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■大河ドラマ『光る君へ』をめぐる旅②―大河ドラマ館へ行ってきました

えりたです。

先日、滋賀県大津市で開催された「大河ドラマ『光る君へ』スタート記念スペシャルトークショー」に参加してきました。

その際、せっかくここまで足を伸ばしたのだし、と思い、前日に開館したばかりの「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」へも訪れたのです。開館2日めということで、穏やかにのんびり過ごすことができました。今日はそのときのお話です。

■京阪電車に乗って

スペシャルトークショーは、膳所駅から歩いて10分ほどの場所で行われました。スタッフさんにドラマ館のことを伺うと、膳所駅から京阪電車に乗ると良いとのこと。トークショーが終わってから、再度膳所駅へ向かい、ちょうど来た京阪電車に乗りました。

着いたのは、石山寺駅です。

下りてみたら、驚くほど紫な景色が迎えてくれました。背景にある垣根の緑とのコントラストも美しく、駅からして「紫式部さんを全力で推して参る」感じが惜しみなく押し出されており、とてもすてきです。

「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」は、紫式部が『源氏物語』の着想を得たと言われる石山寺の境内にあります。ここ京阪石山寺駅からは徒歩10分ほどの道。兎にも角にも、カメラ片手に歩いていくことにしました。

駅を出て道なりに行くと、すぐに瀬田川が見えます。

瀬田川は琵琶湖から流れ出る河川で、京都・大阪を通るとき宇治川、淀川と名前を変えるそうです。この日は穏やかに晴れていて、流れもゆるやかでした。見ているだけで気持ちが洗われるようで、ずっと眺めていたいような景色がそこにはありました。

ですが、ずっと眺めているだけでは目的のドラマ館へは着きません。ので、少々後ろ髪をひかれつつ、目的地へ向かうことにしました。

緩やかに曲がる道をそのまま10分ほど歩くと、石山寺東大門に着きます。

実は、ワタクシ、石山寺について何の予備知識もなく来たのです。紫式部に関わりが深いお寺であること、平安文学で「石山詣」がよく出てくること。ほんとうにそれくらいの知識しかなく。

迂闊に軽率にやってきた、とはこういうことを言うのだなと実感するほど、荘厳な門が迎えてくださり、この段階で「うわぁ…」と圧倒されていたのはここだけの話(笑)それでも、うきうきとしながら門をくぐったのでした。

■五節の舞姫

石山寺の由来を見ると

聖武天皇の勅願により天平十九年良弁僧正によって開基され、歴朝の尊崇あつい由緒ある寺院である。

とあります。この段階で「しょ、聖武天皇?」となっていましたが、この後、お寺をめぐるうちに「天智天皇」の文字をも目にすることになり、いろいろ時間軸がバグったのでした。が、それはともかくまずは「大河ドラマ館」です。

東大門入って少し行くとある志納所(料金所)で、大河ドラマ館入館と石山寺参拝の合体チケット(言い方)を買い求め、すぐ隣にあるドラマ館へ入りました。

入るとすぐに、ウェルカムVTRが出迎えてくれます。主演の吉高由里子さんのお出迎え! それだけでもかなり贅沢なのですが。ふと右手を見ると。

紫式部さまの大きなパネルが‼‼‼
ガイドブックやポスターなどで見知った写真ではあるのですが、このサイズで見ると、やはりものっそい迫力がありますし、凛とした美しさや憂いを帯びた瞳の色に否応なしに惹きこまれます。

ドラマではまだ15歳で、おきゃんな真っ直ぐさを持つ「まひろちゃん」が圧倒的な存在感を放つ女性となる。役者さんの力量のすさまじさをがっしり浴びると共に、この姿を番組で見るときを思って、さらに楽しみが高まります。

そうして、ひとしきり(心の中で)大騒ぎしたあと、おもむろに中へ入ると、すぐに目に飛び込んでくるのが第4話でまひろちゃんがお召しになった「五節の舞姫」のお衣装です。

そこだけ時間が止まったかのように、静かにそれはありました。

まひろが衝撃の事実を知るあの場面を見たのは、ここへ来る2日前のことでした。ですから、このお衣装を見た瞬間、あの場面のまひろのなかに込みあげた思いを追体験したような気持ちになりました。

ちなみに、この日にあったトークショーでファーストサマーウイカさんは、このお衣装について「まひろさん、いいおべべ着られてよかったねぇ」としみじみおっしゃっていました(笑)たしかに、まひろは下級貴族の子ですから、こんな機会でもなければ着ることがないほど上等なお召し物ですよね♡

ウイカさんのその台詞も一方で思い浮かべながら、他方、この衣装の場面もあったり、衣装そのものの美しさや存在感に圧倒されたり。実は、ワタクシ、ここだけで気持ちがものっそいわひゃわひゃしたのでした。

■心の闇にあらねども

『光る君へ』第1話でまひろちゃんが書写していた、曾祖父藤原兼輔の歌があります。

人の親の心は闇にあらねども子を思ふ道に惑ひぬるかな

このときの文机が小道具として展示されていました。

背景は、その場面の様子を移した写真をプリントアウトしたものです。が、実際に書かれたものがそこにそっとあるのがとてもすてきで。ずっと見ていたい気持ちにここでも駆られていました。

思わず何枚もお写真を撮ったりもして。ドラマ開始当初にある、まひろの気持ちに寄り添う展示がとてもうれしかったです。

■フォトスポットには

Yahoo!のニュースにもありましたが、ファーストサマーウイカさんが開館初日にドラマ館へいらっしゃっています。その証もちゃんと見てきましたよ。

ききょうさんの等身大パネルにある、ファーストサマーウイカさんの直筆サイン! 思わず「春はあけぼの、夏はサマー」とひとりごちてしまう、かわいらしいサインがありました。いやぁ、幸せ♡

■まとめ

このほかにはスタッフ紹介図や人物相関図、キャストさんたちの直筆メッセージ入りサイン色紙などが展示されています。また、4Kシアターでは吉高由里子さんやファーストサマーウイカさんのコメント入りの映像が公開されていました。

ドラマ館自体はこぢんまりしています。ですが、一つずつがとても丁寧に選ばれ、展示されていることで、番組に関わる方たちがこのドラマをとても大切にしていることが感じられて、とてもすてきな空間です。

また、紫式部が『源氏物語』の着想を得たとされる場所で、紫式部に関する展示を見るということそのものがとても豊かに、心を躍らせてくれます。

トークショーのお話では、石山寺は思いがけない場面で登場するとか。その場面を見てからでも良し、見る前でも良し。紫式部だけでなく、『光る君へ』に出てくる人物のうち、多くの人が訪れたという場所で、静かにドラマに、人物に、平安時代に思いを馳せるのも楽しいのではないでしょうか。

お寺ですから、いつもと異なる時間が流れること請け合いです。よろしければ、ぜひ。

んじゃ、また。


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