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息子の担任の先生の涙!発達障害の対応に感謝

「発達障害」という言葉さえも知らなかった10年以上前のことです。
高校生の息子の担任の先生は、3年間同じ方でした。

「え!この人、先生なの!?」

背がズドーンと高くて(185、6?)肩まで伸びた長髪、苦しそうにネクタイをされている姿…どう見ても20代の若者…
私立だったせいなのか、私が想像する先生像とは程遠い見た目の先生でした。

しかし、私は直感で「あ、この先生いい感じ!」と思いました。
温か~い雰囲気を持っておられたからです。


卒業した後に息子から聞いた話です。
集団行動がとことん苦手な息子は、体育館や校庭に集まらなければならない時はほとんど図書室で本を読んでいたそうです。
それを担任の先生は(T先生)黙認してくださるようになっていったとか。

私が関わった事では、
息子が体育祭に行きたがらないのをT先生に正直に話したことがありました。すると、T先生は他の生徒さんには「調子が悪い」ことにして、息子の「さぼり」を黙認されました。

修学旅行は海外でした。息子は悩みましたが本人の意思で行きました。
その時でもT先生は母親の私の心配を察してくださって、
「今、空港に着きました。息子さん大丈夫ですから安心してください。行ってきます!」
「無事日本に帰ってきました、息子さん頑張られましたよ!」
と、わざわざ連絡をいただきました。

息子と同室になる生徒さんは、クラスで一番優しい男子(と息子が言っていました)をT先生が選んでくださったそうです。


T先生のやり方には賛否両論あるかと思います。
確かに苦しい事や苦手な事を乗り越えてこそ、初めて成長できると私も思います。しかしT先生のご配慮がなければ、恐らく息子は登校拒否になり退学していたでしょう。もちろん大学に進学することもなかったと思います。



また、発達障害という脳の機能の発達のバランスが凸凹の者にとって、
出来ない事の重さは一般のそれとは大きく異なります。
「根性」ではどうしようもない面が多々あります。
いろいろな事が出来ない状態を「甘え」「怠惰」と言われるのもわかりますが、ご理解いただければ私としては救われた思いになります。


かといって、「私は発達障害ですから!」と開き直るのは賛成できません。
状況はきちんとお伝えしたうえで、少しでも社会に適応する工夫をしていく事も必要ではないかと思います。

これも卒業後に息子から聞きましたが、
「ちょっとわがままが過ぎるで!もう○○(息子の名前)をかばいきれへんわ!」と、T先生に怒られたこともあったそうです。
そんなところも感謝すべきことだと思いました。


卒業式の日、式典の前に、教室でT先生が生徒さんに向けておっしゃった言葉が今でも思い出されます。

「おまえらと別れるのはちっとも寂しくなんかない!ただ、親御さんたちの今までのご苦労を思うと……」
そこまでおっしゃって、声を詰まらせて泣いておられました。


T先生に温かいお心をいただいて過ごした3年間、息子も私も感謝を忘れないで生きていこうと思います。



たおたおです。よろしくお願いいたします。







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