見渡しながら答えた。

 「そ、そっか。それで話しってのは?」

 「……うん。実は坂本さんのことなんだけど」

 「

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30日間の革命 #毎日小説71日目

30日間の革命 #毎日小説71日目

 仙波から「白の会を中断させるメンバーになってほしい」と言われた加賀は、状況を理解できずにいた。

 「ごめん、やっぱ全然わかんないや。俺は白の会のメンバーなんだよ? そんな俺が『白の会を中断すさせるメンバー』になるわけないじゃん」

 すると仙波は、

 「……やっぱそうよね。ごめんね、急に変な話しちゃって。全部忘れてちょうだい!」

 と急に折れた。

 「はあ? 忘れられるわけないじゃん。て

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30日間の革命 #毎日小説72日目

 学校で革命を起こすために発足した白の会。その試金石となる夏の集会を目前として、白の会を中断させようとしている人がいることを加賀は知った。そのうちの一人は、馬場と交際していた3年生の仙波美波。学年のアイドル的存在であり、生徒からの人気も高い。最近は坂本と一緒に行動をすることが多く、その存在感は日に日に増えている。また、彼女曰く、馬場との交際は終わったらしい。つまり、彼女の近くに誰がいて、誰がこの計

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30日間の革命 #毎日小説73日目

30日間の革命 #毎日小説73日目

 加賀は、神原に見せられたTwitterの投稿を見て、白の会の周りで何かが起きていることを確信した。

 「神原君ありがと。俺も色々調べてみるよ」

 加賀は神原にそう告げ、部室を後にした。加賀は少し不安になっていた。自分の知らないところで何かが動いている。そして、それは自分や坂本にとって、決して良いことではないということを感じていた。

 (そうだ。この前屋上で会った橋田って女の子、確かバレー部

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30日間の革命 #毎日小説74日目

30日間の革命 #毎日小説74日目

 「じ、実はそのツイートは手崎さんのことと関係があると思うんです」

 橋田は思い切って、加賀に手崎のことを話すことにした。

 「手崎さんと? どういうこと?」

 加賀は、手崎の名前が出てくるとは思いもよらなかった。

 「はい。実は今、手崎さんと女バレキャプテンの江藤さんが少しもめているんです」

 そうして、橋田は今まで起こってきたことを加賀へすべて話した。部室での出来事や、江藤を含め、女

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30日間の革命 #毎日小説75日目

30日間の革命 #毎日小説75日目

 「はい。実はもう解決したんです!  なので、今は大丈夫ですよ」

 手崎の口から出たのは、意外な言葉だった。

 「え? か、解決したってどういうこと?」

 「はい。さっき加賀先輩が言ったことは事実でした。つい最近まで女子バレー部の方々には結構辛いことをされていたんですが、もうそれも終わりました」

 「そ、そうなんだ。良かった……」

 加賀は解決していた安堵感と、急な展開に戸惑に戸惑う気持

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30日間の革命 #毎日小説76日目

30日間の革命 #毎日小説76日目

 加賀は一人図書室に残り、今の現状を整理することにした。

 まず、白の会を中断させようとしているのは、今わかっている時点では仙波のみである。そして、それとは別に手崎がバレー部ともめていたが、それを馬場が解決したという。そして、仙波と馬場は既に交際は終わっていると、仙波本人が言っていた。

 馬場と仙波のつながりが無くなったといえ、この2つの出来事が全く無関係だとは思えなかった。ただ、これだけの情

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