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私たちは意外と「思い込み」ですれ違っているのかも?に気づく対話型鑑賞

皆さん、こんにちは!
エンパブリックスタッフの渡邉です。

ここでは、empublicStudio内で毎週水曜日12:15~12:45に開催している「今週のエンパブTOPIC」(旧:ランチトーク)で行ったセッションの様子を紹介します♪

今週のエンパブTOPICでは、「ちょこっとアンラーニング」をテーマに、エンパブリックスタッフが日々の中で気になった、みなさんと一緒に学びたいコンテンツをトピックとして週に1回発信しています!
エンパブリックが持っているたくさんの動画やシート等から、皆さんの興味にも合うテーマを厳選しています。
1回30分の参加でも良い刺激になるかと思いますので、ぜひ自分の問題意識や気になるテーマにご参加ください♪


今週の企画は?

今週のテーマは「自分の内面と向き合う『対話型鑑賞』」!

対話型鑑賞とは、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開発された作品や作者の背景や技法・美術の知識をもとにするのではなく、その場で抱いた感想や想像をベースに対話を行うアートの鑑賞法で、VTS(Visual Thinking Strategies)とも呼ばれます。
元々は子供むけに開発されたものですが、現在では会社の研修や美術以外の分野でも広がって、日本でも美術館のワークショップとして実施されたり、専門のファシリテーター研修なども行われています。

この対話型鑑賞では、ファシリテーターから参加者に投げかけられる質問は下記の3つに限られており、絵画を囲んでこの質問を回しながら対話を行っていきます。
1:「この絵の中で何が、どんなことが起きていますか?」
  (What’s going on in this picture?)
2:「どこを見てそう思いましたか?」
  (What do you see that makes you say that?)
3:「ほかに言いたいことはないですか」「ほかにもっと発見はありますか? 」   (What more can we find?)

これまでも定期的に行ってきましたが、参加者の方からは
・いつもは使わない脳を使って、頭の体操になった!
・普段は答えを出すための話し合いはしているが、答えがない状態で話すという感覚が不思議だった!
・「対話」ってこういうことなんだと実感した!

などなど、毎回開催するたびに皆さんにたくさんの気づきを促す不思議な企画です(笑)


対話型鑑賞をやってみた!

これまでの対話型鑑賞では、皆さんそれぞれの解釈や見方が変わるよう抽象画をメインに行なってきましたが、今回は以下の絵画を題材に行ってみました。

具体的なワンシーンが切り取られた構図になっていますが、皆さんはこの絵を見てどんなことが起こっていると思いますか?

(Winslow Homer,1885)

当日は、
・画面奥に向かって漕いでいる。これから海に向かっていくところ?
・遠くを見ているということは、そっちに行きたい方向がある?
・釣りにしては魚カゴがない。なんでこんなに大きな魚を乗せてるんだろう?
 もしかして、勝手に船に乗ってきた?!
などなど、皆さんがこの絵を見て感じたことをどんどん上げていきました。

他の人の意見を聞くことで「もしそうだとすれば、こうも見えますね!」と新しい見え方もどんどん生まれていきます。
途中には、「奥に""が見えますけど…」という発言を受けて、他の方が「えっ?あれ""だと思ってました!」と見え方や解釈の違いに驚く場面もありました。

「思い込み」から見えてきた対話の面白さ

20分ほどの対話型鑑賞の体験を踏まえて、皆さんからのふりかえりでは、以下のような感想が出てきました。

・最初この絵を見た時は『これにしか見えない!みんなも同じで対話にならないかも…』と思ったけど、全くそんなことなくてびっくりした。
・自分はネガティブなイメージを受け取ったが、気分やモードによっても絵の見え方が変わるんだろうなと思った。
・他の人の話を聞くと、自分の中でも見方が変化して面白かった。

参加者の感想より

この前にも説明したように、今回はあえて「具体的なシーン」を切り取った絵画をピックアップしてみました。
そこで見えてきたことは、「抽象的ではなく、たとえ具体的なものを見ながら話していたとしても、人は全く同じようには解釈しない」ということです。

今回の参加者の感想にもあったように、具体的なシーンを見て、ぱっと自分なりの解釈ができてくると、つい「みんな同じことを考えるよね…?」と、それ以外の見え方がわからなくなってきます。
また、先ほどの「向こうに見えるものは""か""か」という話を振り返っても、お互いに「絶対にみんなもこう見えてると思ってたから、最初にわざわざ口に出さなかった」という話が出てきました。

こういう「思い込み」のすれ違いって、会社でも家族でも、私たちの日常で日常茶飯事で起きていることですよね(笑)
まさに、そんな時の対話の必要性に気づかせてくれるワークショップになっていました。

さらに、そうやってお互いに見えているものの違いを口に出しあって、驚いたり、共感しながら、少しずつ起きていることを立体的に捉えていくことの楽しさが体験できるのもこの対話の面白さです。
よく「群盲、象を評す」なんて言葉が使われますが、まさにみんなで話しながら象の姿を探っていくような時間でした。

チームビルディングや組織論の文脈でもよく出てくる言葉ですが、抽象的でよくわからない、、という方、ぜひ一度対話型鑑賞を体験してみてはいかがでしょうか!


毎週30分、ちょこっと「アンラーニング」してみませんか?

今回ご紹介した対話型鑑賞をはじめ、この「今週のエンパブトピック」の時間では、他にも日々地域づくり・仕事づくりに携わるエンパブリックスタッフが厳選したトピックをご紹介しながら、動画をみたり、テーマで話してみたり、ミニWS体験などを行っています。

週に1回30分だけ、自分の経験や知識と紐付けながら、活動や仕事の中に活かす知見を生み出す「アンラーニング(学びほぐし)」の時間を設けてみませんか?

気になる方はぜひエンパブリックスタジオHPを覗いてみてください♪






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