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ブランド名のひとり歩き

ブランドとは、ひとり歩きすることを目的として立ち上げるものなので、タイトルの言い方は間違っているかもしれない。

が、最近私は思うのだ。

「昔ほどおいしい野菜や果物にめぐり会えなくなった」 と。


例えばイチゴで言うなら昔は 「あまおう」 とか 「とちおとめ」 とか 「さがほのか」 とか 「紅ほっぺ」 などなど、「頑張れば覚えきれる」 ほどの種類しかなかった (あったかもしれないけれど全国的に普及してはいなかった)。

が、最近はさぬきひめ (結構好き) とかスカイベリーとかパールホワイトとか、とにかく新しい品種名が増えた。
いちいち試食するにはいちごは高級品だし、特徴も覚えられない。
聞いただけではいちご名かも分らないし、味の想像もまったくつかない。


いちごだけではない。
桃やらミカンやらぶどうやら、やたらブランド名が多くて覚えられないのだ。


ここ数年、ある品種の果物を信頼して購入してみるのだけれど、あまり 「アタリ」 とは思えないものが多い。

もちろん農家の方には頭が下がる思いだが、昔より 「わー、これあまーい!!」 という経験が減っている。
それなりのお金を積まなければ 「あまーい!」 にたどり着けなくなっている。


(その果物に関しては) 近所のスーパーで売っているものなんてほぼ全滅なような気がしている。

これは何も 「ブランド名に乗っかって、品質は良くないものを高く売ろうとしている」 という話ではない。




今年の夏に、「よってけポポラ」 に寄って行った。


山形にあるファーマーズ マーケットで、数年前の 8 月に行ったらとてもおいしい桃をたくさん & 安く買えたからだ。
前回はさくらんぼの時期は逃してしまったので、今年こそはと紅秀峰を買うべく 6 月? 7 月? に行ったら、猛暑日だった。

地元の人も大勢いるのだろうか。とにかくみんなさくらんぼの箱をたくさん購入している。
数千円ではなく、数万払うのがデフォルトのようだ。

入店までにぐるりと 「よってけポポラ」 の行列ができていて、猛暑日だったこともあって 「しまった!」 と思いながら諦めて帰ろうかと思っていたら、パートナーが 「並んでもいいよ」 感と自前の日傘を出してくれたので並ぶことにした。


なんとか熱中症にはならずに無事に入店し、さくらんぼを物色する。
ここのマーケットはとても大きい (広さと言うよりは仕入れ元の農家の方がたくさんいらっしゃる様子) ので、地元民でもない私たちはどのさくらんぼを購入したらいいのか正直分らない。

日本では佐藤錦が有名 & 人気だが、パートナーの職場の社長が山形出身の方らしく、以前 「紅秀峰」 をくださったことがあった。

それまで佐藤錦かアメリカン チェリーしかほぼ食べたことがなく、そもそもさくらんぼは高級品なので自分でも買うことはほぼなかった。
たまにアメリカン チェリーが安ければ買う、くらいのことだった。


が、そのいただいた箱を開けてビックリした。
まるで宝石のように真っ赤に輝く、弾けんばかりの大粒なさくらんぼが丁寧に箱に詰められている。

美しかった。 


紅秀峰はかじった時に 「パリン」 とした食感 (個人的にはそう感じる) が特徴で、酸味が少なく、爽やかな甘みと水分が拡がるさくらんぼである。

こんなにおいしい & 美しいさくらんぼがあるのかと感動し、以来紅秀峰のファンになってしまった。
最近は紅秀峰もシェアを拡大しつつあるように思う。
育てるのがすごく大変みたいだけれど。

地元のせいかどうかは不明だが、よってけポポラには佐藤錦も紅秀峰も、1 : 1 くらいで店頭に並んでいた (収穫の時期が少しずれるようだ)。


色々ほかの品種も食べてみたくて、悩んだ挙句パートナーと 6,500 円分くらい購入した。
ほかの購入者に比べたら断然少ない金額だけれど、私たちとしては結構出した方だと思う。

よってけポポラ以外の道の駅でも買い足したので、総額 8,000 円くらいになった。


驚いたのは、あれだけ建物の周囲を取り囲むように人が沢山並んでおり、(しかも開店と同時に行ったわけではないのでほかにも多数来店数はあったと思う) みんな 5 ~ 10 箱は購入しているように見えたのに、売り物のさくらんぼが枯渇しないことである。

「もう買えないかもな~」 と、悲しい気持ちで入店したのにまだまだあった。凄い。さくらんぼ東根。さすが地名? 駅名? に 「さくらんぼ」 と付けるだけのことはある。
まったく名前に恥じない場所だ。


さて、当然さくらんぼ (特にやっぱり紅秀峰) はおいしかったのだけれど、ひっそりと売っていた 「山形のいちご (品種名は失念)」 も併せて購入していた。

もう時期的には最後なのだろう。完熟を少し行き過ぎた感じで、若干表面がとろけているようにも見えた。
しかし絶対に甘いだろうという確信があった & 250 円しかしなかったので購入した。

みんなさくらんぼしか見ていないのか、山形ではそんないちごは常に食べられるからわざわざ買わないのかは謎だが、とにかく掘り出し物的に余っていたので買ってみたのだ。


ホテルの冷蔵庫で冷やしてから食べてみたが、すっっっごく甘かった!
そうそう、これだよ!!

