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孤独とは?stand.fmコラボ配信を振り返る②


皆様、如何お過ごしでしょうか?

2022年も1月が過ぎ去り、2月も4日目、立春を迎えましたが、皆様はどの様な書籍をお手に取っておりますでしょうか?

私は1月も自分の掘りたいお題に対しては自我を抑えつつ、書籍の中に埋没し、書籍と共にお題を掘り続けておりました。

気づけば2月・・・早いものでございます。
自我、真我と言えば、こんなエピソードがございます。

日本を代表する数学者、岡潔春風夏雨の中で書いてございましたが、執筆活動と合一した為に、奥さんからの「バナナ食べる?」という問いかけに対して、はじめは何を言って言っているのか分からず、「お前はある果物を口に入れるか?」という問い掛けくらいにしか聞き取れなかっというのです。

つまりバナナを食べる自分との繋がりが一旦、執筆活動と合一を果たした為に分からなくなり、やっとそれが自分に対して聞かれたことであると分かり、「食べない」と答えたんだそうです。

ところが、自分の発話行動に対して今度は自分は食べたいという事が分かり「食べる」と言い直したというエピソードがございました。

これは精神合一を果たしている為に、外界の景色などは目に映らない、自我を抑えて無差別智を働かせている時に、真我が現れるということでございます。チクセント・ミハイのフローやサマーディの音写である三昧を想起させられますが、私は2月も自我を抑えて誰かの何かに貢献出来る様に活動して参りたいと思います💡

■岡潔/Wikipedia参照

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■ミハイ・チクセントミハイ/Wikipedia参照

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                                                   * * *



さて・・・前置きはこのくらいにして、孤独とは?についての
第二回目の記事を書いて参りたいと思います。


前回noteの投稿はこちら👇

記事の内容は音声配信でコラボ収録をした内容を元に文字起こし+αをして書いてございます💡

第776回 【コラボ配信】物語るラジオ直治さん/孤独について

standfmでのコラボ配信のお相手👇
物語るラジオの直治さん


────孤独とは?なぜ、人は孤独を感じるのか?

前回はソーシャル・コネクションが薄まると自分は社会から必要とされていないとか、自分の現存在に揺さぶりを掛けてしまう恐れもあり、貢献感や幸福感が枯渇してしまい、虚無感脱力感ニヒリズムに陥る可能性もあるという事で終えております。

以前読んだ書籍には、洋服を変えて気分転換したり、マインドフルな状況を作り出しただけでは十分ではないとも書いてございました。
孤独が心の破壊的なダメージであるという警鐘を鳴らしておりました。


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皆様は孤独を感じる事はございますでしょうか?

また、それはどんな時に感じるものなのでしょか?

そもそも孤独だと感じている時の自分はどんな状況や文脈に置かれているのでしょうか?

唯識の思想では自分すら存在しないとも考えられておりますが、自分だと勝手に知覚して区切って名付けている世界に於いて、なぜ、孤独だと感じるのでしょうか?

冒頭でご紹介した数学者の岡潔パブロ・ピカソの絵を見て「美は無明を粧っている」と書いてございました。孤独は生きることの現れであり、生きることへの渇望のサインなのかも知れません。
また生への絶対的な肯定を自分の中で行うことと、現状の状況とコンテクスト(意味)との差異や軋轢が孤独という感覚を生じさせて感じさせているという脳の推論の影響なのでしょうか・・

■パブロ・ピカソ/Wikipedia参照

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──── 孤独感に与える3つの要因とは?

①社会的な断絶に対する強弱
②情動を自己調節する能力の低下
③他者についての心的表象や予期、推論の仕方

諸説あるようですが、上記の3点の要因が少なからず、孤独感に影響を与えている様でございます。

私の個人的な印象では・・・

③の他者に対しての心的な表象や予期、推論の仕方が仮に歪んだ仕方で現れたとすると、とても危うい様に感じます。

例えば、他者を敵と見なすとか、自分の不遇を環境のせいにしてしまうなど、世界を歪んだ様に認識してしま恐れもあると思います。
或いは、本人も周囲とも相互連携がうまく出来ずに孤独感が深まるばかりで危険な思想や事件に結び、無明に支配されてしまう様に感じます。

ユダヤ人哲学者のマルティン・ブーバー我と汝という書物を書いておりますが、他者を<我-汝>で捉えるのか<我-それ>で捉えるのかでは?
世界との関わり方が大きく違う様に感じます。

<我-それ>で捉えると他者はテーブルや椅子の様に「物」でしか無くなります。他者のナラティブに橋を架ける事で、他者をかけがえの無い存在として感じられるか?が日々をよりよく生きる為の重要なポイントだと感じます。
深い孤独を抱えるとこの点が欠けてしまう恐れもあるのだと思います。

■マルティン・ブーバー/Wikipedia参照

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また①のソーシャル・コネクションの断絶分断は一体、誰が引き起こしているのか?とよく考えてみると、それは自分が勝手に知覚をして認識しているに過ぎないという考え方もできます。

大切なのは自分の在り方知覚の仕方についての思索が必要だと思います。また、周囲の方の声がけや社会的な手助けが出来る様に生活する人々の心の潤いや余裕というものに付いて考える事も個人的には大切だと感じます。


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そして、②の情動を自己調節する能力の低下も前回、投稿した通り、
例えば・・・他者からの全否定や拒絶をされたとき、脳内で情動領域が活性化しており、拒絶によって身体的な痛みに対する、脳からの情動反応のシグナルを受け取っている訳です。

社会的な何らかの拒絶が続けば、身体に甚大な影響が出ることは容易に想像がつきますが、職場などで、言葉の暴力、パワハラ、セクハラ、無関心や拒絶を感じるのであれば、闘争ではなく、逃走し、自分を理解してくれる人の元へ走って逃げる事も時には大切だと感じます。



──── 闘争ではなく、逃走とは?

