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ごまちゃん

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2023年10月の記事一覧

風の故郷

風の故郷

僕の部屋の前を
吹いていたすきま風が
突然なにかを思い出したらし
故郷に帰っていくのを見たよ
きっとほら
風も誰かを
愛したりするのだろうな

燦々と晴れた日
どこまでものびるまっすぐな道
メタセコイア並木が
遠くて近い歴史の数々を
おしえている

将来という
不安なひとつぶが
砂漠にある桜桃の実のように
ほんのり甘く
実ってほしい

僕の部屋の前を
吹いていたすきま風が
突然なにかを思い出したら

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追憶線にのって

追憶線にのって

ぼくがここを出ていくとき
山が風が
海が空が
時間が光たちが
追いかける
そうさここを出ていくのは
ぼくがトップバッターなのだ
だんだん景色が変わってしまって
すきな時間がほどけていく
ぼくがここを出ていくとき
朝が夜が
夕方が昼下がりが
川が森がトンネルが
追いかける
いつまでも、いつまでも
ぼくはゆっくりと
おもいだす

春よいそげよ

春よいそげよ

僕の棲む部屋
遠い遠い彼方の街
桜が舞い散る音がきこえる
僕は中学校のころに
いちばん好きだった
エッセイを
校庭で読んだことを
おもいだす

春よ あせらないでおくれ
でもすこしだけ
早歩きでこっちに来てくれたなら
僕は君とふたりきりで
話したいから

春よ 寄り道はいいけれど
迷子にはならないでおくれ
青い灯が点滅し始めた
私はしまうまに乗って
あなたの面影を感じたりする

ああ 
春よ
これ

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