練乳などいらない (もしかしたら邪魔になるかも) くらい甘い!!
こういうイチゴが食べたかったのだ。

一部のトマトもそうらしいがイチゴも 「青い状態」 でもぎ取って出荷しているのではないだろうか?

確かに、イチゴは足がはやいので完熟してから出荷していたらグズグズになってしまうのだろう。
これは誰も悪くないのではないか。

だからもう、イチゴはそのまま食べるなら近所のスーパーでは買わず、名産地で購入した方がいいのかもしれない。
という結論に至った。



と、話がかなり長くなってしまったのだが、最近は 「ブランド名」 を掲げていても、そのブランドと実際のおいしさが相関しているのか? ということを感じることが多くなった。

日本は果物が高すぎる。
イギリスでは日本で売っているイチゴの 2 倍の量のものが、どこのスーパーでも 300 ~ 400 円くらいで買えた。
あまり甘くないものもあったが、安いので諦めもつく。

スペイン産の皮ごと食べられる甘いブドウもたくさん入って 300 円くらいだし、シャインマスカットよりも皮が薄くて食べやすい。


しかし日本では目ん玉飛び出そうになるくらい高い果物がある。

日本で 「安価でおいしい果物」 を食べようと思ったら、みかんかリンゴかバナナかパイナップルだろう。
ほかは全部高い……。

すいかも 1 玉で買えば安いけれど。
(一時期ハマって一夏に 6 玉くらい食べた時があった)


ちょっと話逸れるが果物って 「腐りかけ」 くらいがいちばん甘くないだろうか?

スーパーのカット フルーツ コーナーでは、メロンとかパイナップルが 「見切り品」 として売られていることがよくあるが、あの 「糖分か何かが染み出して組織の色が変わってしまっている状態」 がいちばん甘くないだろうか。

それなのに安くなるなんて (売り手的には) 理不尽な感じもするが、「いよいよ」 というところのパイナップルは甘さも格別なので見付けると 「わーい (^^)」 と思って買ってしまう。優秀なフルーツだ。


ちなみに最近人気 & 日本でも高級品であるシャインマスカット、前に香港のスーパー (日本のものも結構売っていた) で見た時は 6,000 円で売られていた。

香港のお金持ちが買うのだろう。




話が無駄に長くなってしまったが、私は山形が大好きである。
全都道府県での 1 位は北海道だが、本州では山形が 1 位である。

何もかもおいしい (米沢牛や村上牛、平田牧場にやまがた地鶏。当然日本海沿いなので魚もおいしい。村上は鮭が有名。米が美味しいので当然日本酒もおいしいのだろう。山形そばもおいしい)。フルーツ天国。見どころたくさん (即身仏もある!)。そして人がよい! (ほかの県が良くないと言っているわけではない)

なんかめちゃめちゃいい人が多い!


その昔、台風の中どうしても食べたくてあるレストランに行ったのだけれど、「もう閉めようと思ってました」 ってところにギリ入れてくれて、(私たちはホテルから徒歩でレストランに向かったので) 帰りは 「送りますよ」 って車まで出してくださった。

しかもおすすめのカフェを教えてくださったのでそこに行ったらとてもステキなお店 & おいしくて凄く良かった!!
そのレストラン自体も凄く趣味のいい調度品や食器が使われていたので、なるほど、やっぱり 「ステキなお店をよく知っているのだな」 と納得した。

お礼を言うと 「いや、今から温泉行こうと思っていたのでついでですよ」 とサラッとおっしゃって去って行った。

おいしさもさることながら、お店の方の対応のすばらしさに大変気に入ってしまって、そのエリアに行く時 & 時間が合う時は必ず寄るようにしている。


全体的に、こんな感じで凄く 「親切な方」 が多いイメージ。
(ほかにもエピソードあるけれど今回は割愛)


なんだか最初の話から 「山形大好き」 話にだいぶ逸れてしまったが、山形大好きなのだからしょうがない。

鶴岡は関東からはちょっと遠いのだけれど、クラゲで人気の加茂水族館に行くならぜひ 「青森屋」 にも寄ってみて欲しい!


ジュースもタルトも美味しいし、送っていただいたスイカもメロンもとてもおいしかった!

また山形行くときはよってけポポラに寄って桃を買いたい。

桃はさくらんぼほど高くないのにめちゃくちゃ甘くておいしくて優秀な果物だと思う。


ただ、8 月の山形はめちゃくちゃ暑かった。

暑いことで有名な熊谷は誰もが知っているだろうが、なんと 2007 年までは 74 年間も山形市がその座に鎮座していたらしい。


↓ 上記記事から抜粋


あまりにも暑かったため、現地でネットで調べたら上記の情報が出てきた。
知ってたら 8 月には行かなかったのに……。

冷やしラーメンを食べればよかったのに普通にアツアツの山形ラーメンを食べに行ってしまった。

おいしかったからよかったが、もし 8 月に桃を買いに行くことになったら次は冷やしラーメンを食べてみたい。



お読みくださりありがとうございました (^^)



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