発酵日記

健康レシピ紹介ではありません。

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  • アラビア語RTA

    アラビア語の勉強をしていた時の記録です

  • ロマンスはカイロにて

    大学3回生の冬休み。寒さの厳しいアレクサンドリアを脱して、暖かなダハブへの逃避行をした。そこでの出会いと束の間の日常を描く。

  • イスラム教との邂逅

    エジプトに住み、イスラム教に触れる中で考えたことをゆるく書く。厳密な考証は行っておりません。

記事一覧

木村、中村、大村、北村、西村、様々な村がつく苗字があるけれど、その中で最強のなのは「時村」だと思う。初めて遭遇した時に、圧倒的な敗北感を感じたのをよく覚えている。

発酵日記
7日前
2

ヒッピー・コミューンでの暮らし

現代にヒッピー・コミューンがあるなんて知らなかった。そもそもヒッピーって絶滅したんじゃないかと思っていた。 そんな僕は最近ヒッピー・コミューンで生活している。ま…

発酵日記
3週間前
11

自己紹介

ずっと前からNoteの名前を変えたかった。エジプト留学が終わってもいつまでも「埃及」(エジプト)という名前で書き続けることには抵抗があった。しかしながら、ピンとくる…

発酵日記
1か月前
17

寝れない夜

言い訳ばかりで、態度ばっかりデカくて、そのくせプライドは高いし、内弁慶で間違いを認めない。口先でなんとかしようとして、なんともなんなくて、調子に乗って、叩き潰さ…

発酵日記
1か月前
5

道標

思い出なんて、今は、誰にも話したくない。それでも、どこかに書いておきたい。 目の前の状況がさっぱり理解できない。本当に意味がわからない。点と点が全く線を結ばない…

発酵日記
2か月前
9

えっ、私がバーで働くんですか!?完結編

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。たった1日働いた話を結局一万字程度書いた自分に驚いています。しかしながら、想像以上…

発酵日記
2か月前
12

えっ、私がバーで働くんですか!?客来た編②

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。普段働かなすぎて、全てが新鮮に映った結果、たった1日働いた話でもうすでに6000文字程…

発酵日記
2か月前
13

えっ、私がバーで働くんですか!?客来た編

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。冒頭はこちらから。 注文を取らなければならないという事実に戦々恐々としていた。よ…

発酵日記
3か月前
9

えっ、私がバーでバイトするんですか!?開店準備編

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。冒頭はこちらから。 店に入る。あたりを見回す。1度来たことがあったが、改めて見ると…

発酵日記
3か月前
16

えっ、私がバーでバイトするんですか!?

同居人から、唐突に告げられた。 「明日バイト入れる人知らない?人がいなくてさ。」 同居人のバイト先は、バー。それもオーセンティックバー。一度冷やかしに見に行った…

発酵日記
3か月前
15

選手宣誓のようなもの

日本軍は第二次世界大戦で、真珠湾攻撃を仕掛けしました。それはどうしても勝ち目のない戦争でした。局地的には勝利を続けましたが、兵站が伸び切ったタイミングで、徹底的…

発酵日記
3か月前
3

ときどきときめき

2023年6月23日。久しぶりにギターを弾いた。今滞在しているカオサンのホステルに偶然置いてあったのだ。まあ、弾いたと言っても別に私はギターが得意なわけでもなければ、…

発酵日記
3か月前
6

「教養」嫌い

先日、本屋に行くと、「本物の教養を身につけるには」とか「教養を学ぶ意味とは」といった毒にも薬にもならないような本が積み上げられていた。この手の本の中身は、まるで…

発酵日記
4か月前
7

友人とタクシーに乗っていた。そのうちの一人が

「有給使って、6連休にしたんだ〜」

と言った。私は以前、一年半休学するという記事を書いた。一年半というとそうでもないけど、これを日数に換算して、547連休と言うと、とんでもないダメ人間になったような気がする。実際そうなんだけれども

発酵日記
4か月前
2

旅のはじまりと、インターネットカフェ

小学校の同級生たちとの旅行を終え、福岡のネカフェに泊まることにした。私だって、ネカフェのような閉塞された空間に宿泊したくなんかない。ありとあらゆる人間たちが、こ…

