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メディア会社にて自社モノのマーケティング、クライアント企業や国、自治体のマーケティング…

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メディア会社にて自社モノのマーケティング、クライアント企業や国、自治体のマーケティング支援、地方創生や教育関連の業務を担当。アジア各国での実績もあり。コピーライター(自称)、フードツーリズムマイスター、NIJ事務局長、旅とサッカーが好き。

最近の記事

教室と大人世代をつなぐ  Vol.17 「小さな成功と大きな絵」 

誰から巻き込めばいいのか、、 前回のこのコラムで、「これまでに10以上の自治体の方にこの話をしましたが、その意図さえ理解していただけたところはありませんでした」とお話ししました。教育関連部署の方以外は、なかなかピンとこないのです。もちろん私の説明が拙いということもありますが、探求学習を現場で回している高校の先生方はたいてい賛同してくれています。であれば、先生から話を進めたいところですが、ここには別の壁があるのです。それは現場の先生は忙しすぎるという壁です。いまはこちらのほう

    • 教室と大人世代をつなぐ  Vol.16 「地元がつながっていない!」

      いま考えるべきことはなにか 自治体にはその地域の社会課題が集まってきます。その同じ地域の高校の生徒たちは、探求学習の時間に地域の社会課題について解決策を考えている。そもそもなぜそれがストレートに自治体職員に伝わらないのでしょうか?自治体にとっては教育も社会課題の1つ。そして当然ながら、教育関連の部署の方が対応を考えています。いや、正確には教育関連の部署の方しか対応を考えていません。これが組織の壁ですが、このこと自体は官も民も同じ。むしろ自分が配属された部署を最優先に考えない

      • 教室と大人世代をつなぐ  Vol.15 「ちょっと逆転の発想」

        「宝の山」を逆手に取る このコラムのVol.13で、「社会課題が集まる自治体は宝の山」と書きました。社会課題の解決にこそ新事業のタネがあり、企業はそれを探しているのであれば、企業側は十分にメリットを享受できるはずです。それならば企業に費用や人手などを負担してもらうことができるのではないでしょうか。それができれば、前回、お話しした「平等」問題を解決する糸口にもなると考えています。 仕様は企業にまかせる 一般に自治体は自らの予算または国から追加的に予算をもらってさまざまな事

        • 教室と大人世代をつなぐ  Vol.14 「乗り越えるべき壁は?」

          「教育委員会」ってどんな組織? 私は探求学習の成果をもっともっと校外や地域に広めて化学反応を起こさせたいと考えています。探求学習が地域の活性化に直接、結びつく仕組みをつくりたいと思っています。それには自治体の力が不可欠なのですが、その中でもまずお話ししなければならないのが教育委員会です。これは私の最大の弱点でもあるのですが、私は教育委員会というものをよく知りません。わかりやすく、あえて失礼な言い方をすれば、まったくもって魑魅魍魎(ちみもうりょう)、得たいの知れない世界です。

        教室と大人世代をつなぐ  Vol.17 「小さな成功と大きな絵」 

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.13「もう1人の主役とは」

          もう一人の主役とは誰か? そのお話をする前に。 いまや、『社会課題の解決にこそ新しいビジネスのシーズ(種)がある』と、いわれています。ではその社会課題がいちばん多く集まっているところはどこでしょうか? そう、それが自治体です。そして、もうおわかりかと思いますが、もう一人の主役とは自治体なのです。少子高齢化、医療福祉、環境、交通、水道、ゴミ、有害鳥獣、産業振興、観光、シャッター商店街、空き家、街づくり、、、もちろん教育も。自治体が向き合わなければならない社会課題は多岐にわたっ

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.13「もう1人の主役とは」

          教室と大人世代をつなぐ  Vol.12 「教室と社会をつなげば、世界が変わる」

          仕掛けは誰がつくる? 前回、このコラムで話したような仕掛けを簡単につくってくれるのは誰でしょうか?それはGIGAスクール用にアプリなどを開発している企業です。学校の授業だけでなく、先生や教育委員会の事情にも詳しいので、たとえば授業で生徒たちがつくった成果物をどう保存、管理しているかとか、それらを先生たちはどんなふうに使っているかなどにも通じています。実は名前は出せませんがある企業さんに聞いてみたところ、「それなら新たに開発する必要もなく、すぐにできますよ」とのことでした。さ

          教室と大人世代をつなぐ  Vol.12 「教室と社会をつなげば、世界が変わる」

          教室と大人世代をつなぐ  Vol.11 「教室と大人世代をつなぐ、はじめの一歩」

          成果を学校の外に出す 高校の探求学習では社会課題の解決をテーマに、生徒の皆さんが世の中の課題を見つけ出し、実態を調べ、解決策を考えています。それらは授業で発表するために、パワーポイントなどなんらかの形にまとめられていることが多いと思います。コロナでGIGAスクール構想が進んだこともあり、探求学習の成果や途中経過をクラスのみんなで共有できるようになっている学校もあると思います。 パワーポイントなどでまとめられた探求の成果は、一般にはクラスや学年などに閉じられたクラウドなどに置

          教室と大人世代をつなぐ  Vol.11 「教室と大人世代をつなぐ、はじめの一歩」

          教室と大人世代をつなぐ  Vol.10 「まずはお互いに課題を認識する」

          大事なのは「何を」課題と思うか 高校生たちが取り組む探求学習にちょっとだけ大人世代の知恵を加えることで、2つの世代に新たなつながりが生まれ、もしかすると新たな事業を創出できるかもしれません。それは高校生たちの未来をも変えてしまうような体験にすらなり得ます。 高校生たちと最初につながるのはその地域の大人世代が望ましいと思います。高校生側も地域の課題を解決するための探求をしているのですから、大人世代も地域の方が適任と思うのですが、この組み合わせでまずやるべきことは、お互いの認識

