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不安障害は親の真面目すぎる性格が原因だった


長らく悩まされていた不安障害について、最近気づいたことがあったので今回はそれを書きます。

タイトルだけ読むと、親のせいで不安障害になったって言いたいの?と思われかねませんが、

あくまでも、なぜ自分は不安障害になったのかを冷静に、一定の距離を置いて考えてみたいと思います。




さて、まずなぜ今になって不安障害について書こうと思ったのかと言うと、あるテレビ番組を見ていたことがきっかけでした。

そのテレビ番組とは、平日朝に放送されている『ラヴィット!』なのですが、そこである芸人さんがゲームをやるたびに手が震えていたんです。

私は長い間不安障害を患っていて、特に人前で字を書くときに異様に手が震えてしまう現象に悩まされてきました。

社会福祉士のスクーリングがリモートであったときも、リモートなのに緊張で手が震えすぎて字が書けなかったほどでした。

さすがに症状はおさまってきましたが、例えば未だにレジでバーコードを読み取ってもらうときも、

スマホを持つ手が震えそうになり、それを店員さんに悟られないようにと異様に焦ってしまうことがあります。



ご存じの方もいると思いますが、『ラヴィット!』はかなりゆるいバラエティ番組です。

よく、みんなでゲームに挑戦して失敗したらビリビリ椅子、という昭和感満載のほのぼのした企画をやっているのですが、

その芸人さんはゲームに挑戦するたびに、ことごとく手が震えていたんです。

中には手を使うのとは関係ない、例えばみんなが早口言葉を噛まずに言えるかチャレンジなどでも、手がめちゃくちゃ震えているのが画面に映っていました。

その様子を見て私は、


え、私じゃん


と、かなり親近感を覚えました。


テレビのバラエティ番組です。というか、ラヴィットです。(金曜のくっきーさんなんか、意味不明な一人コントを繰り広げていてやりたい放題です。)

手が震えるほど緊張する必要は、本来ないんです。

むしろテレビ的に間違えたほうが芸人としてはおいしい・・・・のに、その芸人さんは手の震えを抑えようと手を払う仕草さえ見せていました。

そんな必死な姿に、共感しまくっていた私がいました。

自分のことはどこか客観的に見られないのに、自分と同じような人を見ると、

何をそんなに緊張する必要があるんだろうか
なぜそこまで不安を覚えてしまうのだろうか

と、疑問に思ってしまいました。

そもそも、どうして私たちは緊張する必要のない場面で異様に緊張してしまうのでしょうか。

なぜ不安を覚える必要のない場面で、手が異様に震えてしまうのでしょうか。



私自身の経験を振り返って思うに、それは

失敗をしてはいけない
恥をかいてはいけない

という強迫観念にも近い考えが意識の根底にあるのではないか、ということです。

そしてそれはどこから来ているのかと言うと、親の性格ではないのか。

親が真面目で責任感が強い性格だと、子どもも知らず知らずのうちに、

人に迷惑をかけてはいけない
失敗してはいけない
ちゃんとしていないといけない

と、自分で自分を窮屈に縛ってしまうことになるのではないか。

そして、親が真面目で責任感が強いということを深掘りしてみると、親自身の中にある、

“ちゃんとしていないと自分は愛されない”

という思い込みが原因となっているのではないか、ということにたどり着きました。


例えば、

夫がいても不在で一人で子育てをすることを余儀なくされた母親や、

私の母のように、気質的に「心の理論」と言われる人の気持ちを推し量るコミュニケーションが苦手な人などは

思ったように子育てすることができず、自信をなくしたり自己肯定感が低くなりがちです。

一人で子育てできるのか不安な心理状態から、結果として必要以上に真面目で責任感が強くなってしまうのです。

その結果どうなるかというと、親は子どもの失敗まで責任を取ろうとしてしまいます。

子育てに自信のない親は、

子どもの失敗=自分の至らなさ、落ち度

になるので、なんとしてでも子どもの失敗をかばおうとします。

親としての自分に自信がなければないほど、子どもに必要以上に干渉し、ときには先回りして子どもが失敗しないようにとあれこれ世話を焼きます。

そんな親の必死な姿勢を見て子どもは、

“失敗するのはいけないことなのだ”

