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[2章2項]欲しい言葉は自ら獲得しに行く

先週に続き、今日は第二章「儲ける力」の第二項について読んでいきたいと思う。

第二項 当たり前のことを徹底して積み重ねる

地道なことを徹底してやる
経営をよく知らない人は、儲ける力というと、何か派手なことをやったり、特別な方法があって、そこを突けば成功できると鍋覚している人がいますが、そんなことは全くありません。
経営というのは、あたり前のことを本当にあたり前に毎日実行する。そしてチェックをし、次の方法を考える、計画を変える。このことの株り返しです。
本当の儲ける力とは、こんな地道なことが徹底してできるところにあるのです。
派手なイベントをやって集客しても一過性です。リーマンショックのあと、アメリカのビッグ3と呼ばれる自動車メーカーが企業再生となりました。再生前は、経営の本質から外れたことをやっていました。例えば、報告書としての数値をよく見せるために、売上がよくないとリストラをして表面的なコストカットをするとか、あるいは「今購入すれば三千ドル浮きますよ」といった短絡的な販促を派手にやることです。当然、販促が終われば、お客様は来なくなるから売上がダウンする。だから、また派手な販促をする。こんなことを繰り返していたら儲かるはずがありません。
経営にとって大切なことは、一日一日、一人ひとりのお客様を大切にすること。そして、日々無駄を省く努力をし、あらゆるプロセスをコツコツと工夫して改善していくことです。非常に地道なことですが、あたり前のことをしつこく継続的に実行できる会社だけが、成長し続けることが可能なのです。

毎日の充実の中に未来がある
特に、我々のような小売業の商売は毎日続くものです。店を開けた瞬間から、そこには「毎日」が訪れるのです。毎日を大切にする。目の前のお客様を大切にする。それが基本ですし、全てなのです。それができないと、お客様は来てくれなくなりますから、未来なんて作れないのです。
売上高目標一兆円も、五兆円も、世界一のアパレル製造小売業になるという未来も、今日という毎日、今の目の前にいらっしゃるお客様、ここがきちんとできていないと絵に描いた併にすぎなくなるのです。
世の中にはこれを勘違いしている人が非常に多いです。理想や夢というのはどこか別なところにあって、そのためにやることは、日々やることとは違った特別なことだと思っている人。
しかし実際は別個のものではない。つながっているのです。
毎日の充実の中に未来があって、目の前の現実の課題解決の中に理想にいたる道があるのです。
我々は毎日お客様から投票を受けているようなもので、その投票の結果が売上金額です。売上金額が計画未達ということは、投票で我々の商売が不満だというふうに言われていることと一緒だと思わないといけません。
だとしたら、今のこの現実の不満みたいなことを、真剣になって、今の現実としてつぶしていかない限り、お客様はどんどん離れていきます。「すみません、半年ほど待っていただけますか。きちんとやっておきますので」などという商売をやっている会社に、未来が、理相が手に届くわけがありません。

能力の問題ではなく習慣の問題
いかがでしょうか。毎日毎日のあたり前のこと。みなさんの職場ではどんなことがありますか。問題があったら解決していますか。例えばお店では次のようなことがあります。あなたのお店では、毎日しっかりできていますか。

●清掃が行き届いていて、常に情潔で気持ちのいい状態にする。バックヤードもきれいで、商品を探しゃすく、働きやすい現境にする。
●商品陳列はお客様から見て分かりやすく、美しく、きちんと整った状態にする。乱れているところがあったらすぐ直す。
●値札が見やすいように工夫する。価格表示の間違いがないか気を配る。
●欠品がないように適正な在軍管理をする。品出しをする。
●先れ筋商品で棚が構成されるようにし、死に筋商品を排除する。また、そうしたことができるシステムを作る。
●スタッフが元気で明るい接客ができさるようにする。できていない人がいたら指導をする。
●お客様からのクレームは適切に対応し、二度と発生しないようにスタッフで共有して問題解決をする。また、そうした情報やその他気づいた情報を本部にあげる。
●毎日毎日、偏執狂的なほど、商売の結果を見て、自分で問題を発見して、一つ一つ解決する。

企画や計画をして考えたことを、儲けに結びつけるためにはこうした細かい、一つ一つはあたり前のこと、地道なこと、あるいはそれぞれの仕事の原理原則で記しているようなことをコツコツと毎日あたり前に実行し、問題があったらその都度解決をして、徹底的に積み上げていく。このことが欠かせないのです。
これは、能力の間題ではなく、習慣の間題です。ですから、本来誰にでもできることです。逆に言うと、本当の習慣になるまで、意識的に鍛えることが肝心です。
また、上の立場に立つものが率先して実践しない限り、部下はこうしたあたり前のことの実践を軽視してしまいます。もし、現場でこうしたことができていなかった時は、部下の間題ではなく、上同である自分の間題だと思うべきです。

泥臭さの中に信けの道がある
例に出して、本人には申しわけないのですが、こんなこともありました。
今は経営幹部になって会社を引っ張っていってくれている人ですが、その人が入社してまだ間もない時、自分がトイレ掃除をすることに対して不満を言ってきました。
「どうして、大学を優秀な成績で卒業した自分がこんなことをするのか、自分は経営者になるためにこの会社に入ったのであって、トイレ掃除をするためではない」というのが彼の理屈です。
私はそれに対して厳しく叱りました。
「日の前の一人のお客様を大切にできない人が、何が経営者ですか。そんな人が、世界中の人を喜ばせることなんてできるわけがありません」
このような趣旨のことを言ったと記憶しています。
その後、抜はこのことを強く自覚できたからこそ、経営幹部になれたのだと思います。

