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教室と大人世代をつなぐ   Vol.08 まず外から応援しませんか

そもそも

ここまで書いてきたことを、少しおさらいしてみます。
今年度から高校に新しい学習指導要領が導入されます。その大きな目的は、「社会に開かれた教育課程」を実現することです。同時に、「探求学習」が本格的に始まります。これまでの先生から生徒へという一方向の教えではなく、形の上では生徒自らが主導権をもって学習を進めていくもので、アクティブラーニング、深い学びを実現するものです。私はこの「探求学習」を、新学習指導要領の大きな目的である、「社会に開かれた教育課程」の実現のために活用することが最善の方法と考えています。「探求学習」を学校と外部をつなぐ窓にしたい。ブラックボックスだった学校を外から見えるようにする、学校からも外の世界が見えるようにする、窓を開ければ話もできる、そんな意味の窓です。

「探求」したらどうするの?

それには探求の成果を地域の皆さんや企業、自治体の方などと共有することが第一歩です。これまでも学校によっては、OBの皆さんを招いて発表するとか、市長の前でのプレゼン大会などを実施しているところもあります。高校生向けの各種アワードに応募するという手もあります。ただ、アワードありき、アワードを取るための探求になってしまうことや、生徒のご両親もアワードを取らせることを望む声があるとも聞きます。わるくはないですが、いずれの場合でもプレゼンしたり、アワードを獲得するのはほんの一握りの生徒のアイデアです。いわゆる、その他大勢のアイデアは誰の目にふれることなく失われていきます。
もちろん、それでもやらないよりは実施したほうがいいのですから、学校側はどんどん企画すべきだと思いますが、どこでも先生は大忙し。ここはひとつ、校外での発表などは地元の皆さんから手を差し伸べてほしいのです。そして、もう一度、言いますが、探求学習の成果すべてを外部の方が見られるようにすること、これが最重要ポイントになります。

それをきっかけに街が動き出す

探求学習の成果を街の人たちと共有できれば、街のなかからそれに興味を持つ方も現れるはずです。
この連載では、最初から「サテライトオフィス」や「コワーキングスペース」をタグ付けしていました。なんで?と思われた方もいるかもしれませんが、ここでようやく本題に入ります。サテライトオフィスは東京などに本社がある企業向けに、地方に拠点が必要になったときに利用してもらう施設です。企業が地方に拠点をつくる理由は東京で災害が発生しても企業活動を続けられるようにするためなどさまざまですが、本社所在地ばかりにいるよりもときどき地方に出かけたほうが新たなアイデアが出やすいとか、地方にいる人材を採用しやすいといったことも理由の1つです。コワーキングスペースは個人事業主を含め、いろんな職種、業種の方が1つの施設を使うことで、これまでにない交流が生まれ、新たなビジネスも生まれやすいといわれています。国からの補助金が得られることもあり、いま全国の自治体がこの2つの施設の新設、利用促進を積極的に進めています。このような施設を利用している企業の方に、探求学習の成果を見てもらいたいのです。

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