考え続ける人

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最近の記事

何のために勉強するのか。勉強は役立つのか。

NOTE を読んでいると,何のために勉強するのか? 勉強は役立つのか? と思っている人が多いようですね。 「でもみんなそう思っているとは限らないよ」という,多分,マイノリティの意見を書いてみます。そうすれば,何のために勉強するのか? 勉強は役立つのか? と思っている人たちも理解が深まると思います。 例えば,円周率 π。そもそも円周率って何だっけ。多分, (円周の長さ)=(円周率)×(直径) と暗記した人たちは,みんな何のために勉強するのか? 勉強は役立つのか? と思っ

    • 政府主導で日本企業の DX を達成するには - 1

      答えから書こう。 Teams や Slack みたいなコラボレーションツールをデジ庁が開発して国内の企業に無償提供する。そして,開発者コミュニティーで作られ完成度が上がってきた無料のオフィス・ソフトウェアをデジ庁が標準として推奨する。 これでどんなメリットがあるかは,以下の説明をお読みいただきたい。 日本企業の生産性が悪いと指摘されている。OECD 加盟 38 カ国中 28 位,先進国中最下位の一人当たりの労働生産性というデータ [1] も出ている。そしてこれを改善する

      • 日銀は本当に大丈夫なのか?

        ここのところ,円安について考えています。そして,末尾にリンクのある「有識者は円安についてなぜ本当のことを言わないのか?」という投稿と「本当は政策金利を上げる方が正しいのではないか?」という投稿をさせていただきました。 特に,後者の投稿では,以下のような議論をしました。オールドエコノミー,つまり大量生産型のモノづくり産業については,政策金利を低くキープ(いわゆるイールド・カーブ・コントロールですね)して,お金を借りやすい環境を整備しておくことが正しいと思われます。そうすれば,

        • 本当は政策金利を上げる方が正しいのではないか?

          先日,「有識者は円安についてなぜ本当のことを言わないのか?」 という記事を書きました。その後,ずーっと考えてきたのですが,本当は政策金利を上げる方が正しいのではないか,と思い至りました。今回は,そのことについて書いてみたいと思います。 現在の日銀のスタンスを分かりやすい言葉で書くとこんな感じです。20年以上継続する景気の低迷で,日銀は,なんとか既存の会社にもお金を借りてもらって事業拡大や新規事業をやってほしいし,スタートアップにもお金を借りてもらって新規事業をやってほしい

        何のために勉強するのか。勉強は役立つのか。

          有識者は円安についてなぜ本当のことを言わないのか?

          円安が進んでいます。それもすごい勢いで。 YouTubeやテレビで,有識者あるいはコメンテーターと呼ばれる人たちに解説が求められます。彼らはだいたい,以下のような説明をします。 中央銀行が利上げをすると,そこからお金を借りて業務を行ってる普通の銀行も利率を上げます。そうすると,現金を手元に持っているより,定期預金などで銀行に預けておいた方が利息がついて得なので,多くの人が現金を銀行に預金します。その結果,市中の現金が減ると,現金の価値が上がるので,その国の通貨の価値が上が

          有識者は円安についてなぜ本当のことを言わないのか?

          AI のシンギュラリティの前にジャパニーズ・シンギュラリティが来る

          少し前には,人工知能つまり AI のシンギュラリティの話が世間を賑わせていました。最近,AI の技術が急速に進歩し,実用的な問題も急にAI で解決可能になったことにより,このままのスピードで AI の技術が進歩し続けると,今,人間がやっている仕事の多くがコンピュータに奪われ,いずれ AI の能力が人間の能力と同等となるシンギュラリティを迎えるというものです(通常は,その後,人間の能力を超えるという意味を含みます)。シンギュラリティとはもともと数学の用語で,singularit

          AI のシンギュラリティの前にジャパニーズ・シンギュラリティが来る

          感染症流行下での飲食チェーン産業成長のアイデアに向けて

          飲食業がお客さまに提供するものは何か? 古くて新しい問いである。感染症が流行する前と後で本質が変わるわけではないが,この流行により,よりロジカルに掘り下げて考え,お客さまに提供する方法を変えていかなければならない。 飲食業がお客さまに提供するものは,大きく分けて,(1) 料理・飲料,(2) 家族や仲間とお腹を満たしながら過ごす幸せな時間と言える。ロジカルに考えれば,(1) と (2) のそれぞれで,感染症が与える影響を同定し,それを解決する方法を考えていく必要がある。

          感染症流行下での飲食チェーン産業成長のアイデアに向けて

          感染症流行下での飲食チェーン産業成長のアイデア

          以下の記事からのリンクでこの記事に辿り着いた方も多いと思うが,念のため関連記事ということでリンクを示しておく。 アメリカでは,この感染症の拡大で,ドライブスルーの需要が急増し,むしろ飲食チェーンが業績を伸ばしているのであるが,まずは,アメリカと日本の違いを押さえておく必要がある。 アメリカは,広大な国土を有しているため,日本以上のクルマ社会であり,同時に,土地にかかるコストも低い。このため,そもそも自動車で訪れるお客さまの割合が高く,また,ドライブスルーのレーンを増設する

