30日間の革命 #毎日小説72日目

 学校で革命を起こすために発足した白の会。その試金石となる夏の集会を目前として、白の会を中断させようとしている人がいることを加賀は知った。そのうちの一人は、馬場と交際していた3年生の仙波美波。学年のアイドル的存在であり、生徒からの人気も高い。最近は坂本と一緒に行動をすることが多く、その存在感は日に日に増えている。また、彼女曰く、馬場との交際は終わったらしい。つまり、彼女の近くに誰がいて、誰がこの計画を企てているのか、加賀には見当もつかなかった。

 (まずは情報を集めてみるか)

 加賀はそう思い、まずは情報処理部の部室へと向かった。

 「お疲れー。神原くんいる?」

 神原が白の会のメンバーに入ってから、加賀は情報処理部の部室へ行くことも多くなり、部員たちとも顔なじみとなっていた。

 「加賀先輩お疲れ様です。神原さんなら、今トイレに行ってますので、もうすぐ戻ってくると思いますよ」

 と部員の一人が言った。

 「そっか。ならちょっと待たせてもらおうかな」

 加賀はそのまま情報処理部の部室で神原を待つことにした。すると間もなく、神原が戻ってきた。神原は加賀の姿を見つけると、少しやっかいそうに

 「加賀君。どうしんたんですか。こんなとこまできて」

 と話した。

 「おお神原くん! お疲れ。ちょっとさ、聞きたいことがあってね」

 「何ですか? ただでさえ忙しくなってきているので、面倒なことはやめてくださいね」

 「いや、そんな面倒なことじゃないよ。ちょっとさ、白の会についてなんだけど。最近SNSとかネットとかの様子はどう?」

 「様子と言うと?」

 「いやー、集会も近いじゃん? だから何か変な噂とか立ってなければいいなと思ってさ」

 「そういうことですか。まあ、私が見る限り白の会については特段変な噂は立ってないですよ。むしろ、メンバーに入りたいっていうSNSでの投稿をたくさん見かけるようになりましたよ」

 「そっかそっか。そりゃよかったよ」

 「ただ……」

 「ん? 何か気になることでもあるの?」

 「い、いえ。実は、最近女子バレー部に関する投稿が増えているみたいで……」

 「女子バレー部? どんな投稿が?」

 「詳しくはよく分からないです。でも、何かトラブルがあったのか、みんなキャプテンを恐れているような感じですね」

 「ああ、江藤ちゃんね。まあ彼女怒ると怖いから、後輩から恐れられてるんでしょ」

 「僕も怖いですよ。しゃべったことないですが」

 「まあそれくらいなら、今までもあったし特に気にしなくてもいいんじゃない?」

 「まあそうなんですけど。でも、この投稿だけが少し気になって」

 神原はそう言うと、Twitterである生徒の投稿を加賀へと見せた。

 ーー今日の部室まじやばかった。これ白の会にバレたらヤバそうwwーー

 「何これ? いつの投稿?」

 加賀はその投稿を見ながら神原へと問いかけた。

 「一週間くらい前ですかね? ニックネームでの投稿なので、何年生の誰が投稿したのかは分かりませんが、女子バレー部で起こったことが、白の会にも何か関係があるかもしれませんね」

 加賀はその投稿をじっと見つめていた。


▼30日間の革命 1日目~71日目
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