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長編純愛小説【東京days】

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#文芸

長編恋愛小説【東京days】10(プロローグ完結)

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

シンナーの匂いが消えるまで近所を散策することにした。

奈美がバスガイドのように、丁寧に住まい周辺を案内してくれる。

思えば仕事以外で、新宿御苑に訪れたことなど一度もなかった。

目に飛び込む景色一つ一つが新鮮だ。
奈美が得意気にマシンガンのように早口で説明を続けている。

『ねぇ、聞いているの?』
『あぁ、ごめん。この街に魅了されたようだ』

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長編恋愛小説【東京days】9

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

『はい』
『奈美』
『だから何』
『う~ん、最高の気分だよ』
『訳が分からない』

僕たちは顔を見合わせて無邪気に笑った。

奈美の住まいに立ち寄る際に買っておいたドリンクを二人で飲む。

『ここって本当にいいでしょ』
そう言葉を口にする奈美は本当に、この場所が気に入っているのだろう。

『御苑の気を感じることが出来るからだろう』
『うん。今も強く感

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長編恋愛小説【東京days】7

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

えっ』
『だっていい話だし、掘りさげないと勿体ないよ』

呆気に取られながら言葉を返す。
出会った頃とは逆の立場になっているではないか!

少し僕は恥ずかしくなった。

『何、赤面してるのよ』
『いや、何でもないから』
深く息を吐き出す。

『今は別の作品を書いてるんだ。完成したらその作品を書き直すつもりなんだ』
『私も一緒に書きたい』
『いいよ』

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長編恋愛小説【東京days】5

この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。

『拓也さんってどんな歌を歌うの?』
『バラードがメインだよ』
『バラードっていいよね』
『でもさぁ、カラオケに行くと必ず盛り上がりを鎮めるのは僕なんだよね』
『どうして?』
『激しいリズムやアップテンポな曲ってまず選曲しないから』

薄ら笑いを漏らす奈美。
思わず両手で口元を隠す。

笑った奈美は輝いている。出会った頃の奈美は本当に寂しい顔をしていた

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