昨年、サラリーマン生活50年を終えてリタイアしました。いまは妻が働いているため、専業主婦(夫?)です。毎日、献立、買い物、料理をしています。朝から晩まで、ときには…
カチカチカチ 時計の音は聞こえるのに 針はまったく止まっている 動かない秒針の彼岸に 音の聞こえる此岸から 疑惑と憧憬の眼を向ける 秒針の指す天上には 無数の色の点…
「カラマーゾフの兄弟」については、2年ほど前にnote記事として感想文を4回に分けて投稿しました。 「地下室の手記」は、その前に残念ながら中途で読むことに挫折していま…
わたしの生まれる前の 遠く遥かな 源へ 辿る道を 清らかな湧水の 源へ 還る道を 見極めるように ひとつひとつの仮面を 脱ぎ捨てて 人々の仮装行列を外れ 天空へ…
漱石「坑夫」を読んで、次は漱石を離れてと思い、小説ではないのですが高名なある作品を読み始めました。 実は、もう何回か挑戦しているのですが、やはり途中で気が乗らな…
漱石「坑夫」を読了しました。 本書は、漱石を訪ねてきた人から実際の体験談を聞いて、それをまとめたとのことです。 たしかに他の作品とは趣をだいぶ異にしているようで…
切り倒される 桜の老木 危険だからか そのまま朽ちて 土に還りたかったろうに チエンソー鋸の音 断続して響く 公園の空 歩きながら音が遠のく そのはざまに もし…
漱石「野分」に続いて「虞美人草」を読了しました。 少し時間がかかりましたが、「虞美人草」は「野分」とは異なり、わたしには大変に面白く読むことができました。 それは…
雪が降りしきる わたしの目の前に 未来も過去も遮断するように 雪が降りしきる 風は一つもない わたしの目の前は ただ真っ白な壁が 立ち塞がっている 足を踏み出せる 筈…
きょうという冬の日が 水平線に没しようとしている 光は夕暮れの海に溶けて きょうだけの静謐が わたしの胸に充たされた
「明暗」読んだあとに、ほかの小説家、遠藤周作、森鷗外と読みました。 ここで漱石にもどり、まだ読んでいない作品を読むことにしました。 中編、長編小説としては、「二百…
久しぶりに鷗外を読んでみようと思いました。 どの作品にしようか、迷ったのですが代表作ともいえる「高瀬舟」を読みました。 もうすでに幾回も読んでいるのですが、変わら…
海を見続けている人 いつからだろうか 年老いた人 もう100歳を超えただろうか 終戦の直前から見続けている その日 兄は戦闘機に乗って出撃した 南へ向かって飛行す…
ナカムラ テツ
2021年3月11日 14:50
昨年、サラリーマン生活50年を終えてリタイアしました。いまは妻が働いているため、専業主婦(夫?)です。毎日、献立、買い物、料理をしています。朝から晩まで、ときには土日の休みもなく働き詰めだったころが遠い過去になりつつあります。50年間で勤めていた会社は2社で同じ業界でした。その間に離婚、再婚も経験しました。人生、いろいろとあります。いまは、音楽と言っても女性ヴォーカル、中島みゆき、五輪真弓
2024年5月1日 13:26
カチカチカチ時計の音は聞こえるのに針はまったく止まっている動かない秒針の彼岸に音の聞こえる此岸から疑惑と憧憬の眼を向ける秒針の指す天上には無数の色の点が散らばる過ぎ去った日の点来たるべき日の点混濁して判別しかねる点描画のように刻まない時を求めてそれでも意識は浮遊し続ける
2024年4月25日 10:50
「カラマーゾフの兄弟」については、2年ほど前にnote記事として感想文を4回に分けて投稿しました。「地下室の手記」は、その前に残念ながら中途で読むことに挫折していました。本来であれば、本書を読んでから「カラマーゾフの兄弟」を読むべきだったかもしれません。逆になってしまいましたが、本書を読んで「カラマーゾフの兄弟」の登場人物の激しい性格の根拠を見出したようにも思います。本書は、目次として「
2024年4月18日 13:20
ドストエフスキー「地下室の手記」を読了しました。以前に中途で挫折したのですが、本書の重要性を再認識して今回はなんとか読み終えました。中編小説にもかかわらず、相当の時間を要しました。かなり難解の印象を受けました。感想文をまとめるつもりですが、まだ時間がかかりそうです。
2024年4月10日 08:17
わたしの生まれる前の遠く遥かな 源へ辿る道を清らかな湧水の 源へ還る道を見極めるようにひとつひとつの仮面を脱ぎ捨てて人々の仮装行列を外れ天空へ上ってゆくけっして記憶にはない途を探し求めて
2024年4月4日 11:15
