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30日間の革命 #毎日小説71日目

 仙波から「白の会を中断させるメンバーになってほしい」と言われた加賀は、状況を理解できずにいた。

 「ごめん、やっぱ全然わかんないや。俺は白の会のメンバーなんだよ? そんな俺が『白の会を中断すさせるメンバー』になるわけないじゃん」

 すると仙波は、

 「……やっぱそうよね。ごめんね、急に変な話しちゃって。全部忘れてちょうだい!」

 と急に折れた。

 「はあ? 忘れられるわけないじゃん。てか、仙波さん馬場くんと付き合ってるんだろ? 馬場はこのこと知ってるの?」

 「そうだ、もう一つ言っておくね。……私たち別れたから。なら、今の話しは坂本さんに内緒にしてね!」

 仙波はニコッと笑顔を見せ、そのまま自分の教室へと戻っていった。

 「ちょっと待ってよ! まだ話が……」

 取り残された加賀は、今だ状況を掴むことが出来ずにいた。

 (どういうことだよ。仙波さんは白の会を中断させるために小春に近づいたってことか? それに馬場と別れったって言っていたけど、それも関係あるのか? ダメだ、頭が全く整理できない……)

 加賀はゆっくりと教室へと戻っていった。そして、教室へ戻ると、坂本の姿がまず目に入った。いつも通り、自席で授業の準備をしている。加賀は、今仙波に言われたことを坂本に言うべきか否か、悩んだ。

 (仙波さんには内緒って言われたけど、さすがに中断させようとしている人がいることは言った方がいいかな? でも、それを小春が知ったら俺が告げ口したってことはバレるよな。そしたら、どうなるんだ?)

 坂本との気まずさはとうに忘れ、今自分はどうすべきかを考えていた。そこで、まず仙波の話しを整理してみることにした。

 (仙波さんは、白の会を中断させるための『メンバー』になってほしいって言ったよな。ということは、仙波さん以外にもそういう人たちがいるってことか? だとしたら、首謀者は誰だ? 仙波さん? いや、彼女が首謀者なら、あんなにあっさりと引き下がるとは考えにくい。そうなると怪しいのは馬場だけど、馬場とは別れたって言ってたし。それに馬場は小春と計画班で一緒に行動しているから、そんなことを起こすとは考えにくい。となれば、誰か別の誰かがこの中断計画を立てているのか? それに気になるのは、何で俺にこんなことを話したんだ? もし俺が小春にバラしたら小春だって策を練るはず。そうなれば失敗するリスクも増えるのに、何であえてそんなリスクをとるんだ?)

 加賀は考えれば考えるほど、今自分の周りで何が起きているのか分からなくなった。ただ、はっきりしていることは、白の会に対抗する勢力がいることだった。

 (とりあえず、俺が色々と調べてみるか。小春に話すのはその後にしよう)

 加賀は、まず自分自身で調査を進めることにした。


▼30日間の革命 1日目~70日目
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