マガジンのカバー画像

哲学メモ

33
哲学っていうとなんですが、考え事をただ書いていきます。
運営しているクリエイター

#雰囲気

「重々無尽な世界」

 この世界が象徴的に出来ている、と考える時、私には意味作用というものを考えられずにはいられない。物質は作用・反作用の法則を持つ。それを意味の領域にも敷衍して考えるのである。例えば火山の石が黒々として、ゴツゴツとして、厳めしく、いかにも火山の石らしくなる。これをただ物質的な作用だけに限って考えることは出来ない。物質的な作用と共に、意味が変容しているのである。前著で考えた、うつる、という現象がある。こ

もっとみる

哲学メモ

 死とは抑圧である。それは可能態の方に抑圧することである。或いは可能態へ還ることである。魂が死なないのは、存在するものがいくら消え去ろうと、それは可能態へ還る、という意味に過ぎないからである。可能態の領野は融通無礙である。そこでは他者や自己にはっきりした境界線がない。エヴァンゲリヲンで人類補完計画を企てた碇ゲンドウは、可能態の方へ行き、一つになることで唯に会おうとした。これはこれで一つの理路があり

もっとみる

「哲学メモ」

 全存在を心的なものとした場合、現実に起きているものが心の領野であり、潜在的なもの、可能態が魂の領野である。潜在と抑圧は同じ構造を持っている。宇宙が始まる前から、魂は全てのものを潜在的に溜め込んでいた。それは抑圧されていると言ってもいい。換言すれば、全てを呑み込んでいたのであるが、ついにそれは爆発し、現世を表現するに至った。
 全ては魂の表現であるなら、自然に美を見出すことも妥当である。表現にはい

もっとみる