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現代詩

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記事一覧

崩れる音

崩れる音がする

民主主義も資本主義も
安寧も秩序も
日本も日本人も
みんなみんな、
崩れていく音がする

崩れた後はいつだって
混沌と争いが充満する
人間が生まれてこの方、
そういうふうにできている

弱者の怒りと生存戦略は止められない
強者のふりして、既得権益に縋る輩も止められない
大きな流れは変えられない

前回の京王線、今回の奈良
溜まった膿があふれるぞ
いよいよくるぞ、混沌が

お前はお

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渦

黄泉の帰りに、蘇り、
気がつけば雲の上、
曇天がまるで大地のような、
渦を、戸愚呂を巻いているか

瞬間差した日光線に、
導かれてか、意図してか、
踏み出す一歩に地はなくて、
気づけば、頭が上か?下か?

大きな渦に巻き込まれて、
真っ逆さまに、流されて、
まさに水洗便所のそれのように、
下水に流されどこへゆくかな

天を見て、脚を見ず
今どこで、これからどこに?
今いつで、いつまでに?
今何で、

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連想回帰 僕とそれときみと

景色を見ると、言葉が浮かび
言葉を書くと、音が鳴る
音を聴くと、心が踊り
心の踊りが、景色を創る

外部の刺激を取り込んで、内部で何かが弾かれ生まれ
それは一人で旅をする

空想と現実が入り混じった、
目も当てられないぐちゃぐちゃに、
月の光が差すような
それは僕の視界に、
まるで旧友のような面持ちで、
郷愁携え、広がって、
僕を優しく包み込み、癒しと希望を与えながらも、
孤独と理想を押し付ける

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明日、何をしようか

1秒後 ワクワクしてる?
2千年後 ビクビクしてる?
期待と不安が入り混じって、
僕のなかで溢れかえる

1秒後 ビクビクしてる?
2千年後 ワクワクしてる?
希望と絶望の狭間で
君は僕に嘘をつく

"明日は晴れるよ"
うそだ、そんなことは信じない
明日も明後日もずっと曇りで
この先もずっと雨に降られる
きっと、寒くて、暗くて、一人で、虚しい

"夢は叶うよ"
うそだ、そんなことは信じない
だって

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宇宙になりたい原子の話

僕は原子。
どこにでもある普通の原子。
僕は、君の体かもしれないし、
今日君が食べるその牛肉かもしれないし、
今日君が排泄するうんこかもしれないし、
その辺に転がってる石ころかもしれない。

ちっちゃい僕のことを
みんな誰も気づかないけど、
意外と僕はそこに、すぐ近くにいるんだよ。
みんなには気づいてもらえないけどね。

僕には大きな夢があってね、
僕は、宇宙になりたいんだー。
宇宙っておおっきい

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思うままに、踊るように

"自分にしかできないこと"
なんて、
この世にあるわけなくて、
大体のことは誰でもできる。

"自分だけができないこと"
はたくさんあるし、
努力したって、できないことはできないね。

できることなんてないし、
できないことがいっぱいある。
世の中なんてそんなもん、そんなもんだよ。

大人はみんなそういうし、
こういうとあなたはきっと
悲しい顔をするんでしょう?
だからぼくは、あなたにいうよ
"あ

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雨が、ふっている

雨が、ふっている
男は立つ 傘をさして
男はつぶやいた
” 今日はいい日だ、雨さえなければ ”
雨は彼の心に阻まれ 寂しく彼の靴を濡らした

雨が、ふっている
男は立つ 傘をささずに
男はつぶやいた
” 今日はいい日だ、雨がふっている ”
雨は彼の心に触れ 心のさびを優しく流した

雨が、ふっている
雨はすべてに等しく、ふる
彼にも、もう一人の彼にも、そしてあなたにも
心に触れたくて、心に寄り添い

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待つ女、居る男、居させる女、待たせる男

そばに居るとき きみはいったね
"いつまで 私を待たせるの"

ぼくが去るとき きみはいったね
"あなたはわたしの そばに居て"

そばに居るのに
きみの心にぼくは居ない
きみの心にぼくは居るのに
ぼくはきみのそばに居ない

すれちがって いれちがって
おいかけて おいかけられて
それでもぼくは

きみの心に きみのそばに
待たせてごめんね
あとちょっとだけ 待っててね

青い正義感

せかいをぼくは よくしたいのに
せかいはぼくを 拒絶する

せかいをぼくは よくしたいのに
せかいはぼくを 否定する

せかいをぼくは よくしたいのに
せかいはぼくを 見てくれない

せかいをぼくは よくしたいのに
せかいはぼくを 諭してくる

よいことを わかってるのは
いつもいつだって ぼくだって
ぼくは知っているっていうのに

ぼくはせかいに 暴言を吐く
ぼくはせかいから 逃避する
ぼくはせ

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理想の現実

目の前に広がる現実に
理想の僕は砕かれる

砕かれ散った理想の僕は
波打つ心に依存し縋り
それでも生きる理由をもらった

波打つ心は時として
理想の現実を僕に突きつけ
僕の元から去ってゆくけど

そのとき僕はもう一度
散った理想のカケラを集めて
か弱く小さい確かな一歩を
現実に向けて踏み出すんだ

愛し愛され

きみはぼくを 愛してくれたね
ぼくはきみを 愛していたよ

きみはぼくを 愛してくれたね
でもぼくほんとは 余裕なんか全くなくて
自分の世界に 引きこもって閉じこもって
きみをたくさん 待たせて傷つけてしまったね

ぼくはきみを 愛していたよ
ほんとはちゃんと 受け取りたかった
そしてほんとに 伝えたかった
きみの愛を 僕の愛を
ちゃんと受け取って
ちゃんと伝えたかった

ごめんね
ちゃんと愛され

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僕の叫びは

僕は 叫んだ
"嵐がくるぞ! 身を隠せ!" と

僕は 叫んだ
"地震がくるぞ! 気をつけろ!" と

僕は 叫んだ
"明日が来るぞ! 目を覚ませ!" と

僕の声は がらんどうの空に響き
そして 誰にも届かず 消えていく

僕の叫びは 虚しく響き
今日も誰かの 明日を呪う
僕の叫びは 夢中に終わり
僕の心は 乾き澱む

誰か聴いてよ
誰か聴いてよ
僕の叫びは 今日も何処かで
変わらず 響く

ぼくは補欠の3年生

ぼくは補欠の3年生
スタメンからは程遠い
戦う資格がぼくにはない
仲間が負けたらぼくも負ける

だからぼくは
だれよりも声を張るよ
だれよりも走るよ
だれよりも早く来て
だれよりも遅く帰るよ

だからぼくは
絶対に準備をするよ
絶対に片づけをするよ
絶対にあきらめずに
絶対に仲間を信じぬくよ

ぼくは補欠の3年生
負けてしまった3年生
ぼくらの代が終わっても
ぼくらの意思は繋いでいくよ
ぼくらの気

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いみなんかないよ

だれかのうえに たつくらいなら

あなたのこやしに なりたいくらいだ

だれかのしたに つくくらいなら

あなたのとなりで わらっていたいよ

ぼくがしあわせで だれかがふしあわせなら

ぼくのしあわせを ぜんぶあげるよ

ぼくのいのちが だれかのいのちをうばうなら

ぼくはいのちを だれかのためにつかいたい

せかいがきみをころすなら ぼくはせかいをぶっこわす

せかいがぼくをころすなら ぼくは

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