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教室と大人世代をつなぐ Vol.04   探求学習がある!

探求学習


2022年度から高校の学習指導要領が改訂されました。文部科学省のHPをみるとむずかしい日本語でわかりにくく書いてありますが、それを私なりに解釈すると、「社会に開かれた教育課程」を目指し、生徒さんには、「深い学び~ディープラーニング」を身に付けさせることを目的としているようです。それを具体的に実現するためにできた新科目が、『探求学習』(以下、探求)です。
この科目は、生徒みずからが探求したいテーマを探し、それについてみずから調べ、解決策を考えるというものです。これまではある1つの問題に対して、1つの「正解」がありました。その正解にいかに早くたどり着けるかを先生から生徒へという一方向のみで教えてきました。それが必ずしも「正解」と呼べるものがない問いに対してみずから調べ回答していくのです。いまは課題を解決する=答えを見つけることよりも、課題を見つけることが重要だといわれる世の中になっています。探求は画期的な改訂だと私は思います。

大事なのは解決策ではない


高校生たちが社会課題の解決に取り組むのは、いまに始まったことではありません。先進的な学校では数年前から探求と同じ考えでさまざまな取り組みがされてきました。また国が地方創生を叫び始めるのに合わせるように、いくつかのコンテストも立ち上がっています。そのなかで高校生の間でもっとも知られているのが、NPOカタリバが主催する『マイプロジェクトアワード』です。そしてもう1つが、内閣府が主催する『RESAS政策アイデアコンテスト』です。RESASは内閣府と経済産業省が地方創生推進のためにつくった地域経済分析システムで、地方自治体にデータに基づいた政策立案、EBPM(Evidence Based Policy Making)の推進のためにつくられたものです。これを中学生や高校生にも授業などで使ってもらい、政策を考えてもらうコンテストです。いずれもアワード形式ですので、全国で地方予選があり、勝ち抜いてきたものだけが公開されています。

全部、ほしい!


前回、どうしたら高校生たちが考えていることを知ることができるか、お話ししましたが、探求の時間に高校生たちが見つけた課題、これこそが彼ら彼女らが考えていることではないでしょうか。解決策はありきたりでも、中途半端でもかまわないのです。まだ高校生なのですから。それよりも高校生が「これが課題だ!」と感じるポイントを知ることで、いまの若い世代が何を憂いているのかが見えてくると思うのです。アワードという形式ではなく、全国のすべての高校生が考える「社会課題」を全部、集めたい、全部、ほしいです。それを分析することで、何かが見えてくると私は考えています。

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