【挿絵小説】タックスキングダム 第五章
1 文化祭
文化祭が迫っている。校内が徐々に彩られていく中、俺達のバンド・タークスもその準備に追われている。厄介なのは、そこに蘭達のエルタが加わっている点だ。
「何でうちがアンタらのバンドに参加せなあかんねん」
文句を垂れる蘭に俺は「それはこっちのセリフだ」と言い返す。実はこれには、特殊事情が絡んでいる。
「蘭、うちの校長がお前のファンなんだよ。夏の音楽フェスでやったコラボが忘れられないらしい」
「あのなぁ。あれはスポンサーに言われて嫌々引き受けただけや。本心では……」