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おりたらあかんの読書ログ

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年間100冊を15年間続けてきました。でも、本当に知らないことばかり!というかアウトプットがまだ少ないなあと感じています。過去に読んだ本は「読書ログ」としてまとめてきたので、それ…
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#人生

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」かんき出版(FOUR THOUSAND WEEKS)

オリバー・バークマン「限りある時間の使い方」かんき出版(FOUR THOUSAND WEEKS)

先月、久しぶりに紀伊国屋書店(富山店)にいったら、この本がベストセラーになっていたので、ペラペラとめくっていたら<ハイデガー>という無視できない人の名前が出ていたので、読んでみることにした。

エッセンスは下記の通り。まあビジネス本は、どうしてもそんな読み方になるかな?俺はこの本がきっかけで、ハイデガーの世界にしばし浸かることになってしまった。机上には分厚い「存在と時間」が・・(大汗!)。ああ、ま

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吉本隆明「真贋」講談社文庫

吉本隆明「真贋」講談社文庫

「世の中の当たり前ほどあてにならないものはない」

いかにも吉本らしい問題意識だと思う。
昨今の常識に敢えて疑問符を投じている。ポジティブシンキングから始まって、明るいこと=良いことという等式、教育=善、こういった当たり前はかなり怪しい・・。みんな物知りクイズに明け暮れているのに、肝心要の「人生とは・・」という曖昧な問いをしようとも考えようともしていない。

教育だって「教育者の毒」について何の言

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鈴木大拙「大拙つれづれ草」読売新聞社

鈴木大拙「大拙つれづれ草」読売新聞社

鈴木大拙は金沢が生んだ世界的な仏教哲学者。単なる国内研究者ではなく、英語で日本の仏教思想を広く翻訳し、広めたという点で他を圧倒している。キリスト教の素養もあり、仏教を客観的な視点から実に深く観察している。俺が一番面白かったのは「エデンの園」と「自由」に関する考察だった。キリスト教的な思想では必ず一神教の神が存在し、その対象あっての自由であり、幸福ということになるが、そうすると自然と人間の位置は確定

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