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役割をみつける。

こんにちは。

フリーのバリスタ / コーチ / 調理師をしています。

2022年3月現在、月に2回ほど街のお店を間借りする形で、スペシャルティコーヒーを提供する《ゲリラコーヒー》という活動をしています。

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ゲリラコーヒーについて


2015年から2018年頃まで、主にエスプレッソをつかったメニューを提供するコーヒー店で勤務していましたが、2019年ごろから2020年の春にかけ、COVID-19の影響もあって、フリーランスという形に移行をしました☺︎

当初は朝食とコーヒーのポップアップイベントをメインにしていて、コーヒー「だけ」を提供する場を設けていませんでした。

理由はいくつかありましたが、自分がやらなくても世にたくさん(特に私が住んでいる東京では)コーヒーを飲める場がある、というのが一番おおきかったです。

日本も世界も、ほんとうにたくさんの魅力的なお店があって、日々多くの人を楽しませています。

コーヒーショップや喫茶店、席数の確保されたカフェ、テイクアウトがメインのコーヒースタンド、

また、アパレルやインテリアといった異業種・業界とのコラボ出店や、

ブルーボトルコーヒーや猿田彦珈琲にみるあたらしい形の「チェーン店」(これは個人的な見解ですね)に加え、

KOFFEE MAMEYA KAKERU(清澄白河)や 小川珈琲ラボラトリー(桜新町、下北沢)での明らかに一線を画す体験。

あらゆるものとの間をつなぎ、どんなコンテンツとの掛け合わせにも可能性を感じられるコーヒーって本当に最高だなっておもいます。

一方で、個性的なたくさんのお店に実際に足を運べば運ぶほど、
一般の人が利用する難しさのようなものも感じるようになりました。

ここで言う一般の人とは、コーヒーに特に詳しくないけれど、コーヒーが好きな方々のことです。

こんなにおもしろいお店がたくさんあるのに、コアなファンしか利用しないとしたら、棲み分けといえばそれまでだけど、なんかもったいないよなって感じるようになったんです。

「スペシャルティコーヒーが何か」をすでに理解しているようなお客さんは、きっとそういった多様な選択肢の恩恵を受けることが難しくないですが、

「スペシャルティコーヒーってなに?」

という方にとっても、多彩なお店のおもしろさを受け取ってもらうにはどうしたらいいか?と考えて、自分なりに役割を見つけて試みているのが、間借り店《ゲリラコーヒー》です。

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多様な体験だからこそ、みんなに。


今日は、そんなゲリラコーヒーの目指すところについてお伝えします。
まず、いちばん大きくて強い「あってほしい姿」は

「前述したような多様なコーヒーの体験を、たくさんの人にしてほしい」

です☺︎

これはコーヒーを扱う人たちにとっても嬉しいことだし、
もっと自分に合ったコーヒーの楽しみ方や、生活への取り入れ方を求めるお客さんにとっても良いことだからです。

そのため、ゲリラコーヒーではスペシャルティコーヒーに絞って、いろんなロースターさんの豆を使ってドリップコーヒーを提供しています。

ロースターとは、コーヒー豆を焙煎する=白い生豆という状態から、茶色いコーヒーにする「焼き」の作業を担う人たちの=ことで、

自社あるいは、自家焙煎をされているお店から豆を購入することにしていて、基本的に自分でお店に出向きます。

というのも、

「街のお店にも足を運んでほしい」ことを来てくださるお客さんに伝えるとき、自分の体験があったほうが、お店の雰囲気ごと伝えられていいかなと考えているからです。

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2021年の2月に始めたゲリラコーヒー、1年目は手探りで、とにかくいろんなコーヒーを感じてほしいと考えて、コーヒーをつかった創作ドリンクなども多く提供してきました。

浅煎りのコーヒーの酸味を嫌がられることも多いけど、違う魅力もあることを知ってほしくて、あえてコーヒーらしくない使いかたをしてみたり、

( 浅煎りコーヒーとオレンジシロップのソーダ割 : カフェ・ド・ランジェ)

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とにかくいろんなロースターさんを調べて、行ってみて、飲んでみました。

2年目となった今年は、創作ドリンクの展開をお休みして、
さらに、1回で1店舗の豆をつかい、お店にも焦点をあてて紹介する形に。

(以前は1度の開店で2店舗の豆を紹介していました)

メニューも心機一転、あたらしいデザインを採用しました。

詳しくない人にも親しんでもらえるようにハッシュタグを使って自分なりの印象を表現しています。

そのお店のフレーバーノートがある場合も、それを踏まえてあくまで自分がどう感じたかを伝えるように心がけています。

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創作ドリンクはおもしろいし、おいしいし、発想もすごく楽しいので、できれば続けたかったのですが、

