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教室と大人世代をつなぐ Vol.03   意思決定の場に参加した高校生は

いま高校生は何を?


高校生世代を意思決定の場に引っ張り出そうとする前に、彼ら彼女らがいま何を考えているのか?を、大人世代がもっと知る必要があります。「まだ子どもだ」などとは考えず、偏見を捨てて高校生たちの言葉に耳を傾けるには、どうすればいいでしょうか?大人世代は、高校生たちの考えていることを知るために、まずは興味や関心を持っていることを伝えることが第一歩かもしれません。
とはいえ、高校生たちがどんなことを考え、行動しているかを知ることは簡単ではないです。「なに考えてるの?」と聞いたところで、誰も答えられません。

意思決定をさせてみる


ユーグレナという会社はCFO(FはFinancialではなく、Future)として高校生を採用しました。これこそ企業の意思決定の場に高校生を参加させようとするものです。どの程度までCFOの考えのまま業務ができているのか、逆にどの程度、まわりがサポートをしているのか、正確なところはわかりませんが、私はこれが単にウケ狙いの施策だとは思えません。担当するのはFuture、未来のことですから、未来に社会の主役になっているであろう高校生に任せるのは、ある意味、ふつうの選択ともいえます。もちろんこのような決定ができる会社は稀有ではありますが、高校生が考えていることを知るには、「しかるべきポジションに就ける」、という方法があります。
ほかにも山形県の遊佐町では、『少年議会』をつくり、毎年、地元の中学生、高校生たちが積極的に議会運営を行っています。少年町長1名と少年議員10名はすべて立候補した子たちで、中高生全員による選挙で選ばれます。議員さんたちは自らのマニュフェストを作り、それに基づいて政策提言を行い、議会に諮ります。採択された政策は、市役所の担当部課に渡され実際の政策に反映されていきます。ほかの市町村でも子ども議会を実施しているところもありますが、ここでは45万円の予算もついており、実効性の高い議会になっています。少女もいらっしゃると思うので、名称は変えたほうがいいかな?と思いますが、かなり思い切った取り組みだと思います。町の課題を解決できるのは若い力しかない!という思いから、平成15年から続けているそうです。この議会のおかげなのか、昨年10月の衆議院選挙では18歳の投票率が県内でトップだったとか。

機会があればできる


この2つの例は、大人世代がこういう場をつくれば、意思決定を託された中高生たちはちゃんと応えてくれるということを教えてくれます。チャンスを与えられればしっかりやり切ることができ、意識も変わるということはわかっていただけたと思います。一方で、企業が高校生を役員に登用したり、自治体が議会活動を任せるのは、手間もかかりますし、常に思った効果や結果が得られるわけではありません。ですが、こうした活動を続けることで、世代間のコミュニケーション機会が増え、お互いに大きな気づきを得られます。
とはいえ、もう少し簡単な仕組みをつくれないでしょうか?

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