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2021年1月の記事一覧

詩: 彗星

詩: 彗星

世界は愛で満ちていた
誰かがわたしを大切にしていた
ということに
気づかされる
いつもずっと あとになってから

愛すらも手紙のように
いつも遅れて届く
波にだって
光にだって
乗りこえなければいけない
距離があるのだ

時空の隔たりをこえて
やさしい手紙を受け取るとき
彗星が 私の軌跡を照らし
──世界は生きるに値する
と知らせる

あのとき誰かが
わたしのために願った幸せを
今になって与えて

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「詩は幸福に左右されない 詩は不幸に左右されない」

「詩は幸福に左右されない 詩は不幸に左右されない」

憎みきれない この世界
朝一番の景色が輝いて

過ぎ去った日々の自分は思い切り恥ずかしくて
今の自分は少しだけ誇らしくて

あなたの心の空は苦笑い
あなたは確かに微笑んでいる

詩は幸福に左右されない
詩は不幸に左右されない

こちらが手放さなければ
詩は離れていかない

登っても
登っても
地球は丸いから

歩いても
歩いても
地球は丸いから

止まったところが終わり

止まっても
止まっても

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修羅の花

修羅の花

修羅は

冬の凍える苦しみ

孤独の中で

精神の崖に咲く

真実の花を摘む

生きる喜びを

あなたに

贈るために

道

名を知り
心を知った

光を見て
闇を見た

手のひらに触れ
優しさに触れた

歓喜の時も
失意の時も

傍にあり
共に行く

素直になればいい

素直になればいい

冷たい風が吹く

冬の森

体を縮めながら

雪の道を歩く

雪を踏む音は小さく響く

この足で

どこまで歩けるか

この寒さに耐え

冬の美に

心を洗いながら

ただただ

素直になればいい

そう思えるまで

歩いてく

素直になる

その願いひとつ

雪に足跡をつけて

悠久

悠久

銀世界の森

沢のせせらぎ

風の音

心を養うは

その深い静かさ

自然に寄り添い

流れを感じてみれば

私は私

ここは心の拠り所

心の喜び

心の喜び

自然の中に出かけたら

樹木を見上げ

空を眺め

太陽の光を浴びよう

耳を澄まして

沢の音

鳥の鳴き声を聞いてみよう

深呼吸して

風を感じてみよう

もし心に喜びが湧いたなら

それはきっと生きる力になる

明るく生きるために

またここへ来るといい

行く先

行く先

目前に困難が有るのなら
それを乗り越えることで
新たなスキルをまた1つ
獲得出来るのだとすれば

それらをパズルのように
組み合わせて創造し
全てが必要な最終地点の
イメージが浮かび上がれば

その先の道筋が見えて来る

何に成り 何を為す者か

指

風になる 黒になる

音になる 繭になる

欠けた月爪弾く

か細い指震える

愛の磁力で引きつけて

空間を包み込むセンター返し

ねじる前髪

はじく指先

浮かび上がる空白の記憶

浮かんでは消える永遠の狭間

2人でこの街を逃げ出そう

いや今度は2人で向き合おう

真っ直ぐな思いに触れた途端

問題は消滅するのだから

風になる 黒になる

音になる 繭になる

欠けた月爪弾く

か細い

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「小さい季節の見つけ方」

「小さい季節の見つけ方」

彼の近くで
抒情の妖精がひらひらと舞う

シャツの襟が変だよと教えてくれる
それは「もうすぐだよ」の合図

インスピレーション畑で
ポエトリーが収穫されるころ

素材のまま
出荷したほうがいいのか
加工したほうがいいのか
彼は忙しくなる

新設した記憶のギャラリー
ガタがきているハートブレイク修理工場

こぶたをねらうオオカミが
ドアをノックする前に

物語に税がかかる前に
こっちからしかけるんだ

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仕える

仕える

主に仕える
神に仕える
魂に仕える
天に仕える
王に仕える
美に仕える

仕えるという言葉が好きです。

雪の修羅

雪の修羅

雪の上に足跡が

森の奥に続いてる

あの静かな場所へと

強い意志を持って

ひとり歩く

おまえは雪の修羅

悲しみと孤独

誰にも見られることも

知られることもない

ただ足跡のみが

雪上にそっと残るのみ

雪の修羅

何を求めて

歩いてゆくのか

雪の足跡は

何も語らない

精神のパン

精神のパン

この歓びの炎は何処から?
あなたから

このマグマのような愛は何処から?
あなたから

私は葉
あなたは樹

あなたに仕える時、
私はこの黄金の樹液をいただくのです

それによって、
私は生命をいただくのです

それによって、
私は生きていることの虚しさから
脱出することが出来るのです

それは、生命のパンです
それは、黄金のパンです
それは、精神のパンです

心の傷

心の傷

苦しいからこそ

ありふれた

美しさにも

気づくのかもしれない

苦しいからこそ

小さな喜びを

感じれるのかもしれない

自然の小さな声も

聞こえるのかもしれない

苦しいからこそ

誰かの優しさに

心が温かくなるのかもしれない

苦しいからこそ

この命を懸命に

生きれるのかもしれない

そうであるなら

私はとても幸せだと思う

この心の傷と共に

明日も生きる