本当の意味で儲けるために必要なことは、地道で泥いことなのです。
日の前の一人ひとりのお客様を大切にして、一日一日を大切に積み上げていく。
この努力を飽きもせず、手抜きもせず、重ねられる。そういうことなのです。
商売人のこの混臭さを大切にできることが経営者をやる人には欠かせないのです。ここに儲けの道があるのです。
商売をやっていても、きちんと傷けが出ていない時は、ここが崩れている時。そう言っても過言ではないと思います。

欲しい言葉は自ら獲得しに行く

経営というのは、あたり前のことを本当にあたり前に毎日実行する。そしてチェックをし、次の方法を考える、計画を変える。このことの株り返しです。

理想や夢というのはどこか別なところにあって、そのためにやることは、日々やることとは違った特別なことだと思っている人。
しかし実際は別個のものではない。つながっているのです。
毎日の充実の中に未来があって、目の前の現実の課題解決の中に理想にいたる道があるのです。

商売人のこの混臭さを大切にできることが経営者をやる人には欠かせないのです。ここに儲けの道があるのです。

この言葉を読み、これは「今自分が一番かけて欲しかった言葉」だと感じた。普段仕事をしていて、こういった「仕事の本質ともいえる言葉」をかけてくれる人には中々出会えない。そうなると毎日自分なりに考え、実行していてたとしても「自分のやり方が間違っているのではないか」と疑心暗鬼になってしまったり、孤独を感じてしまうことがある。下手すると「何で自分の周りにはこういった言葉をかけてくれる人がいないのか?」というような「他責思考」且つ「悲劇のヒロインめいた」発想になってしまいそうになることがある。(我ながら情けない限りだけれど)

でも、この本を読み進めるうちに感じるのは「自分が欲しい言葉というのは、自ら獲得できる」ということだ。自分がかけて欲しい言葉を探し続ける意欲さえあれば、それはきっと必ず獲得できるのだと思う。言い訳はせず、周りや環境のせいにするのではなく、自ら欲しい言葉に会いに行く姿勢が大切なのだと思う。

もう一つ思ったこと。僕は柳生さんが金儲けのためにこの本を出したとはどうも思えない。自らの「実践を通じた学び」を自分の会社だけに公開するならまだしも、こうやって一般の人も読めるように本を出すということは、つまりそういうことなのだろうと思う。その視座の高さに頭が下がるとともに、その「人としての器」が今のユニクロをここまでの会社に成長させたのだと妙に納得してしまった。

努力とは習慣化させるまでの過程を言う

これは、能力の間題ではなく、習慣の間題です。ですから、本来誰にでもできることです。逆に言うと、本当の習慣になるまで、意識的に鍛えることが肝心です。

最近よく考えているのは「努力とは習慣化させるまでの過程」を言うのだということ。それがどんなに大変なことであろうと、もっとも大変なのは習慣化させるまでの期間だと思う。一度習慣化させることさえできれば、あとは割となんとかなったりする。「人間はいかなることにも慣れる動物である」という言葉があるけれど、本当にその通りで、一度ベースとなる基礎を積み重ねさえすれば、そこからは努力と呼ばないのではないだろうか。

それが柳生さんがなんども言及している「当たり前のことを当たり前にやる」と言うことだと思うし、現状に満足せず「正しい習慣を如何に積み重ねられるか」がポイントなのではないか、と考えるようになった。

言って「聞かせる」のではなく、やって「見せる」

また、上の立場に立つものが率先して実践しない限り、部下はこうしたあたり前のことの実践を軽視してしまいます。もし、現場でこうしたことができていなかった時は、部下の間題ではなく、上同である自分の間題だと思うべきです。

人を変えるのではなく、自分を変える。それがコントロールできることをコントロールしきることだと思う。よく「部下が使えない」とため息交じりに語っている人を見かけることがある。(その顔つきは自分に甘く、他責で生きてきた人間特有の「緊張感の無いもの」に見える)。

部下は上司に正論を聞かされたとしても、それ以上に上司の言行をよく見ている。上司が人に言っておいて自分がやっていないのだとしたら、そんな人間についていく人間がどこにいるのだろうか。(仮について行くとしても、利害があった場合のみで、往々にしてその関係性は利害関係がなくなった瞬間にすぐになくなる。転職した瞬間に周りの人間から関係を立たれてしまう人は割と結構多いように思う)

それがどんなに正しい内容だとしても、ただそれを言って聞かせるだけではダメで、言行を一致させ、やっているところを見せることが大切なのだではないだろうか。(僕はつい無言実行に走りがちなので、もっと言うべきことを言わないといけないとも思ったり。でも、どうも偉そうに説教するのが昔から苦手だ。どうあるべきかは、もう少し考えてみる必要がありそうだ。。)

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この本は経営者の方だけでなく、サラリーマンや個人事業主の方、NPOやボランティアなど様々な組織で働いている人にとって、とても学びの多い良書だと思います。内容はnoteでも紹介していきますが、一部のみのピックアップとなりますので、内容に興味を持たれた方は是非ご購入いただき、自分だけのノートに仕上げていただければと思います。

また本には振り返りのためのセルフワークシートも含まれています。日々の振り返りを行いたい、自戒することを習慣化したいと考えている方にも、とても価値のある内容だと思います。

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この「経営者になるためのnote」は毎週日曜日に書いています。過去に書いたものは全てマガジンに纏めているので、宜しければそちらもご覧ください。


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