漱石「坑夫」を読んで、次は漱石を離れてと思い、小説ではないのですが高名なある作品を読み始めました。実は、もう何回か挑戦しているのですが、やはり途中で気が乗らなくなりました。けっして難しい作品ではないのですが、わたしにはなかなか入って行けません。仕方なく、もう一度目をとおそうと思っていた漱石「私の個人主義」を再読することとしました。漱石の主要な作品を読み終わりましたので、なにか新しい発見が
2024年3月28日 10:35
漱石「坑夫」を読了しました。本書は、漱石を訪ねてきた人から実際の体験談を聞いて、それをまとめたとのことです。たしかに他の作品とは趣をだいぶ異にしているようです。内容は、以下のとおりです。家にいられなくなったか、いたくなくなった青年が出奔し、途中で坑夫の斡旋人に会って銅山へ連れていかれます。そこでの坑夫の劣悪、かつ、危険な労働環境を実体験します。初めて坑道に連れて行かれた際に、道を
2024年3月22日 14:56
切り倒される桜の老木危険だからかそのまま朽ちて土に還りたかったろうにチエンソー鋸の音断続して響く公園の空歩きながら音が遠のくそのはざまにもしかすると・・・・立ち止まって耳を澄ますまだ鳴き慣れない囀りホーホケキョ高らかにではなく切なく悼むように幼い鶯の初音わたしの胸に沁みる老木への労りの声
2024年3月13日 13:46
漱石「野分」に続いて「虞美人草」を読了しました。少し時間がかかりましたが、「虞美人草」は「野分」とは異なり、わたしには大変に面白く読むことができました。それはストーリーの面白さではなく、登場人物の描き方の巧みさに惹き込まれたからです。「明暗」における性格描写に対する漱石の技量が、すでにこの作品に感じられます。それは小説を読むときのわたしの好みかもしれません。登場人物がリアルに描けてないと
2024年3月7日 14:23
漱石の「虞美人草」を読んでいますが、まだ読了していません。寝る前と家事の隙間時間に読んでいるのですが遅々として進みません。しっかりと読書の時間をとって読まないといけないようです。もともと読む速度が遅いのかもしれません。週に数冊読んでいる人もいるそうで信じられない思いです。
2024年2月29日 14:11
雪が降りしきるわたしの目の前に未来も過去も遮断するように雪が降りしきる風は一つもないわたしの目の前はただ真っ白な壁が立ち塞がっている足を踏み出せる筈なのに 一歩も出ないもちろん前は見えない恐る恐る後ろを振り返る雪は降っていない天には日も月も星も地には山も川も海もしかし誰一人いない廃墟の街逝った、けれど消えない人へわたしの一歩を預けよう雪の帳は自から開き
2024年2月22日 13:42
漱石の「二百十日」に引き続いて「野分」を読了しました。主人公については興味深く読んだのですが、残念ながら一部流し読みになってしまいました。感想文をまとめるまでに至りませんでした。現在は、次の作品である「虞美人草」を読み始めています。
2024年2月14日 13:29
きょうという冬の日が水平線に没しようとしている光は夕暮れの海に溶けてきょうだけの静謐がわたしの胸に充たされた
2024年2月8日 10:46
「明暗」読んだあとに、ほかの小説家、遠藤周作、森鷗外と読みました。ここで漱石にもどり、まだ読んでいない作品を読むことにしました。中編、長編小説としては、「二百十日」、「野分」、「虞美人草」、「坑夫」です。「二百十日」は、圭さんと碌さんの二人の会話を主とした小説です。ふたりの軽妙なやり取りが、なんとも面白く、またふたりの性格描写も巧みでそれぞれの個性あふれる人柄を描いています。内容は、
2024年1月31日 12:42
久しぶりに鷗外を読んでみようと思いました。どの作品にしようか、迷ったのですが代表作ともいえる「高瀬舟」を読みました。もうすでに幾回も読んでいるのですが、変わらずに快い読後感です。ご存じの方も多いとは思いますが、簡単にあらすじを紹介します。江戸は寛政年間の頃です。遠島を申し付けられた罪人は、京都から大阪まで高瀬川を下って送られます。この舟に同行する同心にとっては、あまり気分の良くない
2024年1月24日 14:00
海を見続けている人いつからだろうか年老いた人もう100歳を超えただろうか終戦の直前から見続けているその日兄は戦闘機に乗って出撃した南へ向かって飛行する筈だったのに途中から東へ向かいまったく別の方向へと水平線の彼方へ機影は消えていったそれから海を見続けていた眼をそらすことなく兄の意志、兄の思いは迷いなく操縦桿を握ったなぜ、なぜ、兄は