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先生は本と映画です。

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タイトルの通りです。本や映画という先生から感じたことを書いています。
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#読書感想文

「なんとなくモヤモヤ」を解消する「幸せのメカニズム」について

「なんとなくモヤモヤ」を解消する「幸せのメカニズム」について

同じ仕事をしているのに、仕事が楽しいという人とそうでない人がいる。たくさんお金を持っているのに不満そうだったり、逆にそこまで贅沢をしていなくても幸せそうな人がいる。

誰しも不幸になりたくて生きているわけではないのに、その差はどこから生まれるのか。何より、自分も日々を「幸せ」に過ごしたい。

なるべく誰もが取り入れられそうな幸せになれる方法はないのだろうか。

そんな疑問から、幸福学について研究さ

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批評ができると、人生が面白くなる。「批評の教室」北村紗衣 著

批評ができると、人生が面白くなる。「批評の教室」北村紗衣 著

映画のレビューアプリ「Filmarks」を見ていると、たまに「すごい深読みをしているな」というレビューに出会うことがある。物語で描かれている小物や流れている音楽、監督の趣向など、知らなくても楽しめるけど、知ったらより楽しめるようなことについて書かれているレビューを読むと、自分もそういったレビューが書けたらいいのになと思う。

「批評の教室」は武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授の北村紗衣さんによ

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佳い「書き手」は、佳い「聞き手」である—「取材・執筆・推敲――書く人の教科書」を読んで—

佳い「書き手」は、佳い「聞き手」である—「取材・執筆・推敲――書く人の教科書」を読んで—

ライターの古賀史健さんの最新の著書「取材・執筆・推敲――書く人の教科書」を読んで、もしタイムマシンがあったら過去に取材している自分一人ひとりをかき集めて説教したいという気持ちになった。

敏腕ライターの先輩に教えてもらったこの本は、480ページという大容量だったが、一日で読み終えてしまった。古賀さんの圧倒的な構成力が土台にあるのはもちろん、「これを今読み切らなければならない」という強迫観念のような

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AIは人のシゴトを奪うのではなく、より機会均等な世界を作ると思う。

AIは人のシゴトを奪うのではなく、より機会均等な世界を作ると思う。

長いこと、AIが人間の仕事を奪うと言われています。

僕もAIのことを中途半端に理解していた時は、なんかすごい人工知能がどんどん人間の存在を脅かしていくと考えてい増田。人工知能を作ったり理解できる一部の人だけが全てを支配するロボット資本主義というディストピア。

でも、AIについて知識を貯めるにつれてその考えも変わっていきました。

何が奪われるかではなく、どんな性質のものなら奪われないのかを考え

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文章上達のための「楽しい写経マニュアル」

文章上達のための「楽しい写経マニュアル」

文章力向上の一番の近道は写経だと言われます。

が、ぶっちゃけ写経って気が乗らないですよね。

ただ文字移すだけって面倒だし、仮に3000文字近い文章を写経するってなったら時間もかかるし、大変そうだからなかなか踏み出せない人が多いんじゃないかと思います。

僕自身、書く仕事を始めて3年ほど経ちますが、これまで一回も写経したことがありませんでした。ただ、自分の出来る範囲で書くには限界があるなと感じ、

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広報の次のステップとして考える「戦略番頭」というポジション

広報の次のステップとして考える「戦略番頭」というポジション

ベイン・アンド・カンパニーのパートナーであるクリス・ズックとジェームズ・アレンの共著「創業メンタリティ」を読んで、広報パーソンの次のキャリアのヒントを得た。

「創業メンタリティ」は企業が適切な企業規模で早く・持続的に成長するために必要な「創業目線」と、その目線を持って企業の危機を乗り越えるための方法論と事例、「創業目線」の育て方について説かれた本だ。

「創業目線」には三つの要素がある。「革新志

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「ミンスキー博士の脳の探検」読書メモ ver.1

「ミンスキー博士の脳の探検」読書メモ ver.1

社会人になってから「考える」機会が増えた。

その一方、「考える」とは何かについて「考える」ようにもなった。少なくとも、「考える」とは脳を経て行われているはず。であれば、「脳」について知れば、「考える」のヒントになるのではないか。

そんな思いもあり、脳の仕組みを解明する手がかりとして「ミンスキー博士の脳の探検」を読み始めた。

この本は、人間の心の機能・作用について探求していて、「好き」や「むか

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「読書」についての考察①—本を読む「意味」とは

「読書」についての考察①—本を読む「意味」とは

書籍は青年には食物となり、老人には娯楽となる。病める時は装飾となり、苦しい時には慰めとなる。内にあっては楽しみとなり、外に持って出ても邪魔にはならない。特に夜と旅行と田舎においては、良い伴侶となる。—キケロ

僕は本が好きだ。

気になる事柄があると、すぐにAmazonにアクセスし、関連書籍をポチってしまう。おかげで読んでない本がどんどんたまっていく。僕の作業机の横にあるローテーブルにはいつの間に

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大人になった貴方にこそ「夜のピクニック」をススメたいのだ

大人になった貴方にこそ「夜のピクニック」をススメたいのだ

「好きな作家は恩田陸かなー」と答えると、「夜のピクニックは読んだことあるよ!」と十中八九返ってくる。読んだことなくても、9割の人がタイトルだけは知っている。

恩田陸が実は女性だとは知らなくても、その存在だけが全国を行脚している不思議な小説。

僕は、「夜のピクニックなら知ってるよ」と答えてくれる方に対して、だいたい「名作ですよね〜」と返していたのだけど。

ごめんなさい。

夜のピクニック、読ん

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