と、失敗することを過度に恐れるようになります。

さらに、失敗したことの責任を引き受ける機会を奪われてしまうので、ますます失敗することに対して恐怖心を募らせてしまいます。



冒頭でご紹介した芸人さんのエピソードとして印象的なのが、相方さんをわざとなじるという企画があった際、

その動画を見た母親から、「あんな言い方はよくない」というような注意の電話を受けたというものです。

真面目なお母さんだね~というほのぼのエピソードとして紹介されていて、私自身も特に違和感を持たなかったのですが、

その芸人さんはもう親から叱られる年齢の範疇をとっくに超えているなと考えたときに、

ゲームで手が震えているのを目の当たりにして、なんだか点と点がつながった気がしました。



私自身がまだ実家暮らしで自立できていないので偉そうなことは書けないのですが、

30代半ばにしてようやく実感するのが、

大人になるとはすべての責任を引き受けることなのだ

ということです。

当たり前のことなのですが、私は今までこの“すべての責任を引き受けること”をきちんと経験できず生きてきました。

自分の行動の結果を引き受ける
自分が選択した結末を引き受ける
自分が起こしたことのすべての責任を引き受ける

自分として生きる上で生じるあらゆる責任を引き受けること。それが大人なのだと、この年になってしみじみ実感しています。



失敗すること・・・・・・は、本来は失敗ではありません。

それよりも、失敗しきれないこと、つまり親が先回りして失敗するのを阻止したり、

失敗を過度に恐れて何もできなくなってしまうことのほうが、よっぽど失敗・・なのです。

失敗は財産です。現に私は、最近になってようやく失敗を肯定的にとらえられるようになりました。

これまでずっと、失敗することはよくないことだと、恥ずかしいことだと、大人としてあってはならないことだと思って生きてきました。

しかし一番よくないのは、失敗することを恐れること、失敗したことの責任を引き受けず中途半端に放置することなのだわかりました。


失敗は悪いことじゃありません。失敗することで子どもは成長します。

失敗してもその尻ぬぐいを親がやっていては、子どもは成長できません。気づきを得ることもできません。

自分を振り返ったり、自分に必要なものと向き合う機会を持つことができません。

親は、子どもの失敗は子どものせいなのだからしょうがない、むしろその方が子どもの成長になると、割り切って考える必要があります。

自分のせいで子どもが不幸になるとは考えずに、むしろ

私は今までやれることはすべてやってきたのだから、後のことは一切関与しません!

と開き直る必要があります。

突き放していいんです。手放していいんです。

子どもはいつまでも子どもではありません。

人は高校生にもなれば、自分で考えて自分にとって最善の道を選択できるようになります。

もちろん事情は人それぞれ違うため個人差があるとは思いますが、私が子育てに自信がない親御さんに言いたいのは、

もっと自分の子育てに自信を持ってほしい

ということです。

この私が育てたんだから、ちょっとやそっとの失敗じゃうちの子はへこたれない

と、プライドを持ってほしいのです。

その自負が子どもにとってのお守りになり、行く先を照らす灯りとなってくれます。

また、不安障害を持つ方は、失敗を恐れないでください。

ダサいあなたも、カッコ悪いあなたも、まるごと愛されることを知ってください。

失敗は“悪”ではありません。失敗を悪者とする考えそのものが、“悪”なのです。

どんどん恥をかいていきましょう。

どんどん失敗していきましょう。

私も日々、失敗を更新し続けながら生きてます。

この歳になって…
今さら…

などと反省しながらも、トライ&エラーを繰り返す中で、これまでにない充実感を味わっています。




不安障害を抱えた方は、そのままのあなたでいいので、ゆる~くラクに生きていきましょう。

間違っても、不安になったり緊張しすぎる自分を責めたり恥じたりしないでください。

私のように、毎朝ゆるいバラエティ番組を見ながら馬鹿笑いしていてください。

また、不安障害を持つお子さんの親御さんは、良い母親でいなければという観念を思い切って手放してください。

ある程度の年齢になれば、子どもは放っておいてもそれなりに育ちます。

どうか自分の子育てに自信を持って、“自分の子どもなんだから大丈夫”と、堂々としていてください。




2023.5.30追記↓↓



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