クレーマーよ、紳士であれ
クレーマーって、嫌ですよね。
先日、レストランで久々に遭遇してしまいました。
クレーマーというと、店員に対して怒鳴り散らすイメージがありますよね。
そういった絵に描いたようなクレーマーじゃなくて、すごく静かだったんです。
最初はクレーマーがいると全然気づかなかった。
店員と常連のお客さんが談笑してるのかな~くらいにしか見えなかったんです。ホントに。
でもよくよく聞き耳を立てると(立てるのもアカンか)、客側がキツイことをくどくど言っていた。
他人にとっちゃどうでも良いことをキツイ口調で執拗に、30分くらい繰り返していた。
その場でガタガタ騒ぐクレーマーなら、他の店員や周りの客が気づいて止めに入ることもできる。
しかしこれはトーンが静かだから、店員がイチャモンをつけられていることに気づきにくい。
これはこれで厄介だと思った。
この静かなクレーマーのことを、何と呼べばいいのだろうか。
サイレントクレーマーという言葉があるが、これはクレームを直接言わずに黙って利用をやめる人のことを指すため、全く異なる。
このクレーマーには、特に呼び名はない。
ただの「いやなやつ」だ。
クレームは本来、相手に「改善を促す」行為だ。
そのために事実を述べる、そして意見を述べる。
プロのクレーマーたるもの、きちんと筋道を立てて主張していかなければならない。
いや、プロのクレーマーって何やねんって思うけど。
至らない点を直してもらうのがクレームの目的だ。
相手をいじめること、相手の時間を奪うことが目的じゃない。
30分もグチグチ文句を垂れて店員を拘束するのは、やりすぎだ。
「でもさ、ちゃんと怒りの感情を見せないと、相手に事の重大さを理解してもらえないでしょう?」
と思う人もいるだろう。
一理あるが、怒りをあらわにしている人がそばにいると、周りも不快な気持ちになる。
さらにまずいのが、怒りによって相手が萎縮してしまうことだ。
自分の要望を通すためには、相手に自分の意見を受け入れてもらう土台を作らなければならない。
怖がられてしまっては、その土台すら築けない。
緊張や恐怖で頭が真っ白になった人に要望を言ったところで、何も伝わらないだろう。
その真逆で、慣れた店員だと客がヒステリックになった途端、
「こいつはヤバいやつだから、まともに相手しなくていいや」と判断されることもある。
どっちにしろ、怒りを見せると真っ当なコミュニケーションが取れなくなるのだ。
まぁ、でもこれもなかなか難しい。
淡々と話し過ぎてしまうと、「これは重要な話じゃないな」と判断され、内々に済まされる可能性もある。
これはクレームなんですよ、というニュアンスを出す必要がある。
かといっていきなり「上司を出せ」だと、何が原因でクレームになっているか、クレームの元凶となった本人に伝わりにくくなるんですよね。
本人に話したうえで、あまり理解されなかったら、後に上司を呼ぶのがベターじゃないかと思います。
クレームを入れるような目に遭わないのが一番ですが、万一のときは気を付けたいものです。
感情的にならないで。
冷静に、理路整然と、スマートに。
クレーマーこそ、紳士淑女であるべきなんです。