1年やってみて、より求められていることが見えてきた、というのが変化の理由です。

結論を先に言うと、それは伝えることなのですが、次の項でもう少し詳しくお伝えしますね☺︎

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ONLY IS NOT ALONE


ゲリラコーヒー自体は、原則ひとりで営業しています。
ひとりで行って、ひとりで展開して、ひとりで片付けて帰る、という流れです。

現場でお借りしている道具もありますが、基本的にはバッグひとつで完了する荷物とスタイル。(バッグは28Lとやや大きめ)

ですが、見た目より「独り」という感覚はないんですね。

少し詳しく書きます。

誰かと何かをするときに自分の役割を見出す方法は人によって違いますが、私自身は、

「求められているのは、自らが得意なことであり、現場のメンバーにとっては難しいとされていることだろう」

と考えてきました。

以前、自分のイベントを組むときにどう考えているか?についてわりと具体的に書いた記事があるのですが、その中に1枚の表があります。

これですね↓
これを埋めていきながら、引き受ける部分を割り出していきます。

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「相手」は一緒に何かをする「相手」で、

ゲリラコーヒーの場合は、他のバリスタやコーヒーを扱う人たち、と設定をしています。

(先に述べた ”現場のメンバー” はこれにあたります)

「参加者」はお客さんです。
これからスペシャルティコーヒーを知る人たち、これからバリスタになっていく人たちも含みます。

「自分」が関わることになる、また影響し合うことになる人たちとの関係性で考えるという軸も1本もっている、という感じです。

誰が誰の何にどう影響を与えるか、あるいは、与えたいのか、を考えて、この表を埋めていく段階で、いろんなことが飛び出してきます。

補足:

何か、自分の役割を見つけたいことがある方は是非、上の表をつかってお試しください☺︎

書くときのポイントは自分で自分を否定しないことです。

これは、ありのままでいいんですよ的な優しい話ではなくて、ダメ出しはいずれ外部からされるので、この時点でわざわざ自分からやらなくても大丈夫です、という厳しめのお話です。笑

話を戻します☺︎

上述の記事にも書いていますが、

「提供」は提供する価値、

「報酬」は広範囲で設定、お金やモノ、プラス、それを受け取る人が喜ぶもの。

発見や気づきや学び、感情としてのうれしさ、よろこびといった可視化、定量化できない(が、確実にある)ものも入ってきます(invisible / unquantified)

「将来」は、提供された価値や得た報酬によって起こる「変化」です。
提供と報酬の関係だけでなく、起きる変化にスポットをあて続けるのは、
コーチングの考えかたが自分のベースにあるためです。
バックキャスティング思考

本筋に戻ります。笑 

自らが得意なことであり、
現場のメンバーにとっては難しいとされていること

それを担う意思をもちながら試すことで、少しずつそれが見えてくることがあります。

私の場合、自分がいちばん効果高く活動できるところは、

それを知らない人たちにも、それについて「お知らせする」ことかな、という結論になったんですね。

スペシャルティコーヒーがなぜ、どんなふうに良いのか。
ほかのコーヒーと何が違うのか。

そういったことは検索で情報を得ることができます。
情報が必要になったタイミングで、いつでも。

では、自分がやるべきことは何か?

私は「体験を後押しできるアプローチ」だと考えています。

体験を「つくる」ことではなく、

「いろんな体験をできる場が既にあること」
「コーヒーの楽しみ方ってどんなものがあるのか、どのくらい自由なのか」

「お知らせする」

業界全体でみたとき、一貫した品質管理のもと生産されたコーヒーがあり、

専門性を追求し、常に挑戦をつづける精選の現場、ロースターやバリスタというリソースがあり、すばらしい体験が創り出されている。

一方で、それを受け取っていないお客さんもまだたくさんいる。

その間に立って、「こういうのもありますけど…」と言っていく役割。

たとえばカフェやコーヒーショップなど、お店の場合、興味をもってお店に来てくれた人には、スタッフが直接、コーヒーの面白さやそのお店の哲学を伝えることができますよね。
これがいちばん伝わりやすい形で、理想でもある。

では、興味を持つまえのお客さんに向けては、SNSしかアプローチがないのでしょうか?


