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まどをあけますよ。

今日は朝早くに家を出て、となりまちのサッカーグラウンドへ。
30分ほどのドライブ。


蕎麦畑では、小さな白い花が満開を迎えていました。
リンゴ畑には赤い実がいっぱい。
梨の木は重そうな大きな実をぶらさげ、
まだたくさんの房をつけたぶどう畑が続く。
黒いの、緑の、ふくろがかかったの、食用、ワイン用。

この風景にもだいぶ慣れたけど、初めてここに来たときは、信じられないような光景でした。
今ですら、おとぎ話の中みたいだな、と思うことがあるくらい。


四国は瀬戸内の海沿いに生まれ育ったので、海は意識しなくてもいつも側にありました。
親戚のいる島に遊びに行くと、道端にはみかん畑ばかり。


蕎麦がこんな可憐な花を咲かせるなんて知らなかったし(麺、としか意識したことなかった)、
りんごが木になっているのなんて見たことなかったし、
ぶどう狩りは幼い頃一度だけ行って、蜂がたくさん飛んでいた、という記憶の中の果樹園でしかなかった。


10代の終わりから20代の後半までの10年は、関西で暮らしました。
同じく海がすぐ側にあるのが当たりまえの光景だった港町。

もちろん実家や今の住まいに比べて、はるかに都会ではあるけれど、若かったその10年間、自然に目を向けることなんてなかったな、と思い返す。


だいぶ大人になり、ここに来てはじめて、道端の自然で季節の移り変わりを知るようになりました。
もちろんそれは、年齢や心境の変化があり、(自然しかない)環境そのもの、だけが理由ではない気がします。


今でも前にいたあの大好きな街に戻りたいなぁ、と思うこともある。
都会への憧れもある。
この数年は気軽に東京や関西に行ったりもできなかったので、すっかり田舎にこもりっきり…笑。



それでも、完全にアウェイだと思っていたこの場所が、気付けばホームになってることに気付く。

子どもたちにとってなんて、ホームでしかない、と思うとちょっと不思議な気分。
自分たちの住む市に関すること、歴史とか、社会で習った子どもに教わることも多い。



荒井良二さんを知っていますか?
私の大好きな絵本作家です。


『あさになったのでまどをあけますよ』
という1冊を、今日みたいなことをふと考えるとき、いつも思い出します。

今住んでいる場所が愛おしく思える、とても美しい絵本です。
うちにはないのですが、ときどき図書館や本屋で見つけると開いてしまいます。


本当に好きな場所に住めるってしあわせです。

でももちろん、誰もがいちばん好きな場所にいるわけではないですよね。
そういう私も、今いる場所に、なんだかなぁ、って何度も思うこともあったけど、そんなときにこの『あさになったのでまどをあけますよ』を思い出すのです。

荒井さんの絵本、他にもたくさんすてきなものがあります。
ぜひ、のぞいてみてください。


こちらにも。




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