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1on1ミーティングの道具箱 - 第10回 プロのメンターが1on1のヒントとコツを紹介するシリーズ 道具:話を深める ②質問力UP

「訊く」「聴く」は、1on1ミーティングでも、日常場面でも
不可欠なコミュニケーションスキル。こんな場面ではこの質問!とうまく使い分けられるように実践的なヒントとコツをご紹介します。第10.5回と2本立て。


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継続的に結果を出していくには、粘り強さが必要です。
この記事を読む「3分ルーティン」を
ご一緒に続けながら現場で実践していきましょう。



「1on1ミーティングの道具箱 」シリーズ 第10回



現在地




はじめに


私たちは人生経験から
身についたよくない習慣に戻ってしまうこともしばしば。
それは自然なことであり、私を含む誰でもあること。

「1on1ミーティングの道具箱」シリーズで大切なことはこの3つです。


・失敗してもまた挑戦
・自分のペースで継続
・小さな進歩も楽しみ



第2章 ラポールを形成する



傾聴とは誠心誠意、集中して相手の語りや表現を聴くこと

 聴き手が話し手との関係の中で


3つの態度/姿勢
自分らしく落ち着きと余裕を持てる
話を聞いて相手を否定したり、すぐにアドバイスせずに受け止める
話し手のものの捉え方・考え方・感じ方にそって理解しようとする



1on1ミーティングで話を深める質問力UP



1on1ミーティングでの聴き手/上司の役割行動(例)



「1on1ミーティングでの聴き手/上司の役割行動(例)」の図をご覧の通り
対話において適度に質問を交えることで、思考を広げ、深めていき
りんご=成果物=気づきへとつながります。

「質問する」は、1on1ミーティングでの「傾聴の3つの態度・姿勢」を体現する重要なスキル

コミュニケーションの効果があがるよう、質問するときのクセをふり返り、修正し、さまざまな「質問」を上手に使い分けていきましょう。



目的


♠情報収集

♠確認

♠関心(傾聴の姿勢)の伝達

♠会話の促進(会話を弾ませる)

♠発問法(思考や気づきを促す)

♠感情への働きかけ(はっきりとしていない感情の表現を促す)



種類


これからの質問は、おすすめ度 ☆☆☆☆☆ もちろん実践で実証済みです!


有効な場面 ( ❕=ポイント)


♦スケーリング・クエスチョン

程度を把握したいとき 


スケーリング・クエスチョン(スケール:目盛・尺度・はかり)


さまざまな状態を数値で表現してもらいお互いにそのイメージを共有します

例 A:「こうあってほしい状態を10、最悪な状態を0としたら、
   今は、いくつですか?」


❕ オープン・クエスチョンで「どのくらい?」と相手に訊くと自由に表現
 できるため「半分くらい」「まぁまぁ」「そこそこ」と曖昧な回答に
 なりがち



♦肯定質問

前向きに考えることを促したいとき


肯定質問 否定的 ⇒ 肯定的


例 B:否定質問
あなた「何がわからないのですか?」
相手「すみません…  自分でもよくわかりません」


❕ 否定質問とは、質問の中に「ない」「しない」の否定形のことばが
 含まれている。相手からうまく答えを引き出せないことになりがち


例 C:肯定質問
あなた「わかっていることは何ですか?」
相手「○○については担当していたのでよくわかっています」
あなた「○○はわかっているのですね。では、◇◇については?」