絵本作家のヨシタケシンスケさんが「にげてさがして」という素敵な絵本を書いております。

帯には・・・「にげるために、さがすために、きみのあしは、ついている」とございますが、孤独感が深まりフィジカルにその影響を感じる時には
今いる動き回れると思っている世界から、どこにでも行けるという思考に
パースペクティブを変えて行くことで現状にパラノイア的に執着することを
手放してしまう事も大切だと感じます。


第513回 にげてさがして/ヨシタケシンスケ著


逃げれる人は勇気があるから逃げれるのであり、勇気がない人は逃走できないということです。
この絵本は「ひどい事」が起きた時にはさっさと逃走すること、そして大切な自分を理解するために逃げることを優しく教えてくれる絵本です。




──── 浅田彰の「逃走論」

以前に、【コンセプト】という配信から「パラノとスキゾとガイア」というタイトルで3回に分けて配信をしております。

パラノとスキゾというのは・・・
ジル・ドゥルーズフェリックス・ガタリの共著でもあります、
「アンチ・オイエディプス」に登場した概念です。

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浅田彰の逃走論がきっかけで世の中に広く知れ渡りその当時の流行語大賞銅賞を取ってバズりましたが、次の様な意味だと理解致しました。

・パラノ=パラノイア→偏執型
・スキゾ=スキゾフレニア→分裂型

浅田彰さんは「パラノ型」「住むヒト」と、一方で「スキゾ型」「逃げる人」と定義したわけです。


こから汲み取る事が出来るのはたくさん張り巡らされたリゾームの中を縦横無尽に逃走するのがスキゾ型としたわけです。重要なのは仮に想定を超える様な事態の変化やアノマリーを捉えるてセンスメイクをこれまでの蓄積をアンラーンや放棄さっさと放棄出來る潔さに様なものを感じますよね。

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現代はパラノ的な思考を回すだけでは生きづらいさを感じる時代になって来たと日々感じます。

パラノイア的な思考を手放すこと、執着の解放をシモーヌ・ヴェイユ
友人のティボンにより編集された「重力と恩寵」で語っておりますが、「執着から抜け出すためには、不幸を味わうだけでは十分ではない」とも書いてございます。

真の意味で手放すことは「現世の仮想の王位を脱ぎ捨てること、絶対の孤独。そのとき人は現世の真理をもつ」としてございました。


■シモーヌ・ヴェイユ/Wikipedia参照

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愛は慰めではない、光である


についてまだ堀り切れておりませんが、が人間の根源的な何かであることは理解できます。愛いすることは孤独を癒す営みだとはエーリッヒ・フロムも語っておりますし、若き日のカール・マルクスも「愛は愛としか交換できない」について語った人はたくさんおります。

孤独表裏一体であり、現れたり隠れたりする互いに相補性の関係にある日々の持続的な連続運動の中でお互いに干渉し合うものの様に思います。



今回は昨年standfmからコラボ配信をした内容+αを文字起こしをしつつ、妄想を書かせて頂きました。

ここまで読んで下さった皆様、有難うございました。





               * * *



──── ここからは毎度の宣伝でございます。

読書術研究家の日々の活動👇

【stand.fm 子育て×読書体験ラジオ】
→ 2020年4月5日~配信をスタートしており本日(2022/2/4時点)で819本の音声コンテンツを配信しております。22ヶ月ほど継続して参りましたが、リアルの場ではお会い出来ない方ともゆるい弱い繋がりが持てて、毎日刺激的な日々を過ごしております💡


【Twitter】
日々読書について語ったり、興味のあるツイートを拡散したりなど活用しております。最近ではお優しいDMやコメントを頂戴する機会も増えて参りましたが、有り難い限りでございます。



【REC】
RECでも音声配信をしております。本日(2022/2/4)までに102個の音声コンテンツを配信しております。まだRECの世界にある「何か」が分かりませんが、気が向いた時に配信をするような感じでございます。


【POTOFU】

POTOFUも活動URLをまとめました。宜しければ、お立ち寄りください。


他にInstagramやGravityも更新しておりますので、是非、お立ち寄りください🌟

リアルの場でもSNSでも一期一会の出会いを大切にして参りたいと思います。引き続き、お付き合い宜しくお願い致します。

■ブリア=サヴァラン/Wikipedia参照

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どんな「書籍」を読んでいるか言ってみたまえ、君がどんな人か言い当ててみせよう。


またのご来店、心よりお待ちしております。有難うございました~🌟

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