          教室と大人世代をつなぐ  Vol.10 「まずはお互いに課題を認識する」

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.09 「学校にはビジネスが足りない」

          探求の成果を見てみた 私は、とある地方の、とある公立高校の探求学習の成果を見せていただいたことがあります。本来なら2022年度から正式に始まる探求学習ですが、その学校では数年前から授業に取り入れていました。探求学習を実施しているのは1年生と2年生です。探求の授業は年間を通じてやっていて、2人から数人でグループをつくり、2学年で100以上の成果がありました。それらはすべて5分程度の動画、パワーポイントを使ったプレゼン形式になっていて、生徒さん自らが発表しています。 1年生は気

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.09 「学校にはビジネスが足りない」

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.08 まず外から応援しませんか

          そもそも ここまで書いてきたことを、少しおさらいしてみます。 今年度から高校に新しい学習指導要領が導入されます。その大きな目的は、「社会に開かれた教育課程」を実現することです。同時に、「探求学習」が本格的に始まります。これまでの先生から生徒へという一方向の教えではなく、形の上では生徒自らが主導権をもって学習を進めていくもので、アクティブラーニング、深い学びを実現するものです。私はこの「探求学習」を、新学習指導要領の大きな目的である、「社会に開かれた教育課程」の実現のために活

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.08 まず外から応援しませんか

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.07 メディアをつくろう

          議論が深まる仕組み 高校生と大人をつなぐには広い意味でのメディアが必要だと思います。高校生の先輩と後輩、さらには高校と中学をつなぐのにもメディアがほしいところです。ここでいうメディアとは、いわゆる媒体でなくてもかまいません。「広い意味で」と書いたのは、たとえばデータベース的なツールでもいいと考えています。探求学習から生み出されたものが学校内はもちろん学校外の方にも目に見える形にすること、そしてそれをネタにコミュニケーションが生まれるような形にすること、ほしい機能はこの2つで

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.07 メディアをつくろう

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.06 テーマをみんなで探す、共有する

          人口は減るものと思え! 前回のテーマ選びで地球温暖化問題など壮大なテーマは答えが出しにくいと書きました。それと同じことが人口についてもいえます。いまや全国に地域課題はあふれています。東京を除けば、そのすべての原因は人口減少です。すべての社会課題はここから始まると言ってもいいでしょう。人口減少を少しでも食い止めるため、自分の街に移住者を増やそうと全国の自治体が躍起になっていますが、これではただの取り合いで何の解決策にもなりません。 いまの大人世代は人口が増えていた時代、特にバ

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.06 テーマをみんなで探す、共有する

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.05 探求学習の成否はテーマで決まる!

          探求するにはどうするの? 生徒さんが探求学習を始めるには、まずテーマを決めなくてはなりません。このテーマ選びひとつで、その年の成果が大きく変わってしまいます。探求学習の主旨は、「生徒自らがテーマを決め、調べ、結果を導く」こととはいえ、100%、生徒まかせとはいかないようです。私が高校の先生にうかがった話では、1年間の探求学習のうち1学期はすべてテーマ探しに充てるそうです。それでも多くの生徒はテーマに迷ったり、何も思いつかなかったり、結果を出しやすいというか、もう結果がわかっ

          教室と大人世代をつなぐ   Vol.05 探求学習の成否はテーマで決まる!

          教室と大人世代をつなぐ Vol.04   探求学習がある!

          探求学習 2022年度から高校の学習指導要領が改訂されました。文部科学省のHPをみるとむずかしい日本語でわかりにくく書いてありますが、それを私なりに解釈すると、「社会に開かれた教育課程」を目指し、生徒さんには、「深い学び~ディープラーニング」を身に付けさせることを目的としているようです。それを具体的に実現するためにできた新科目が、『探求学習』(以下、探求)です。 この科目は、生徒みずからが探求したいテーマを探し、それについてみずから調べ、解決策を考えるというものです。これま

          教室と大人世代をつなぐ Vol.04   探求学習がある!

          教室と大人世代をつなぐ Vol.03   意思決定の場に参加した高校生は

          いま高校生は何を? 高校生世代を意思決定の場に引っ張り出そうとする前に、彼ら彼女らがいま何を考えているのか?を、大人世代がもっと知る必要があります。「まだ子どもだ」などとは考えず、偏見を捨てて高校生たちの言葉に耳を傾けるには、どうすればいいでしょうか?大人世代は、高校生たちの考えていることを知るために、まずは興味や関心を持っていることを伝えることが第一歩かもしれません。 とはいえ、高校生たちがどんなことを考え、行動しているかを知ることは簡単ではないです。「なに考えてるの?」

          教室と大人世代をつなぐ Vol.03   意思決定の場に参加した高校生は

          教室と大人世代をつなぐ Vol.02 「明日は今日より良くなる」とはかぎらない

          冷静に”いま”を見つめる高校生 意思決定の場に高校生を参加させるべき理由はまだあります。私はもうすぐ60歳になりますが、働き始めて数年でバブルを迎えました。そのころは何もしなくても売れる時代。先輩たちが敷いてくれたレールを同じように走るだけで、何も考えなくても売れました。その結果として、毎年、給料は大きく上がり、年収も増え続けていました。そのころの私は、「明日は今日よりも必ず良くなる」と簡単に信じられた最後の世代なのかもしれません。そんななかでは、いまのやり方が間違っている

          教室と大人世代をつなぐ Vol.02 「明日は今日より良くなる」とはかぎらない