「つまらないままの貴方でいてね」
桜の花みたいな寂しさを纏う人だった。
大学一年生になったばかりのある春の日のこと。
田舎から上京して初めての一人暮らしで、慣れない環境での生活によるストレスで積もった心細さを埋め合わせるみたいに、急かして作った友人に誘われるがままに、私はサークルの新歓に参加した。
その空間は、私が生きてきた十八年という時間の中には存在したことのない居心地の悪さで、同じサークルだからと気安く肩を抱いてきたり、連絡先を交換しようと迫ってきたりする先輩たちに嫌気がさし、心の拠り所を見つけるど