❕ 肯定質問とは、肯定的な側面に意識を向けるための質問



考え方を否定的にする「どうして


例 D:否定質問「どうして、うまくいかないのですか?」


❕ 相手は否定的な側面に意識を向け、聴き手(あなた)から追及されて
 いるかのように感じ防衛的になりがち
。正直に話せなくもなります。



考え方を肯定的にする「どうしたら


どうしたら? 肯定的な状態にあるときには💡


 例 E:肯定質問「どうしたら、うまくいくと思いますか?」


❕ 相手の思考は、否定的な状態にあるときは狭くなり、肯定的な状態に
 あるとき
広がります。肯定質問の方がさまざまな可能性に気づいて
 もらうことができます



♦未来質問

未来志向で考えることを促がしたいとき



意識を「これまで」に向ける過去質問


例 F:「これまでで自分で頑張ったことは何ですか?」

❕ 相手のこれまでの努力などを認め、「自分ならできる」「きっとうまくいく」という感覚を高めたり、前向きな姿勢を引き出すのに役立ちます

一方、


例 G:
あなた「なぜ今までそうしておかなかったのですか?」
 相手「なぜって、いろいろと他のことで立て込んでいて… 
   それはわたしがやらなければならないことだったのですか?」


過去のでき事の原因を究明しようとする質問は、相手の意識を過去の失敗やできなかったことに向けてしまい、「どうして」は追及、詰問されているかのように防衛的になり、対話が後ろ向きで堂々巡りになりがちです



肯定質問にならって未来質問を使ってみましょう!

意識を「これから」に向ける未来質問


未来質問 「これから」+「どうしたら」=肯定的


例 H:
あなた「今までは、そうしなかったのですね。
   では、これからどのようにしたいですか?」
相手「私一人では、締め切りに間に合わないと思うので、
  誰かと分担できたら… 間に合うかと」
あなた「誰かと分担したら、できそうなのですね。
  誰か分担できそうな人のあてはありますか?」  


❕ 焦点を「これから」にあてることで、前向きに取り組んでいこうとする
 ヤル気を引き出せます

 意識を「これから」に向けたとき、相手から将来への不安や気がかりが
 出てくる場合もあります。その際はそう思う理由を訊いて具体的な
 解決策につながるように対応しましょう



※ これからの質問の種類♦は次回「質問力UP【続】」でご説明します。


♦思い込み解消の質問

思い込み(一般化)を修正し、解決に向けたいとき

※ 第4回と第5回 参照

♦コーピング・クエスチョン

努力を承認したいとき

♦リフレーミング

見方/考え方を変えるとき

※ 第4回と第5回 参照



いかがでしたか?

「訊く」「聴く」は、1on1ミーティングでも、日常場面でも
不可欠なコミュニケーションスキル。訊いたら反応の観察を忘れずに

こんな場面ではこの質問!と使い分けられるように練習していきましょう。


次回、第10.5回(同日公開)では

「聴く姿勢」を土台に相手の話、ストーリーを深めていくスキル
     ②質問力UP【続】
をご紹介します。


「1on1ミーティングの道具箱」シリーズを通して

複雑な状況をうまく処理したり、
コミュニケーション(会話/対話)を円滑に進めたりするために
一本やりではない、成熟したコミュニケーションができる「道具」を
身につけた「フレキシブルなマネジャー」を目指しましょう。



ポイント


質問は諸刃の剣。こんな場面ではこの質問!というようにうまく使い分けていきましょう。



前回の #9 "Quiz & FUN"



あなたは質問をするとき、何かクセはありますか?


この問いを考えながら自身の1on1ミーティングをふり返る。


質問するときのクセ(例)

・ なぜ?」「どうして?」と訊く
 説明した後に、相手に「わかりましたか?」と確認する
 ショッピングやウォーキングに出かけることは好きですか?」
  1つの質問の中に2つ以上のことを訊く
 「参加すると勉強になると思いますよ。どうします?」
  相手の意思を確認する前に自分の考えを伝える
・ 「最近、どう?」と問いかけても、「えぇ、まぁ」の返答で終わる
・ 自分の予測通りかどうか確かめたくて「やはり、○○ですか?」
  「本当は◇◇なのでは?」と訊く
 訊きたいことや知りたいことがあると、矢継ぎ早に質問してしまう

いくつ思い当りますか?



with all of my thanks and friendship



お知らせ


1)
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズ 公開  お休みの予定日
                      (変更の場合あり)                  

 7/17(日)8/14(日)9/18(日)10/9(日)

2)
「1on1ミーティングの道具箱」シリーズをお読みいただきありがとう
ございます。皆さまにお忙しい中より続けていただけやすいようにと
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