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          感染症流行下での飲食チェーン産業成長のアイデア

          仕事がはかどらない Jazz の名盤 3

          正月 3 日目。今日で正月休みも終わりという人も多いのではないでしょうか。そんな,の〜んびりした日にぴったりな Jazz のアルバムを紹介したいと思います。その前に,決まり文句。 仕事がはかどる Jazz って時々見かけます。それはそれで役立つんですが,音楽としてどうなんだろう。仕事をしていても思わず手を止めて曲に聴き入ってしまう,それが本当にいい音楽であるような気がします。もちろん,時と場合によりますが。 今日はこの 1 枚。 The Koeln Concert, K

          仕事がはかどらない Jazz の名盤 3

          仕事がはかどらない Jazz の名盤 2

          正月 2 日目。どうお過ごしでしょうか。元旦に引き続き,仕事がはかどらない Jazz の名盤 その 2 です。まずは,決まり文句を言わせて下さい。 仕事がはかどる Jazz って時々見かけます。それはそれで役立つんですが,音楽としては仕事がはかどるってどうなんだろう。というか,仕事をしていても思わず手を止めて曲に聴き入ってしまう,というのが本当にいい音楽であるような気がします。もちろん,時と場合によりますが。 元旦に紹介した Portrait in Jazz は,ピアノト

          仕事がはかどらない Jazz の名盤 2

          仕事がはかどらない Jazz の名盤 1

          正月ですね。でも特殊な正月。みなさん,どうお過ごしでしょうか。 仕事がはかどる Jazz って時々見かけます。それはそれで役立つんですが,音楽としては仕事がはかどるってどうなんだろう。というか,仕事をしていても思わず手を止めて曲に聴き入ってしまう,というのが本当にいい音楽であるような気がします。もちろん,時と場合によりますが。 そんなわけで,こんな特殊な正月にみなさんに聴いて欲しい,仕事がはかどらない Jazz の名盤を紹介したいと思います。 まずは,私の Jazz と

          仕事がはかどらない Jazz の名盤 1

          本気で中小企業の生産性向上について考えてみた

          日本経済を救うため中小企業の生産性向上を目的として,note 上で,e コマースサイト構築ソフトウェアやチームコラボレーションツールのオープンソース開発をやってみようという話。 記事「日本はもはや豊かな国ではない」 で,その国の経済力は,単なる豊かさを示すだけでなく,人の生死にもかかわるものであることを述べた。また,日本の急激な高齢化と人口減少を考えると,支えてもらう人たち(高齢者)が増えて,支える人たち(労働人口)が減るのであるから,経済力は,この側面からも重要であるこ

          本気で中小企業の生産性向上について考えてみた

          日本はもはや豊かな国ではない

          今年も(公財)日本生産性本部の労働生産性の国際比較が発表された。 https://www.jpc-net.jp/research/detail/005009.html 経済協力開発機構 (OECD) 加盟国,つまり,比較的豊かな37ヶ国での比較の結果だ。その最新データとして,2019年の各国の数字が示されているから,以下,それに基づいて話を進めたい。 その国に住む人が豊かかどうかを見るには,ひとり当たりの指標を見るとよい。まず,ひとり当たりの年間 GDP,つまり,その国

          日本はもはや豊かな国ではない

          音楽は数学で表現できるのか(その1)

          ピアノの鍵盤は88のキーからできている。つまり,88の異なる周波数を出すことができる。これは,数学で言うと,88の独立空間からなるという。なぜなら,2つの異なる周波数を掛け算して積分するとゼロになるからだ。掛けて積分するというのは,ベクトルでいうところの内積と同じ。ゼロになるということは直交しているということ。つまり,掛けて積分したものがゼロになるということは,その2つの周波数の波形が直交していて,そのそれぞれが,基底になり得る(次元をもつ)ということ。平たくいうと,88鍵の

          音楽は数学で表現できるのか(その1)

          日本でイノベーションが難しい理由

          イノベーションとは,単なる発明や発見ではなく,その発明・発見により,今までやってきた仕事や物事のやり方を根底から変えてしまい,大きな経済効果(多くの場合は効率化)をもたらすものを指す。例えば,電気通信というイノベーションは,それまで人間が移動することによって行っていた情報伝達を,人間の移動なしに実現するものであり,あわせて,1対多数の情報伝達も実現する。農機具というイノベーションは,それまで人力あるいは家畜の力により行ってきた農耕を,機械の力で実現するもので,1人の農夫により

          日本でイノベーションが難しい理由

          AIに仕事を奪われるって,前にも聞いたことない?

          「AIに仕事を奪われる」-- そんなタイトルのネット記事や書籍が巷をにぎわしている。でも,ちょっと待って。前にも聞いたことない? そうだ「機械に仕事を奪われる」だ。機械化,特に工場の機械化が押し進められた1970年代,1980年代,工場で肉体労働をしていた人たちは,機械に仕事を奪われると思って怯えていた。反対運動もあった(銀河鉄道999もこれを主題としている)。でもどうなった? 確かに工場内の肉体労働は機械に置き換えられた。で,今,工場で働いている人たちが,仕事を奪われたと言

          AIに仕事を奪われるって,前にも聞いたことない?