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旧ソ連からの正統派SF「ドウエル教授の首」

<SF(35歩目)>
100年前のソ連からの正統派SFエンターテインメント作品を楽しむ。

ドウエル教授の首
アレクサンドル・ロマノヴィチ ベリャーエフ (著), 田中 隆 (翻訳)
未知谷

「35歩目」は、第二次世界大戦前のソ連の超マイナーな尖がったSF作品です。

この作品は、日本で言うと昭和元年に発表された作品と考えると、驚くべき作品です。

なんとなくおどろおどろしいところは、江戸川乱歩を彷彿させる。でも、とても科学的で一見の価値あり。

舞台はちょっと古めかしい、パリ。しかし、科学にかかわる探究に共産主義が持つ危うさを感じられます。

登場人物は、オール科学者。しかし、ネジの抜け方も半端ない(最近の言葉だと「マッドサイエンティスト」です)。この倫理とかを超越したネジの抜け方が、潔すぎて逆に作品に深みを与えている。

作者のアレクサンドル・ベリャーエフは「ソ連のヴェルヌ」と呼ばれているそうですが、まさに「その通り!」と感じました。

なんか100年後も読まれているような、押さえるとこが押さえられている作品です。

これは、そのまま素直に酔いつぶれたい作品。科学者としてまともに見える「ローラン女医」も「イッチャッテル」なぁと思いながら、「ドウエル教授」と「ケルン教授」も、おいおいそこでわかりあっちゃいけないでしょ。。。と思うくらい、突き抜けていました。

古めかしいSF作品のようで、21世紀でも通じるエンタメ作品です。

私は何故か?読んでいると映画「エイリアン」に登場した「アッシュ」というアンドロイドが目に浮かんでしまいました。こんなものを100年近く前に世に出したソ連SFの世界は「いいね!」と思いました。ぶっ飛んでいます。

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