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伝わるために必要なこと

ここでもう一度お伝えします☺︎

「ゲリラコーヒーでは、街のお店に足を運んでもらうことを目指しています」

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そのためのアプローチとして、

間借りコーヒー、
コーヒーショップ「分解」ツアー、
コーヒー×コーチングのワークショップなどの活動をしています☺︎

コーヒーがメインのコンテンツではないけれど、調理師×バリスタの技能で展開している《日曜の朝食会》もそれにあたります。

切り口が複数あり、限定的ではあってもコンスタントにオープンしている場があって、そこで必要な知識を仕入れることができたら、

本当はこういうお店にも行ってみたいんだけど、というお客さんの心理的なハードルを下げることができるし、ときには、


興味を持ってもらうことでハードル全越えみたいなことも起こります。


これだけ店舗数があり、体験の選択肢があるなかで、実際に足を運んでもらう、「その人にとって」行ってみたいかも、と感じてもらうには、

いろいろなお店があり、それぞれにその店ならではの良さがあることを伝えなければなりません。

全部のお店に行ってほしいとか、とにかくお店に行ってほしいのでなく、

「合うと感じたところ、興味があるところに行ってみてもらいたい」からです。


精度の高いマッチングができれば、双方幸せな結果になりやすい。
これはまさに私がコーヒーショップ時代のお客さんから与えられた感覚で、自分が心から信じていることです。

選ぶのはあくまでもお客さんですが、伝えるときに軸になるのが、「私自身はどうおもうのか」という意見です。


自分の意見があるから、すでにある価値を自分のことばで表現できて、
「この人”自身”が言っている」と感じてもらえるからこそ、「伝わる」んですよね。

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それぞれが、自分のスタイルを。


コーヒーを介した、たくさんのおもしろ体験を、たくさんの人に知ってほしい。

最大のモチベーションがそれなので、実際に行ってみた、試してみた、という報告をいただけるときは本当に嬉しいです。

間借りでコーヒーを売りたい、というより(売れれば嬉しいけど)

それぞれが必要なもの、よりその人らしく楽しめるコーヒーのスタイルを見つけたり、創っていったりしてほしい。

それには、何かを発見したり、驚いたりする体験が必要なので、そういうふうに我々「コーヒー屋たち」を使ってほしいとおもっています。

私自身は、オーストラリアのカフェで「調理師」として勤務したことがきっかけで、帰国後にバリスタになりましたが、

バリスタ1本にしない、料理もやめない、という形でどちらも続けることができたからこそ、今のような活動の形を得ることができました。

コーヒーに絞って活動していたら、もっともっと専門性は伸びたでしょう。
投下できるリソースが増えますから。

でも、それができなかったからこそ、

「コーヒーに明るくないけれど、興味がある」
「よく飲むけどおいしいものってそんなに知らない」

という人たちに出会うことができて、結果的にコーヒーをやめずに済んだのかなと感じています。

専業か兼業かにかかわらず、続けるかどうか、

続けられるかどうかの判断には、「そこに役割を見つけられるかどうか」も関わってきます。

仕事や職業で線をひかない、もっといろんな働く形があったら素敵だし、叶うならそれを望む人はもっといるはず、とずっとおもってきました。

もっとフラットに許容されてほしいと願っていた気持ちが、自ら担える役割を見つけることにつながったんですよね。

自分に合った形でアプローチを続けることができるのは、

「お知らせしたい」価値あるコンテンツを創りつづける業界のひとたちがいるからで、そういったお店を支える生産の現場、お店に通うコアなお客さんも大事。

だったらみんなが良くなる方法を探して、できることをしたい。

関われる入口を小さくても持ちつづけることで、少しずつ波及する助けになれたら嬉しいです。

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新聞をつくりました。

最後に、先日創ったスペシャルティコーヒーをわかりやすく伝えるための新聞-ゲリラヘッドライン-を置いておきます☺︎

ゲリラコーヒーでのテイクアウト待ちや、コーヒーを飲んでいただく間に手に取ってもらえたらとおもい作成しました。

1枚めで自分の解釈を、2枚めで根拠を伝え、3枚めで提案は何かを伝えています。

元ネタとなった記事は、noteのマガジン、《バリスタノート》からお読みいただけます。

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(図解はmiro / 構成はCanva / アイディア整理はNotionを使っています)

※複製、転載はご容赦ください※
(学ぶ、考える過程は楽しんでやっていますが、ここまで言語化したり、意見を明確にするまでに、いろいろ費やしているので…)


正解(調べればわかる情報) < 意見(自分の考えと根拠)

そんな観点で創られた新聞が、来てくれた人にお渡しできる付加価値になっていれば幸いです☺︎

今日はゲリラコーヒーが目指すところについて書きました。
読んでいただきありがとうございます。

1年やってみて、改めて感じたこと、整理された課題。
来てくださるお客さんや、応援してくれるみなさんに感謝を込めて。

いつもありがとうございます☺︎

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フリーのバリスタ / コーチ / 調理師をしています。
お問い合わせは各SNSでも受け付けています。

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