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試行錯誤する、ということ
昨年に書いた記事で、何となくボツにしたものを掘り返すの巻。
自分が高校生だった時の話である。
ある年、母校の体育祭の種目に、玉入れが導入された。
導入のきっかけは不明だが、綱引きやリレー、騎馬戦といった種目一覧に、玉入れが平然と並んでいる。
小学校の運動会でおなじみの玉入れが。
いやいや僕らもう高校生ですよ?
今さら玉入れなんかやれと言うんですか!?
と、かすかな反発を覚えた。
だが無情にも自分は足がそこまで速くないため、玉入れ担当に回されてしまった。
そして当日、10年ぶりくらいに玉入れのかごと対峙した。
(ちなみにリハーサルは無しのぶっつけ本番)
なんだこれ……思ってたんと違う!!
かごの位置が高い!
人の身長の2~3倍の高さだ。
子供の頃の玉入れのかごは、大人の身長よりちょっと高いくらいだったのに。
玉入れなんか……とか言ってスンマセンでした!
こんなに本格的なものだったとは。
それにしてもコレ、本当にかごまで届くのか?
玉入れ1回戦が始まった。
参加人数10人、制限時間60秒。
いざ、玉を投げてみる。
かごが大分高い位置にあるので、昔と同じ感覚でポンポン投げても入らない。
結局、玉はチームで10個しか入れることができなかった。
あ、これちょっと真剣に考えなアカンやつや。
チームのみんなで集まってあーだこーだ言いながら作戦を細かく立てた。
そして、勝手にポンポン放り込まずに、手に6~7個の玉を持ち、「せーの」で一斉に投げるという策を実行することにした。
同じタイミングで同じ場所に向けて玉を投げる
→玉同士がぶつかる
→真下に落下する
→かごに入りやすくなる、という算段だ。
2回戦でさっそく実践。
「せーの!」の掛け声に合わせて投げる。
玉を投げたあと、すぐに下を向いて玉を拾うと、かごに入りそこねた玉が落下する。
そして首や背中、頭にドカドカ直撃する。
痛い。
玉も意外と強度があり、結構な高さから落下してくるので、シンプルに痛い。
さらに、投げる→しゃがむ→拾う→立つ→投げるを繰り返すので、さながらスクワット状態になる。
足がガクガク。砂埃もあり得ないくらい立つ。
玉入れ、見た目以上にハードな競技なんだな……と実感。
しかしこの2回戦では、30個以上の玉がかごに入った。
さっきは10個だから3倍だ。
工夫ひとつでこんなに成果が出るとは。
ちなみにその後、別のクラスがこの方法をマネして、50個という脅威の実績を叩き出した。
そのためか、我がクラスは優勝を逃してしまった。悔しい!
ところで、この話は2000年代半ば頃のこと。
今ならその場でスマホでググると、どっかの誰かが書いた「玉入れの必勝法まとめ!」みたいなブログ記事がワサワサ出てくる。
その必勝法を丸パクリすることもできる。
便利だけど、なんとなく味気ない。
やっぱり、こういったことは自分達で試行錯誤してナンボだ。
だからこそこの玉入れも、20年近く経った今でも、ハッキリと記憶に残っているのだろう。