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教室と大人世代をつなぐ   Vol.13「もう1人の主役とは」

もう一人の主役とは誰か?

そのお話をする前に。
いまや、『社会課題の解決にこそ新しいビジネスのシーズ(種)がある』と、いわれています。ではその社会課題がいちばん多く集まっているところはどこでしょうか?
そう、それが自治体です。そして、もうおわかりかと思いますが、もう一人の主役とは自治体なのです。少子高齢化、医療福祉、環境、交通、水道、ゴミ、有害鳥獣、産業振興、観光、シャッター商店街、空き家、街づくり、、、もちろん教育も。自治体が向き合わなければならない社会課題は多岐にわたって山積しています。自治体には業務上、さまざまな社会課題に関する情報が日々、集まってきます。また市民からもたくさんの意見、苦情やクレームが寄せられます。こうして集まってくる情報は、スタートアップや新規事業を考えている企業にとっては、『宝の山』なのではないでしょうか。

自治体と企業のコミュニケーションが足りない

たとえば介護分野では、自治体は要介護と認定された方にケアプランを作成します。ケアマネジャーさんがこれまでの経験を活かしてプランを作成するのですが、1日がかりになってしまうこともあるそうです。ここが社会課題を解決できるポイントではないかと目を付けた企業があります。その企業はAIを使って10分でプランを作成するシステムを作ったのです。よしっ!このシステムをすぐに自治体に売り込もう!と行きたいところですが、その企業はケアプランを作成するAIにより多くの事例を覚えさせることで、より精度の高いプランを作ることができるようにしようと考えたのです。そこでまず、ある自治体と組んで、無料でシステムを使ってもらい、より多くの事例を覚えさせることにしました。またAIが作成するプランをケアマネジャーに見ていただくことで着々と精度を上げています。自治体に集まってくる社会課題が、彼らにとってはまさしく宝の山だったわけです。もちろん自治体側も大変、助かっています。
ならば、もっと自治体と企業が会話できる機会をつくればいいのでは?と思いますが、これが意外と進めづらいのです。企業は自治体のどこにどんな情報があるかわかりません。自治体は持っている情報がビジネスになるかどうかわかりません。これまでお互いにまったく違う世界に生きてきたからです。ただ、いまこうして社会課題の解決がビジネスになる時代を迎え、ようやく歩み寄り始めた気がします。

教育と企業をつなぐ

教育も自治体の重要な業務の1つです。トップの教育長は自治体の首長が任命し議会で承認された方で、教育委員会のメンバーでもあります。特に公立の小中高のことは、ほぼ教育委員会が決めているといってもいいでしょう。現場の先生は児童や生徒のことをもちろん一番に考えていますが、教育委員会のことも気になります。いま教育の現場でもっとも問題となっているのが先生の過酷な勤務状況と、それが理由となっている先生の休職や離職です。そんな状況なのに、次から次へと新たな業務が舞い込み、先生の仕事は積み重なっていきます。高校で今年度から始まった新学習指導要領。いくつかの科目ができましたが、なかでも「探求学習」は先生にはとても厄介なものではないでしょうか?私はここに企業と教室をつなぐ糸口があると考えています。


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