見出し画像

■大河ドラマ『光る君へ』第28話を深掘りしたい人のための参考本

えりたです。
今日は大河ドラマ『光る君へ』第28話をより深く堪能できる道標となる本のご紹介です。

・ ・ ・

第28話では、中関白家の矛でもあり、盾でもあった定子さまがはかなくなられました。その場をぱっと明るくするあの朗らかな笑顔はもう見ることは叶いません……そんな悲しみに暮れた、中関白家激推しの第28話感想はコチラです。

比翼の鳥、連理の枝。「ソウルメイト」をそう言い直すこともできましょう。あなたがいてくれて、よかった。そう思える瞬間があれば、もしかすると、それだけで人生は輝くものなのかもしれません。


■定子さまは永遠に輝く日の宮で

大河ドラマが始まる前と後とで、大きく見方の変わったものの一つに『枕草子』があるのではないでしょうか。

「春ってあけぼのよ!」。そんな印象的なフレーズから始まる『枕草子』は私たちにとって、太陽のような明るさと、歌うような朗らかさがギュギュっとつまった本でした。

ですが、『光る君へ』で描かれた『枕草子』は悲しみの底にしずむ大切な人のまなざしを、少しでも光ある方向へ向けるための温かさと慈愛に満ちた文章たちでした。

定子さまが天へ召された今、もう一度『枕草子』を読んでみるとまた違った感興が心に湧き起こるのではないでしょうか。

■『枕草子』
■清少納言 著
■角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
■平成13年7月刊
■680円+tax


■彼のいる場所の孤独と過酷を

定子さまが召されたということは、同時に、一条天皇の孤独が浮かび上がることを意味します。

愛も恋もすべてをふたりで分かち合っていたから。何があろうと、お互いがいれば乗り越えられると思えたから。だから、ここまで生きてこられた。それなのに、彼女は独りで逝ってしまった。

一条天皇のいる場所はもとから魑魅魍魎の跋扈する宮中。そこで「帝」として生きることこそが彼の存在証明であり、そこでしか生きられないからこそ彼は悲劇なのであり。

・ ・ ・

大河ドラマ『光る君へ』では何人もの天皇が描かれます。ここまでにも、円融天皇、花山天皇、一条天皇が即位(在位)されました。これから三条天皇、後一条天皇もご登場になることでしょう(後朱雀天皇は皇太子時代〈敦良親王時代〉までかなと思っています)。

そんな教科書で名前を見るだけだった、あるいは、初めて名前を聞いた「帝」の姿や日常を具体的に拝見できるのも、このドラマの楽しさだと思います。

さて、そんな「帝」たちの来歴や葛藤、在位中の出来事をコンパクトにまとめた本がコチラです。

■『平安時代 天皇列伝 桓武天皇から安徳天皇まで』
■樋口健太郎、栗山圭子編
■戎光祥出版
■2800円+tax
■2023年11月


■史実と虚構の狭間で

お話が進むにつれて、どんどん兼家パパりんな表情を見せ始めている道長どん。

考えてみれば、私たちは道長どんについて「この世をば我が世とぞ思ふ」の歌のみで、どんな人物なのか、分かったような気になっていたのですよね。

もちろん、大河ドラマ『光る君へ』で描かれる姿も虚構のーそうだったかもしれない姿の一つでしかないのですが。そんな彼の人柄や思考の一端を知るにはこちらの書がもっとも近道だと思います。

■『御堂関白記』
■藤原道長著・繁田信一編
■角川ソフィア文庫 ビギナーズ・クラシックス日本の古典
■933円+tax
■平成21年6月


■まとめ

第28話をより楽しく深く見るための道標となる本を3冊ご紹介しました。新たな登場人物たちも発表され、また、第29話ではとうとうまひろっちが『源氏物語』の執筆を始めそうな雰囲気です。

これからもご一緒に大河ドラマ『光る君へ』を楽しめたら、とても嬉しいです。

■おすすめマガジン

■えりたマガジン

こちらのマガジンには、わたくしこと「えりた」の書いた有料記事―たとえば、書籍紹介や大河ドラマの感想、エッセイなど―が全部収納されています。
また、ジャンルごとに記事をまとめたマガジンもあります。

■大河ドラマ『光る君へ』を100倍楽しく見るために

■【えりた書店】

■大人ほど役立つ学び直し国語

■えりた写真館マガジン

■えりたの花を楽しむマガジン

これらのマガジンはすべて、ご購入いただくと、その後におさめたものも含め、記事を全部読んでいただける買い切りマガジンです。
今後セールに出すこともありません。
今がいちばんお得にお買い求めいただけます。

・ ・ ・

んじゃ、また。


この記事が参加している募集

記事をお読みいただき、ありがとうございます。いただいたサポートはがっつり書籍代です!これからもたくさん読みたいです!よろしくお願いいたします!