発酵日記
4か月前
5

孤独を泳ぐ

『52ヘルツのクジラたち』を読んだ。大学が大分にあることもあって、とり天やら、ゆめタウンといった、小説の中で描かれるモチーフに親近感を持った。作品の中で、余所者に…

発酵日記
4か月前
6

木村、中村、大村、北村、西村、様々な村がつく苗字があるけれど、その中で最強のなのは「時村」だと思う。初めて遭遇した時に、圧倒的な敗北感を感じたのをよく覚えている。

ヒッピー・コミューンでの暮らし

ヒッピー・コミューンでの暮らし

現代にヒッピー・コミューンがあるなんて知らなかった。そもそもヒッピーって絶滅したんじゃないかと思っていた。

そんな僕は最近ヒッピー・コミューンで生活している。まあ、コミューンといっても私有財産はあるし、変な思想があるわけではない。ヒッピーの愉快な大人たちが暮らしているだけだ。違法薬物だってない。

私は、普段研究室で論文を書いているだけの、ただの学部生である。偉くて髭の長い昔のおじさんが書いた立

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自己紹介

自己紹介

ずっと前からNoteの名前を変えたかった。エジプト留学が終わってもいつまでも「埃及」(エジプト)という名前で書き続けることには抵抗があった。しかしながら、ピンとくる名前がいっこうに浮かばない。

多分変えようと思ってからもうすでに半年が過ぎた今日この頃、ふと、「発酵」という言葉が頭をよぎった。

発酵とはご存知の通り、微生物やらが何かを分解することで、なんだかいい感じになるあれのことである。人間に

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寝れない夜

言い訳ばかりで、態度ばっかりデカくて、そのくせプライドは高いし、内弁慶で間違いを認めない。口先でなんとかしようとして、なんともなんなくて、調子に乗って、叩き潰される。

正当化ばっかりしようとして、結局それも何にもならない。自分でやると言ったのに、結局体が無理だと言って、クソの役にも立てない。情けない。自分の周りにいる人に、迷惑ばっかりかけて、それでギリギリ生きてるくせに、ほんと何やってるんだろう

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道標

思い出なんて、今は、誰にも話したくない。それでも、どこかに書いておきたい。

目の前の状況がさっぱり理解できない。本当に意味がわからない。点と点が全く線を結ばない。何をしていても、何もしていないような気分になってくる。全てのことは風のように体を通り抜けるばかりで、それ以上何も影響を及ぼさない。

どうやら、恩師が亡くなったらしい。

どうしても理解できない。友人から連絡があったが、それを理解するこ

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えっ、私がバーで働くんですか!?完結編

えっ、私がバーで働くんですか!?完結編

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。たった1日働いた話を結局一万字程度書いた自分に驚いています。しかしながら、想像以上に長くなった連載もここまで。意味もあんまりよくわからない駄文にお付き合いいただきありがとうございました。冒頭はこちらから。

団体客が帰っても、忙しさはしばらく終わらない。グラスを下げて、洗い、そして磨く作業があるからだ。ほっと一息つく暇

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えっ、私がバーで働くんですか!?客来た編②

えっ、私がバーで働くんですか!?客来た編②

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。普段働かなすぎて、全てが新鮮に映った結果、たった1日働いた話でもうすでに6000文字程度書いている自分に驚いています。冒頭はこちらから。

ウェルカムドリンクを運び終え、バーカウンターの中へと戻った。とは言っても洗い物などはまだない。すると、ひと組のお客さんが来た。中年のカップルだか夫婦で、非常にご機嫌だった。ひょっと

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えっ、私がバーで働くんですか!?客来た編

えっ、私がバーで働くんですか!?客来た編

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。冒頭はこちらから。

注文を取らなければならないという事実に戦々恐々としていた。よく考えててみてほしい。アルコールに弱いがために、あまり酒に詳しくもない人間が的確に酒の注文を取ることができるのだろうか。できるわけがない。あゝこんなことなら、もう少し酒について知識があったらよかったのに。

「ないものはない」というのはも

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えっ、私がバーでバイトするんですか!?開店準備編

えっ、私がバーでバイトするんですか!?開店準備編

同居人から突然、「1日だけバーで働かないか?」と言われたぷー太郎の話の続きです。冒頭はこちらから。

店に入る。あたりを見回す。1度来たことがあったが、改めて見るとその荘厳さに驚いてしまう。さまざまな人間のさまざま人生が交差し、そしてまたそれぞれの生活へと戻っていく。オレンジ色の優しい光と、古い洋画を映し出すブラウン管テレビ、真っ赤でふかふかな回転椅子に、人の思いが詰まったバーカウンター。この場所

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えっ、私がバーでバイトするんですか!?

