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池森雄也
2021年3月12日 17:33
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。シンナーの匂いが消えるまで近所を散策することにした。奈美がバスガイドのように、丁寧に住まい周辺を案内してくれる。思えば仕事以外で、新宿御苑に訪れたことなど一度もなかった。目に飛び込む景色一つ一つが新鮮だ。奈美が得意気にマシンガンのように早口で説明を続けている。『ねぇ、聞いているの?』『あぁ、ごめん。この街に魅了されたようだ』ク
2021年3月11日 09:40
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。『はい』『奈美』『だから何』『う~ん、最高の気分だよ』『訳が分からない』僕たちは顔を見合わせて無邪気に笑った。奈美の住まいに立ち寄る際に買っておいたドリンクを二人で飲む。『ここって本当にいいでしょ』そう言葉を口にする奈美は本当に、この場所が気に入っているのだろう。『御苑の気を感じることが出来るからだろう』『うん。今も強く感
2021年3月6日 00:17
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。えっ』『だっていい話だし、掘りさげないと勿体ないよ』呆気に取られながら言葉を返す。出会った頃とは逆の立場になっているではないか!少し僕は恥ずかしくなった。『何、赤面してるのよ』『いや、何でもないから』深く息を吐き出す。『今は別の作品を書いてるんだ。完成したらその作品を書き直すつもりなんだ』『私も一緒に書きたい』『いいよ』
2021年3月1日 01:24
この作品は過去に書き上げた長編恋愛小説です。『拓也さんってどんな歌を歌うの?』『バラードがメインだよ』『バラードっていいよね』『でもさぁ、カラオケに行くと必ず盛り上がりを鎮めるのは僕なんだよね』『どうして?』『激しいリズムやアップテンポな曲ってまず選曲しないから』薄ら笑いを漏らす奈美。思わず両手で口元を隠す。笑った奈美は輝いている。出会った頃の奈美は本当に寂しい顔をしていた