えっ、私がバーでバイトするんですか!?

同居人から、唐突に告げられた。

「明日バイト入れる人知らない?人がいなくてさ。」

同居人のバイト先は、バー。それもオーセンティックバー。一度冷やかしに見に行ったことがあるが、マスターはジャケット、バイトもワイシャツにベスト、蝶ネクタイという出立だった。バーカウンターの後ろの壁には何やら高そうな酒が所狭しと並べられていた。

そんな雰囲気むき出しのバーで急遽1日だけバイトできるような友達を私は一

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選手宣誓のようなもの

選手宣誓のようなもの

日本軍は第二次世界大戦で、真珠湾攻撃を仕掛けしました。それはどうしても勝ち目のない戦争でした。局地的には勝利を続けましたが、兵站が伸び切ったタイミングで、徹底的に分断されました。よくある手法です。それ以前の戦争の影響もあり、人員も物資も慢性的に不足している中、戦争が開始されました。

それは、悲惨な、末路をたどりました。多くの人が死にました。多くの若者が死にました。なぜこんなことが起こってしまった

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ときどきときめき

ときどきときめき

2023年6月23日。久しぶりにギターを弾いた。今滞在しているカオサンのホステルに偶然置いてあったのだ。まあ、弾いたと言っても別に私はギターが得意なわけでもなければ、きちんと弾けるわけではない。ただただいくつかのコードを鳴らすことができるだけだ。

昨日の続きが今日で、今日の続きが明日で、日々の境界が溶けていく日々の中で、何かを求めていた。「BABY BABY」「夢で逢えたら」「少年少女」を手始め

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「教養」嫌い

先日、本屋に行くと、「本物の教養を身につけるには」とか「教養を学ぶ意味とは」といった毒にも薬にもならないような本が積み上げられていた。この手の本の中身は、まるで生成AIにでも書かせたかのように内容が均一で、とても教養のある著者が書いたようには見えない。そんな本には興味はないので、目当ての本を探しに行く。レヴィ=ストロースの『悲しき熱帯』だ。

言わずと知れた古典的名著。しかし、『悲しき熱帯』はおろ

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友人とタクシーに乗っていた。そのうちの一人が

「有給使って、6連休にしたんだ〜」

と言った。私は以前、一年半休学するという記事を書いた。一年半というとそうでもないけど、これを日数に換算して、547連休と言うと、とんでもないダメ人間になったような気がする。実際そうなんだけれども

旅のはじまりと、インターネットカフェ

旅のはじまりと、インターネットカフェ

小学校の同級生たちとの旅行を終え、福岡のネカフェに泊まることにした。私だって、ネカフェのような閉塞された空間に宿泊したくなんかない。ありとあらゆる人間たちが、この狭い空間でし得るすべてのことをしてきた歴史のある部屋に、果たして安らぎなどあるのだろうか。怨念やら、執念やらは漂ってそうだけれども。

祭りが終わった翌々日は(翌日は片付けがある)、大きな虚無感と寂しさに悩まされるように、旅行の終わりもま

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孤独を泳ぐ

『52ヘルツのクジラたち』を読んだ。大学が大分にあることもあって、とり天やら、ゆめタウンといった、小説の中で描かれるモチーフに親近感を持った。作品の中で、余所者に干渉しすぎる、田舎特有の空気感が描き出される。

私が住むこの街では、まだまだ他人に関心を払う。例えば温泉に入るときは、先に入っている人に挨拶をしたほうがいい。こうすることで、地元のおじさんたちは話しかけてくれるようになる。「他人の家の風

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